今日の一般質問の原稿です。ご笑覧を。
ところで今日の一般質問のトピックは市長の出馬表明。
トップバッターの政友会代表・新谷議員から思いっきりヨイショしての出馬要請かと思ったら、企業誘致への努力が見えない!などやや辛口な物言いも。市民の間の不満も意識してか?
もう一つのトピックは中板議員からの「来年にかける市長の思いを漢字一文字で表すと?」
→ → → 答弁は「進」でした(@_@)
手がけている施策をさらに進めたいということで、それ以上の意味も、それ以下の意味もないでしょう。
ナチスの手口に学べと発言した麻生副総理。秘密保護法が臨時国会に上程される前の7月のことでした。いつもの失言として撤回となりましたが、安倍政権はナチスの手口をしっかり学んでいたことが、先日の強行採決ではっきりしました。かつてもっとも民主的と言われたワイマール憲法がナチスの全権委任法で骨抜きにされたように、憲法が掲げる基本的人権も三権分立も平和主義も骨抜きにしていく秘密保護法は廃止しかないということを訴え、質問に入らせていただきます。
まず個人資産への補助制度についてお聞きします。
いきなり堅苦しい表現で恐縮ですが、私有財産制と自由主義経済という現憲法下にあって、行政が集めた税金は公のために使うのが原則で個人の資産形成のために使うというのは基本的にはできないと考えられます。そのため、たとえば大地震で多くの家屋が全半壊しても住宅再建の補助金はありませんでした。地震保険や共済制度への加入と低利の融資による再建という個人の自助努力が国の基本的な立場です。しかしそれでは高齢者が多くを占める過疎地では集落が消えてしまうという危機感から、鳥取県西部地震後、鳥取県は全国ではじめて住宅再建への直接的な支援制度を設けました。もちろんこの場合も制度の目的は個人財産への補填ではなくあくまでも被災者の地域への定住、言い換えれば集落の存続だとされました。
このように公の目的を掲げ個人の財産への支援をする制度は実はかなり多岐にわたります。珠洲市でもバイオマスストーブの購入費補助、空き家改修費補助、住宅のバリアフリー化を進める自立支援型住宅リフォーム推進事業など様々な個人資産への補助制度があります。概ねその目的は理解できますが、中には市の補助制度として位置づけがやや曖昧ではないかと感じる制度もあり、ばらまき行政との批判も受けかねません。
そこでまず、行政が個人の資産に補助をする場合は、政策目的と運用のルールを明確にするのが原則だと思いますが、基本的な姿勢を確認させていただきます。
昨年度からおもてなし力の向上を目的として掲げ、旅館や民宿を対象にした宿泊施設改修費助成制度も導入されました。事業者の資金確保は金融機関からの融資が基本であり、事業による収益で返済していくのが自由主義経済であって、経営の原則です。この助成制度は事業者への直接補助であり、個人資産への補助にもなりかねない微妙な制度でもあります。北陸新幹線開業を控えたおもてなし力の向上は結構ですが、なぜ宿泊施設だけが対象なのかという疑問もあります。そういう理由から私はこの予算には反対をしました。
予算計上自体に反対した私が、その運用に注文をつけるのはいかがなものかと思いながら、やはり一言いわせていただきたいと思います。この事業の補助金交付にあたっては要綱が定められています。宿泊客が直接使用する施設の増改築工事及び設備の改修工事が対象とされています。玄関や廊下、客間など宿泊客が直接過ごす空間が対象で、厨房や外壁は対象外となります。そこは理解できますが、ならばなぜ玄関先の融雪装置の設置が補助対象外なのでしょうか。宿泊客が車から降りてから足元を気にせず玄関に入る、翌朝も凍結を気にせず車に乗り込める、これも宿泊施設の魅力アップであり、大切なおもてなしではないでしょうか。冬季の誘客拡大に県をあげて取り組んでいる中、そして市内でも冬の味覚に絡めたイベントも定着している中、なぜこのような運用になるのか私には理解できません。補助対象を絞り込めば個人資産への補助という批判をかわせると考えられたのかもしれませんが、制度設立のそもそもの目的を忘れて運用しているとしか思えません。理由を明らかにしていただきたいと思います。
