今日の原子力規制委員会で志賀原発の敷地内断層36本(陸域10本、海岸部26本)の断層はいずれも活断層ではないとの結論に至りました。これに対して、原告団として下記の通り声明を発表したので、紹介します。
「え~、ガッカリ」
「ショック!」
「これで再稼働に向けて一直線?」
と落ち込んでいる人、心配している人もいるかもしれません。
でも原告団としてこれまでも規制委を全面的に信頼し、信用して、寄りかかって運動してきたわけではありません。
私たちと同じ見解ならば利用させてもらうし、違った見解を出せば「声明」の通り、当然反論させてもらいます。
何より、志賀原発の問題は敷地内断層だけではなく、周辺断層や避難計画、廃炉・廃棄物問題などヤマほどあります。
今日のようなバッドケースも想定しながらこれまでも運動をしてきました。
今後も法廷内外で再稼働阻止、廃炉に向けた運動を力いっぱい展開していきます。
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規制委「志賀原発の敷地内断層の活動性否定」に対する声明
原子力規制委員会は本日(3月3日)、志賀原発の新規制基準適合性に係る審査会合を開催し、評価対象とした10本の敷地内断層についていずれも活動性は認められないとの判断を下した。「活動性は否定できない」とする有識者会合の評価書を2016年4月に受理して以降、約7年間にわたる審査を経ての結論ではあるが、はたして審査は十分尽くされたといえるのだろうか。審査方法は妥当だったのだろうか。
北陸電力は福島原発事故後の2012年、志賀原発からわずか1kmの距離に位置する福浦断層が活断層であることをようやく認め、さらに2017年には北側の富来川南岸断層、海側の兜岩沖断層、碁盤島沖断層がいずれも活断層であることを認めている。さらに現在、福浦断層よりもさらに志賀原発に近い場所に位置するo断層の活動性を巡る議論が続けられている。志賀原発が活断層に囲まれた原発であることが次々と明らかになる中、敷地内断層に限っては活動性なしと断言できるのか、周辺断層からの影響はないのか、よりいっそう慎重な審査と判断が求められるはずである。
適合性審査自体は今後も継続する中、なぜあえて今日、敷地内断層についての結論を出さねばならなかったのか。早計に過ぎると指摘せざるをえない。今後の訴訟や廃炉に向けた取り組みについての基本的な方針をここに表明する。
1.結論の妥当性については疑義が残る。本日の審査会合の内容も含め、この間の審査経過を精査し、弁護団とも協議をし、反論を展開していく。
2. 敷地内断層の問題は適合性審査の最初の1項目に過ぎず、今後も周辺活断層による影響はじめ様々な外的事象による危険性や重大事故等への対処など80項目近い審査が続く。福島原発事故の教訓である「規制と推進の分離」が崩れつつある中、規制の責任を放棄する動きがないか、今後の審査状況を厳しくチェックしていく。
3. 志賀原発の危険性は適合性審査の範囲に限定されるものではない。重大事故のリスクに加え、防災・避難経計画の不備や廃炉・廃棄物処理などバックエンド対策、さらにはロシアのウクライナ侵略で顕在化した武力攻撃のリスクなど課題は山積している。原発の必要性神話や経済性神話もすでに崩壊している。引き続き法廷内外で、あらゆる角度から志賀原発の危険性、問題点を訴え、廃炉に向けた取り組みを全力で進めていく。
2023年3月3日
志賀原発を廃炉に!訴訟原告団
初めまして、藪田正弘と申します。
北野さんに連絡する方法がほかになく、「コメント」として投稿する失礼をお許しください。
私は写真家・映像作家として活動を続けているものですが、現在科学ジャーナリストの倉澤治雄氏とともに全国の原発や原子力関連施設、それに原発立地を退けた地域を巡ってその状況を撮影するとともに様々な方々のお話を伺って実情を記録するプロジェクトを進めています。
この度、志賀原発及び珠洲原発元予定地を訪れる計画で、その折に北野さんにお会いして原発計画を退けるに至った経緯などのお話を聞かせていただきたいと考えております。
もし、差し支えなければメールアドレスなど連絡先を下記のメールアドレスまでお送りください。
さらに詳しい内容をお知らせします。
(Mail) macokobe@gmail.com
(Tel) 090-2064-2426
<プロフィール>
藪田正弘
1952年 神戸市生まれ。
1975年~2013年
読売テレビの記者・ディレクター・プロデューサーなどとしてテレビ番組制作等に当たる。
2013年~2018年
BPO (放送倫理・番組向上機構) 調査役
2018年~
写真表現大学(大阪・茨木市)にて写真研究・古典プリント講座等受講し、さまざまな表現方法を知る。古典写真作家 若林久未来氏に師事しClassical Photographによる技法を深める。
[個展]
2021年9月28日~10月3日
ギャラリーヒルゲート(京都市中京区)
「Manhatta-n (2021) ~多層の街、その“かたち”を描く~」(「KG+2021」公式写真展)
2023年4月11日~23日
ギャラリーヒルゲート(京都市中京区)
「原発 : 時を超える風景」(「KG+2023」公式写真展)
[グループ展]
2021年10月27日~29日
大阪市中央公会堂
「第1回 Classical Photograph®️ の魅力展」
2022年12月7日~18日
堺アルフォンス・ミュシャ館 ギャラリーつつじ
「第2回 Classical Photograph®️ の魅力展」
これまでの多数のドキュメンタリー・報道番組の制作経験を生かし、客観的な事実(記録)を積み重ねる手法で “記録と表現が両立する作品”を制作し続けている。
倉澤治雄
1952年千葉県生まれ。1977年東京大学教養学部基礎科学科卒。1979年フランス国立ボルドー大学大学院第三博士課程修了(物理化学専攻)。
1980年日本テレビ入社、北京支局長、経済部長、政治部長、解説主幹等。2011年3月11日福島第一原発事故が発生したことにより解説委員兼務となり、事故発生当初からニュースの解説をつとめる。2012年日本テレビ退職、科学ジャーナリストとして活動。
主な著書:『原子力船むつ─虚構の航跡』(1988年、現代書館)、『原発爆発』(2013年、高文研)、『原発ゴミはどこへ行く?』(2014年、リベルタ出版)、『中国、科学技術覇権への野望』(2020年、中公新書ラクレ)、
『新型コロナワクチン 不都合な真実』(2022年、高文研) 他に原発関連等のルポ多数。