北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

学校図書館全国集会2日目

2012-08-19 | 教育
 今日も学校図書館全国集会に参加。2日目も分散会で、各地からの報告を受け、活発な質疑、討論が展開された。

 小中学校と高等学校の違いが浮き彫りになり、それぞれの課題を議論する中から、学校図書館の目指すべき方向性や共通する課題について理解を深めた。

 高等学校の学校図書館司書は、身分は各都道府県様々だが、基本的には各校にそれぞれ配置されてきた。しかし近年、正規職員の退職補充は非正規職員に、あるいは東京都のように業務委託へと、予算の削減、図書館機能の低下方向へと環境が激変してきている。
 そんな中、沖縄県など一部の県では数年ぶりに司書の正規採用を復活させた取り組みの報告もあり、自治体の姿勢の違いが際立った。
 そんな中、片山善博知事の頃から図書館行政に力を入れてきた鳥取県は正規職員がしっかり配置され、他県からは羨望のまなざしが向けられてきた。ところが鳥取県教組からは数値目標優先の勤務評定が進み職場環境が悪化している実態が報告され、参加者から驚きと戸惑いの声が聞かれた。

 一方で小中学校は、学校図書館の環境整備が遅れてきた中で、ここ数年、各地で次々と整備が進んでいる。もちろん自治体間格差も広がっているが(石川県内では白山市がダントツのトップを走っている)、前に向かっての競い合いである。地域によっては小中が充実する中で、高校の学校図書館の整備状況が逆転するところもでてくる。充実した学校図書館で義務教育を過ごしてきた子どもたちが高校で落差にショックを受ける時代ともなりかねない。

 珠洲市はまだまだ他市町と比べて遅れてはいるが、今春、学校図書館司書が1人から3人へと増員され、子どもたちの本への関心はさらに高まり、授業での市立図書館、県立図書館の本の活用も進んでいる。

 図書館司書の法的位置づけを明確化する動きが重要な局面を迎えている。保健室に養護教諭がいるように、図書館には専任の図書館司書がいるという環境を法的にも整備していくことが大切である。
 あわせて図書館の必要性を管理職(これまで小中の図書館整備が遅れていたため現状を当たり前と感じている管理職がいる)や保護者も含めてしっかり認識することが大切。議会も同様。地方交付税で財源措置がされていても他の事業に流用されることが多々ある。点数至上主義の学習ではなく、豊かな学びを保証する教育環境整備の重要な柱として学校図書館の充実を図る必要性を痛感した2日間であった。

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