次に景気対策についてお聞きします。
安倍首相は来春から消費税の3%にアップを表明しました。当初語られた税と社会保障の一体改革は、社会保障に切り捨てメニューしかないため、消滅してしまったようです。税率アップで約8兆円の税収増とも言われていますが、増税による景気への影響緩和策として政府は5兆5千億円に上る景気対策を発表しました。その多くはオリンピック関連を含めた公共事業で低所得者対策はわずか6千億円程度とのこと。広く庶民から税金を巻き上げて大手のゼネコンに税金をまわす、江戸時代の悪代官でもこんな露骨な悪政はやりませんでした。
景気への影響を懸念する声も根強くあります。アベノミクスと大騒ぎしたわりには恩恵は一部の資産家と大手の輸出関連企業に留まっており、景気指標支えるのは公共事業と増税を控えて前倒しとなった住宅投資です。設備投資は依然低迷、個人消費も減速している中の増税です。
国内経済以上に市内の景気への影響が心配されます。消費税増税の影響について、どのように見ておられるかまずお聞きしたいと思います。
政府の経済対策の恩恵は一部の公共事業にはあるのかもしれませんが、市内の多くの事業者にとっては厳しさを増す一方ではないかと私は思います。ここは地域経済の落ち込みを防ぐため珠洲市独自の経済対策をしっかりと講じるべきだと思います。といってもプレミアム付き商品券のような地域経済がどこまで潤ったか検証できないような政策はいけません。私は地域経済への波及効果が大きい住宅関連にターゲットを絞った対策を打つべきだと思います。
今年は増税前の駆け込み発注でリフォームが増え、新築もあちこちで見受けられます。当然、来春以降の大きな反動が懸念されます。現在は先ほど紹介した自立支援型住宅リフォーム推進事業はじめトイレ水洗化に関わる助成、耐震改修工事費の助成がありますが、さらに制度を拡充し、市民が市内の施行業者を利用して個人住宅をリフォームする場合を対象にした住宅リフォーム助成制度を導入してはどうかと思います。県内では羽咋市や津幡町、能美市、川北町で導入されています。それぞれ補助額は上限を20万円としていますが、500万円の工事なら消費税アップ分を補てんし、余りがあります。また羽咋市は助成金のうち10万円は地域の商品券で支給することにしており、住宅関連業者以外にも効果が波及するようにしています。検討いただきたいと思いますがいかがでしょうか。
次に職員採用についてお聞きします。
「企業は人なり」という有名な言葉があります。「組織は人なり」「行政は人なり」とも言われています。地方自治においても企業経営においてもその中心は人であって、その中心である人がどのような哲学を持ち、どのような目標を掲げて、どのように行動するかによって、結果は大きく異なってくることを意味しています。
そこで真っ先にどのような人材を採用するかが問われます。企業ですと同業他社に負けない優秀な人材をいかに採用するかが、企業の存亡を左右します。もっともここで目先の即戦力かどうかの基準だけで採用していては社会の変化に対応できず、新分野への挑戦はおぼつきません。広い視野、長期的視野をもったチャレンジ精神旺盛な人材も重要です。
これに対して自治体は志願者も採用担当者も安定志向がベースにあったことは否めません。しかしこうした傾向にも近年変化がみられ、独自の採用方針を掲げる自治体が各地で見られ始めました。その背景には地方分権の進展、新卒の一括採用の限界、民間企業のノウハウ導入の浸透などが指摘されています。さらに加えて従来の試験形態では志願者の能力を判断するのに限界がきているとも言われます。
ネットで「珠洲市」「職員採用」と入れて検索すると一番上には広告が出てきますが、そこを開くと「珠洲市職員採用(大卒)教養試験合格セット」「今なら2割引き6冊セット2万円」とあります。これはペーパー試験対策ですが、いまや全国に公務員予備校が乱立し、多くの志願者がそこに通い、筆記試験対策だけでなく面接試験対策までおこなっています。筆記だけでは志願者の人間力は見極められないから面接で、と思いがちですが、近年では面接でも同じような回答の続出が珍しくないそうです。
