いしかわ教育総研のかほく市教委視察に参加。
子育て環境の充実に力を入れるかほく市。
教育の充実もその一環ということかと思うが、県内では初めて市内6小学校の5、6年を対象に市独自で講師を配置し全学年35人以下学級を実現、小学校の英語授業では英語アシスタントの配置、中学校3校も含めた市内全学校でコミュニティスクールを実施し全校に学校コーディネーターを配置、学校給食費の徴収事務は14年前の合併時から学校ではなく市の会計として対応等々、人の配置を中心に市独自の施策を展開。
学校耐震化も県内で最も早く完了し、普通教室へのエアコン設置も平成28、29年度で大半が整備されている。
こうした施策の成果もあり、またその取り組みをしっかりアピールしているということもあるのだろうが、近年、市の人口は増加しているとのこと。
山越教育長自ら重点教育施策を説明していただいたが、ご本人は教員出身ではなく、財政課や建設課なども担当してきた行政マン。
教育部長も歴任しており、教育行政にももちろん精通しておられるが、教員出身者にありがちな教育論を前面に振りかざすことなく、現場が求める教育施策を油野市長と二人三脚で着実に積み重ねるタイプと映る。
参加者からは多忙化解消の更なる取り組みとして全国学力テストへの対応が指摘されるが、この点は残念ながらすれ違い。
もう一点指摘があったのは、かほく市出身の哲学者西田幾多郎博士を道徳教育に取り入れるかほく市独自の取り組み。
地域の偉人として子どもたちにその功績を伝え、また道徳教育にも活かしていきたいということかと思うが、西田哲学への評価は決して彼を讃えるものばかりではなく、戦争責任を問うなど厳しい声も少なくない。光と影の「光」の部分を伝え、それが西田幾多郎博士だ、西田哲学だということで終わってしまっては、「異なる文化や価値観を尊重し、世界に通じる人づくりを進めます」というかほく市教育振興基本計画の基本目標にも悖るのではないかとの指摘だ。
かほく市には反戦川柳作家鶴彬もいる。
今後の取り組みに期待したい。
教育委員会視察の前に訪れた西田幾多郎記念哲学館。
ここでも学芸員さんと参加者の間でふかい意見交換が。
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