NHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」が今週末で最終回を迎える。
昨日は花山編集長が広島へ取材に向かったところで終わった。
そして予想通り、今日はいよいよ「戦争中の暮らしの記録」の具体的な企画の相談に入るシーンである。
「戦争は庶民の暮らしをめちゃくちゃにするんだ」
「もう2度と戦争をしない世の中にするために、もう2度と騙されないように」
病院の病床で花山編集長が新たな企画への思いを語る。
ドラマだから実際の経緯とは少し違う演出があるが、それでも「あなたの暮らし」の読者に「戦争中の暮しの記録を募ります」と呼びかかけた花山さんの文章は、モデルとなった花守安治編集長が書いた文章と同じだったような。
「・・・ふたたび戦争をくり返さないためにも、あの暗くみじめな思いを、私たちにつづく世代に、二度とくり返させないないためにも、いまこの記録を残しておくことは、今度の戦争を生きてきたものの義務だとおもうからです・・・」
こうして募った「戦争中の暮しの記録」は編集部の予想を大きく上回る1,736篇だったとのこと。
今日のドラマの最後の「大変です!大変です!」はこの1,736篇のことだろう。
この想定外の事態に、当初は別冊発行を予定していた「戦争中の暮しの記録」が定期発行の96号の丸ごとの特集となり、100万部を超える大ヒットとなった。
花森編集長は、あとがきでたくさんの思いを綴っている。
その最後にこんな一文がある。
「編集者として、お願いしたいことがある。この号だけは、なんとか保存して下さって、この後の世代のためにのこしていただきたい、ということである。ご同意を得ることができたら、冥利これにすぎるはありません。」
戦後22年のことである。
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