北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

志賀原発の防災訓練に対し調査行動を実施

2012-05-30 | 脱原発
 石川県は福島第一原発事故を受け防災対策の重点区域が拡大されたことを踏まえて、住民の避難訓練も盛り込んだ防災訓練を実施する。

 過去の訓練は放射性物質が微量に放出されたけど、すぐに事故は収束。放射性物質が流れた方向も海側である。
 避難した住民は、原発は安全で、避難するような事態は現実にはおきませんよという「専門家」の講演を聞いて、弁当をもらって帰るというパターンであった。

 今回は3.11後、初めての訓練。事故想定も、一応「原子力緊急事態」となり、放射性物質も放出され、30キロ圏の一部に避難指示がだされるということになっている。

 知事もこれまでは「事故は起きないけど周辺住民の皆さんに安心してもらうための訓練だ」というあいさつを繰り返してきたが、さすがに今回は安全神話をふりまくことはできない。

 これに対し、従来は平和運動センターが中心になって訓練の調査行動を実施し、問題点を指摘し、改善策を提案し続けてきたが、今回は社民党議員団が中心となって調査行動を実施することが先週開かれた議員団会議で確認されている。

 志賀原発は停止中とはいえ、核燃料が存在する限り事故の危険性はある。そういう意味においては、3.11から約1年3か月が経過した中ではあるが、訓練実施にいたったことに一定の評価はできるかもしれない。

 しかし、そもそも訓練は計画を策定して、その実効性を確認するためのもの。国の指示待ちで計画を見直そうとしない中で、今回の訓練を実施する狙いはなんだろうか。
 たとえ防災計画見直し前であっても、計画の見直しに向けた課題をチェックするための訓練というのならば、それも一つの考えである。
 しかし、今日発表された訓練の概要をみても、目的は防災対策の確立や防災業務従事者の技術の向上、住民の防災意識の高揚など一般的な、従来と同じような内容が盛り込まれているだけである。今後の防災対策に活かすととも書かれているが、抽象的な感は否めない。

 そもそもなぜ今、訓練なのか。
 30キロ圏内の住民も避難させたという「実績」がほしいだけでは?
 つまり、夏の需要ピーク前の志賀再稼働に向けたパフォーマンスにすぎないのではないか。大いに注意が必要である。

 調査行動を踏まえ、問題点をより詳細、具体的に明らかにしていきたい。
 
 
 
 


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