行政は人なり。やはり近隣の自治体以上に優秀な人材を採用してほしいと願うのは当然の市民感覚でしょうし、金沢市職員より優秀な人材が奥能登に集まってこないと金沢・能登の格差の解消も難しいのではないでしょうか。もちろん、人事は採用がすべてではなく採用後の人材育成や給与・待遇も重要なことはいうまでもありませんが、今回は職員採用の在り方について若干提案をさせていただきたいと思います。
まず、試験委員に民間人を登用してはどうかということです。現在、2次試験の面接官は副市長、教育長、総務課長となっています。複雑多様化する行政需要に対応できる人材の確保するため、より多角的な視点から人物を見極めていくことが重要です。住民から公募している自治体も一部でありますが、珠洲市のような小さな自治体では難しいでしょう。市内にこだわらず人事に精通した民間企業の人事担当者あるいは経験者を登用します。身分は地方自治法174条に規定する専門委員、非常勤特別職で再登用はなし。当然ですが守秘義務を課します。いかがでしょうか。
あくまで民間的な視点を取り入れた評価を行うことが目的ですが、すでに実施しているいくつかの自治体では副次的な効果も発揮しています。行政に対する不信や偏見を解消し、行政の透明性を高めることになったとのことです。この議場でもこれまで何度か職員採用に疑念を示す市民の皆さんの声が紹介されています。私の耳にも入ってきます。肯定も否定もするだけの根拠を持ち合わせていませんが、行政への信頼、職員の皆さんへの信頼を低下させているわけで残念なことです。珠洲市は、本人からの開示請求があれば試験の採点結果を公開しているといっても、合否判定の6割を占める面接の点数の根拠まではわからないのですから、これだけでは不信の解消にはつながりません。疑念を払しょくするこのような制度の見直しに踏み込むのが最も効果的ではないでしょうか。
職員採用に関してのもう一つの提案は、募集にあたって、珠洲市として期待する職員像を掲げるべきではないかということです。民間企業なら我が社はこんな人材を求めていますと掲げるのはごく普通のことです。他の自治体でも求める職員像を明記しているところはたくさんあります。私が知る限り一番インパクトがあったのは佐賀県庁の職員募集のホームページです。人事担当者から求める人材、人材育成方針、採用後のキャリア形成について詳細に紹介され、人事制度の手厚さが伝わりますが、加えて「熱血佐賀県知事からのメッセージ」というコーナーがあります。具体的な例を挙げながら、こんなあなたを待っているというユニークなメッセージです。ぜひ一読をお薦めしたいと思います。
これに対して珠洲市は学歴や年齢など一定の受験資格が示しているだけです。職員採用はある意味、志願者と採用者のお見合いのようなもので、好きなタイプ、求める人物像は言葉にしてこそ伝わります。これは同時に職員の自己啓発へのメッセージにもなりますし、市民の皆さんから見ても、新規採用者の名前を聞いて、なるほど、だれだれさんの息子さんは役所が期待しとった職員像にピッタシやと納得してもらえるのではないかと思います。いかがでしょうか。
次に勝東庵についてお聞きします。
鉢ヶ崎一帯のリニューアル計画の中に位置づけて今後の利用形態が決まってくるものと思っていましたが、一足先に方向性が出てきました。文化・芸術に関わる活動を対象に貸館、貸室をおこなう市直営施設にするとのことですが、特徴ある施設の新たな活用策として、いまひとつ意欲が伝わってきませんし、鉢ヶ崎一帯の魅力アップにどうつながるのかも見えてきません。
そこで以下5点について、どのような検討がなされたのかお聞きします。
1点目、すずの湯や花の里と同様、勝東庵についても再整備に向けての問題点や課題を洗い出しておられると思います。その内容をお聞きします。
