「古民家もより」とは、、明治初期、奥能登の製塩業の復興に大きな功績を残した藻寄行蔵氏の生家で、藻寄氏の遠縁にあたる三盃三千三市議が私費を投じて修築した建物である。
築130年以上経ているという立派な古民家である。
ここを会場に今月26日から明日30日まで、4日間の会期で上記チラシにある空間アートプロジェクトの研究成果報告展が開催されている。
私も今日、拝見させていただいたが、なんと写してきた写真すべてを削除してしまうというミスを犯してしまった。
そこで雰囲気は同僚の米田幸助市議のブログに掲載されているのでご覧いただくということで勘弁願いたい。
さて、今回の報告会は金沢美大真鍋研究室が中心となって組織された珠洲焼プロジェクトの一環であり、珠洲焼の新たな可能性を探ると同時に2017年に計画されている奥能登里山里海国際芸術祭につなげていくことも視野に入れた取り組みでる。
報告展の私の印象、率直に言えば「う~~~ん、ちょっとしょぼいかな・・・」である。
珠洲焼を活用した新たな空間アートの可能性を否定するものではないが、築130年の歴史を重ねた古民家と調和しているかと言えば、今回の作品群では風格負けの感は否めない、と私は思う。
個々の作品の感想は控えるが、展示されている作品の代わりに現在の珠洲焼の陶工の作品が配置されていることを想像したときに、その違いは歴然とするように思う。
見る人を圧倒する中山達磨さんの豪快な壺、部屋の空気を凛と引き締める篠原敬くんの切れ味鋭い花卉など、現在活躍している陶工の皆さんの作品を「古民家もより」内の台所や茶の間、床の間などに展示した珠洲焼作品展とぜひ比較し見てみたいものだ。130年の建物に置かれても、その中で家の風格に引けを取らず、一層家の魅力を引き立てるような作品が数多くあるように思えてならない。
珠洲焼プロジェクトと陶工の作とはもちろん違う物差しで見なければいけないのだろうけど、行き着くところ、受け手の感動の度合いだとするならば、私にとって差は結構大きいような気がする。
私の受けとめかたには批判、反論も当然あるだろうし、「あなたにはあの作品群の魅力を受けとめる感性がない」と言われればそれまでだとも思うが、今日の展示作品で満足している人ばかりのように受けとめられるのもどうかなと思うので、あえて書かせていただいた。
なお、「古民家もより」は一見の価値あり。医者としても地域に貢献した藻寄氏が使用していた医学書も多く残され、棚にはかつて使用された薬品の瓶なども並ぶ。家の構造、台所なども明治初期の様子が偲ばれる。
場所は珠洲郵便局の隣。明日の「標的の村」上映会の前後でも立ち寄ることができる。
多くの方の感想を聞かせていただきたい。
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