北國新聞(1月24日)
昨日(1月23日)、原子力規制委員会は臨時会議を開き、安全性向上に向けた取り組みについて意見交換をおこなった。
会議映像はこちら
北電からの提出資料「安全性向上に向けた更なる取組みについて」はこちら)
1、2号機停止中であっても、建屋内には核燃料が存在し、事故のリスクを抱えていることに変わりはない。
核燃料の撤去が最良の安全対策だが、そこはスルーしての安全対策向上策である。
北電からの報告を受けて、規制委員会の更田豊志委員長はじめ各委員との意見交換が行われたが、話題は自ずと2号機適合審査の進捗状況へ。
2号機適合性審査を担当する石渡委員は、提出資料のP6(個人・組織の能力向上と意識高揚)で、「審査対応能力の向上」として今後のプラント審査を見越して若手職員を東北電力、東京電力、日本原電、中国電力に派遣していることに触れ、自然ハザード関係はこのまま今の陣容でいくのかと突っ込む。
金井豊社長は現態勢で全力投球する旨説明するが、石渡委員は断層の追加データの提出要求に対して「レスポンスが遅い。改善の余地がある」とこの間の対応を批判した。
更田委員長も、「ボヤキに近いが・・・」と断りつつ、結論の目途すら立たない敷地内断層の審査状況に対して「破砕帯の調査にどれくらい力点を置いているのか、そこに尽きる」と金井社長に北電としての方針を質し、さらに「調査結果を示して不足がある、調査結果を示して不足がある、この繰り返しは健康的に見えない」と述べ、資料が十分と思って出しているのなら「求められるがままにデータを出しますというのではなく申請側の考えがあれば示してもらいたい」と水を向けたが、金井社長は「十分と思って資料を出しているが、規制側からの見方が違っている」との回答。
「とりあえず十分な資料と思ってるけど、ダメだというならまた出し直します」という姿勢は変わりそうもない。
海側の評価対象断層の選定に向けた資料のとりまとめも遅れているようだ。
長引く原因を規制側のせいだともとれる発言に、石渡委員からは「御社の調査結果を特に厳しく見ているわけではない」とピシャリ!
石黒副社長は、「やはりちょっと足りなかったというところがあります」と認めつつ、「10月の審査会合に臨むときに自信をもって審査を受けさせてもらった。特に若手は議論する喜び、やりとげたという話は聞いている」とし、これからも足りないところはしっかりとやっていくので引き続きよろしくとのこと。
「10月の審査会合」は、北電の「自信」を石渡委員はじめ規制庁の審査官らが木っ端みじんに砕いた会合だ(こちら参照)。
審査会合が若手職員の充実感や喜びなどモチベーションの向上につながっているのは結構なことだが、忙しい規制委がそんな社内事情に付き合わされるのはたまったものではないだろう。
石渡委員は視線を合わせようともしなかった。
更田委員長のボヤキも当分続きそうだが、最大の問題は危険な志賀原発がこのままズルズル存続するということ。
事故のリスクにさらされ続ける住民が最大の被害者だ。
この他、金井社長の「変な判決」発言など問題発言、注目発言があったが、またの機会に。
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