2点目、新しい利用形態によって、勝東庵と他の施設との連携がどのように強化されるのでしょうか。
3点目、市直営とのことですが、どのような利用形態を検討した中での結論でしょうか。
4点目、持続可能な施設運営に向け、収支見通しをどのように見ておられますか。
5点目、ヘルスツーリズムとの関連についてどのような検討がなされたのでしょうか。
鉢ヶ崎一帯はリフレッシュ村鉢ヶ崎として整備を進めながら、次々といろんな施設が配置され、結果的に相互の施設の関連性が薄い、言い換えればコンセプト不明な地域となってしまいました。来年度はクアの道、クアは保養とか治療という意味ですが、そうしたウォーキングロードも周辺に整備される予定のようですが、道路でつないだから連携が強化されるなどという安直な話ではなく、機能面での連携を強化し、全体の魅力アップにつながるよう本気で検討していただきたいと思います。
次に教育問題について教育長にお聞きします。
まず小規模校、そして複式学級についてです。西部小と大谷中を統合した小中一貫校が地域の皆さんの了解の下、平成28年度開校に向けて準備が進められています。これに対し、大谷地区以外の方からなぜあれだけ小さくなった学校を残すんだ、新しい校舎をつくる必要があるのかという声が聞こえてきます。市長や教育長は小中一貫校の成果やメリットを強調されますが、小中一貫の成果というのはまだまだ先にならないと確認できないわけで、期待を込めるのはわかりますが、やや無理があるように思います。
いま県内の多くの市町では大規模な学校統合を実施し、また計画が進められています。そんな中、珠洲市の教育の特徴は、県内初の小中一貫校へ取り組みということもありますが、私はそれ以上に大きな特徴は小規模校でもできるだけ残す方針を示していることにあるのではないかと受け止めています。2008年8月に教育委員会がまとめた「学校統合問題(今後の望ましい教育環境)に関する答申」によれば大谷地区の一貫校にとどまらず、緑丘校区の6小学校についても、「地域を学んだり、地域から学んだりして、地域と密着し一体となった教育の展開が大切である」として、できるだけ存続させることが重要だと記されています。第一次学校統合計画の答申と比較して、子どもたちの学びの力をどうつけていくか、あるいは教育における地域の役割をどう捉えるかという点で大きな転換が見られます。
いま、珠洲市内に限らず県内の多くの保護者、市民の皆さんの間では大規模校で切磋琢磨しあうことで学力が伸びるという信仰に近い考え方があるように思います。そういう意味で、小規模校となっても残す意義について市民の間で共通理解を形成することがとても重要なことではないかと思います。小規模校の教育面でのメリットや強みを、市内最小の西部小学校の実例を踏まえながら教育長の考えをお聞きしたいと思います。
小規模校存続とセットの問題として複式学級があります。市内では今年度8つの複式のクラスがあり、今後、さらに増える傾向にあります。保護者をはじめ、多くの市民の皆さんには複式学級に対する不安や否定的な見方が少なくないように思います。単式のクラスと比べ複式では先生から半分しか教えてもらえないのではという素朴な疑問。あるいは、たとえ児童数が少なくても別々の学年を並行して教えると先生の目が行き届かないんじゃないか、あるいは横で違う授業やってたら集中して勉強できないんじゃないか、などなど不安や疑問は尽きません。しかし、複式は学びの環境としては決してマイナスではないことが、多くの教育実践の中で確認されてきています。こうしたことを教育委員会は市民に明確に語るべきだと思いますが、教育長の複式学級に対する認識をお聞きします。
もちろん小規模・複式校のデメリットがないわけではありません。特に教員の負担増は大きなものがあります。この点についても、一般的に子どもたちの人数が少ないから楽だろうという受け止め方があります。もちろん採点するテストの枚数が少ないのは間違いありませんが、授業準備の負担に加え、少ない教員数で大規模校と同じ数の校務分掌を分担し、同じ回数の出張も入りますから、一人何役もこなさなければなりません。作成しなければならない書類も倍増します。昔と違い今は複式1クラス目には教員1人の加配があり講師の方が増員されていますが、複式2クラス目にはこうした措置はありません。小規模校をできるだけ存続させるという方針を支えるには市独自のなんらかの支援策が必要ではないかと思いますがいかがでしょうか。
