学校図書館全国集会に参加

　北海道から沖縄まで全国各地から学校図書館関係者が集まり、秋田市内で２０１２年度学校図書館全国集会が開催された。今年のテーマは「ゆたかな学びを支援する学校図書館教育をすすめよう」。日程は今日と明日１９日の２日間。

　石川県からは金沢市内の高等学校で図書館を務めている方と私の二人の参加。知ってる人はだれもいないなぁと思って次第を見ると、冒頭の主催者あいさつが能登出身、私と同じ年齢で日教組の書記次長を務める岡島くんだった。



　全体会は基調報告、地元報告に続き、公益社団法人シャンディ国際ボランティア会の古賀東彦さんから「沿岸被災地を移動図書館で走り続けて～子どもたちから学ぶこと」という演題で講演がある。



　古賀さんは、岩手県の陸前高田市、大船渡市、大槌町、山田町で移動図書館活動を続けている。津波で図書館職員全員が亡くなった自治体もある。移動図書館が子どもたちはもちろん仮設住宅で暮らす人たちも含め、生きる力につながっていく様子が伝わってくる。

　続く分散会では、まず東京から都立高校の図書館業務が民間へ業務委託されていることについて報告があった。
　民間への業務委託は都庁全体で進められ、学校関係でも給食調理に始まり警備や校務員、栄養士など様々な職種ですすめらているが、図書館司書の業務委託によって学校図書館の機能が大きく損なわれている実態が明らかにされる。
　端的にいうと、委託を受けた業務委託者は生徒指導を行うことができない、教員は業務について直接、業務従事者と話すことはできない（法律上「偽装請負」となる）、１日に３人入れ替わることがある（コンビニのアルバイトじゃあるまいし）など、教育現場にふさわしくないことは明らか。これでは５年間で未読者率半減という都教委の目標達成どころか子どもたちの本離れをますます加速させることが心配される。

　２本目の報告は石川から。
　石川県の高校の図書館司書は全員非正規職員であり、全国でも稀な厳しい労働条件におかれているが、その中で育児休業制度を獲得するまでの取り組みが報告される。
　
　約４０人の非正規職員が力を合わせ、様々な組織・団体に働きかけ、行政や議会を動かし、ついに法改正、そして昨年の１２月には県条例の改正にまでをこぎつけ、図書館司書の育児休業制度が実現した。その取り組みの軌跡が具体的に報告され、参加者に大きな元気を与えた。

　分散会は明日の午前中も続けられる。

　引き続き夜は懇親会。
　図書館司書の皆さんの仕事にかける熱い思い、身分・待遇も含め数多くの悩みや課題などを具体的に聞かせてもらう。