志賀原発敷地内の断層の活動性を審査する原子力規制委員会の審査会合が昨日(7月6日)開かれた。
前回の審査会合で評価対象とすることが確認されたS-1,S-4など5本の断層について(5本に限定されたわけではなく追加される可能性あり)、北電が新たなデータなどを示して活動性を否定する主張を展開した。
しかし、これまで同様、規制委員会の審査官らからは説明不足やデータ不足、根拠が不明確などの指摘が相次いだ。
特に、竹内審議官からは、「示されたデータから断層の活動時期が古そうだと言いたいのはわかるが、われわれ(規制委員会)が求めているのは12~13万年前以降に動いていないという明確な証拠だ」とストレートに北電の調査の根本的課題を指摘した。
有識者会合の評価書を参考資料として扱う北電に対して、「重要な知見」だと釘を刺す場面も。
有識者会合の座長を務めた石渡委員からは、上記記事にあるように、有識者会合の評価書で示された「鉱物脈を探してほしい」という宿題に対して、鉱物脈ではないが、S-1の断層の破砕面の写真が初めて出てきたことを評価したが「それ以外は説得力がない」とバッサリ。
それでも、この破砕面の写真はS-1活動性を否定する根拠として評価されているのなら、終了後の北電の「非常にうれしい。手応えを得た」というコメントにもつながるが、会議での石渡委員の発言を確認すると、もともと有識者会合で活動性がないとしていたS-1の南東部側の原子炉から300メートルほど離れた地点の写真で、「(S-1の将来の活動性を認めた)結論に影響なし」と断言。
原子炉に近い場所でこのようなデータが必要なんだと、喜びかけた北電に冷水を浴びせている。
北電の懸命の説明は、依然空振りに終わっている。
志賀原発の差止訴訟では、加島裁判長は「規制委員会の審査を見守るのが相当」と述べ、審理の先延ばしを表明したが、今回の審査会合でも審理進展の目途はまったく立っていない。
有識者会合の評価書で判決を書けないのならば、期限を切って「12~13万年前以降に動いていないという明確な証拠の提出を」とすればいい。先延ばしの理由はない。
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