朝日新聞(12月2日)
今回の総選挙の争点、私は「安倍ファシズム政治」だと書いた(11月13日)。
基本的には安倍政権2年間に対する審判であり、安倍政治をさらに続けるのかどうかの選択だと思うが、安倍首相は憲法や安全保障、原発政策の争点化は避け、アベノミクス解散だと言っている。
アベノミクスももちろん大きな争点の一つに違いない。
そこでアベノミクスが争点ならば、アベノミクスの何が対決軸なのか。
そこは野党側の間でも微妙に違いが見られるように思う。
私は格差拡大政策だと批判するが、経済成長政策として失敗という批判もある。
そんな中、佐伯啓思京大教授はアベノミクスの根底にある価値観を捉えての対決軸を提示している。
◇ いっそうの規制改革を推進し、戦略的産業を打ち出し、過激化するグローバル競争のなかであくまで経済成長を追求する
◇ あえてグローバル競争と成長主義から距離を置き、安定した地域や社会や国土を確保していく
この二つの方向を示し、さらに端的に下記のような価値の選択を提示する。
グローバル化 vs. 反グローバル化
成長追求主義 vs. 脱成長主義
市場中心主義 vs. 脱市場主義
効率第一 vs. 安定性
今回の総選挙は野党の不意を突くような解散だったこともあり、各党、各候補者の政策は政権批判を中心にわかりやすいくまとめられてはいるが、「この道しかなんです」と叫ぶ安倍首相に対する「もう一つの道」は、実は佐伯氏が提示したこの選択肢にあるのではないかと思う。
ちなみに自他共に認める保守の思想家である佐伯氏だが、後者を選択するという。
私も佐伯氏の選択を支持する。
後者は緑の政治や世界農業遺産の考え方そのものではないか。
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