教育問題でもう一点、全国学力テスト成績公表問題です。
この問題については文科省が公表解禁に向けて、全国の教育長らにアンケートを実施するという方針が示された中、今年の6月議会で質問させていただきました。教育長からは従来から実施要領に沿って市教委は市全体の結果については公表するが各学校の結果は公表しておらず、今後もこの方針で臨みたいとの答弁でした。
多くの市町村教委が反対や慎重意見を表明する中、文科省は先月29日、実施要領を変更し、市町村教育委員会による学校別の成績公表を解禁する方針を示しました。各都道府県教育委員会が音頭をとっての競争が年々過熱している中、さらに学校の序列化や過度の点数競争をもたらすものであり、公表すべきでないと考えます。6月議会の答弁がありましたから、今回あらためて聞くまでもなく、聞くつもりもなかったのですが、地元紙のアンケートで市教委は「公表する場合は丁寧な対応が必要」と回答しています。方針を転換し、学校ごとの公表も考えておられるということでしょうか。いま一度、対応方針を確認させていただきたいと思います。
次に原子力防災についてお聞きします。
さる11月16日、石川県と珠洲市を含む県内13市町の主催で原子力防災訓練が実施されました。3.11後、新たに発足した原子力規制委員会が策定した原子力災害対策指針に基づき、石川県の原子力防災計画も大幅に変更されました。同時に避難計画要綱も策定されました。今回の訓練は計画変更後初めて実施するものであり、計画の実効性がどこまで検証されるか大いに注目されました。
珠洲市では緑丘中学校を受け入れ施設として避難所設営訓練と、受付避難者誘導訓練がおこなわれました。避難者は穴水町からバスと自家用車を利用した47人でしたが、計画では最大で8169人、つまり今回の170倍もの住民を市内17施設で受け入れることになっています。今回は初めてということもあり、基本的な受け入れ手順を確認する以上の内容はなかったのではないかと思います。市長は提案説明の中で「今後、受け入れ体制の強化に向けて取り組んでまいりたい」と述べています。そこで現状の受入態勢を確認し、今後の課題をお聞きしていきたいと思います。
その前に、今回の訓練で珠洲市にも関わる問題を一点指摘させていただきます。志賀原発から30キロ圏外への避難は昨年6月の訓練に続いて2度目となりますが、今回は初めてスクリーニングポイントという施設を設けました。30キロ圏内の住民が避難する途中で、30キロ圏を超えたところで放射能による汚染を測定し、基準を超えた場合はそこで除染をおこない、その後、避難所に向かいます。今回は、北は奥能登行政庁舎、南は看護大でした。奥能登方向への避難者は、今回は330人でしたが最大で29000人余り。一人当たりのスクリーニングに2~3分は要するので仮に訓練当日の倍の10班で対応しても120時間、なんと5日間もせき止められることになります。つまりスクリーニングポイントを設けても大半の避難者への対応は不可能で、受入先となる避難所でスクリーニングや除染をしなければならないということを確認しておきたいと思います。
このことを踏まえて、まず現状の受入態勢について以下4点、質問をさせていただきます。
1点目、現時点で、市内に研修を受けてスクリーニングを担える人は何人いて、測定機器は何台手配できるのでしょうか。
2点目、現時点で簡易除染ができる人は何人いるのでしょうか。
3点目、全身除染の設備は何台手配できるのでしょうか。
4点目、避難車両の汚染も想定され、今回は看護大には配置されました。避難車両の除染設備は珠洲には何台手配することはできるのでしょうか。
次に、避難者の受入にあたっては、これら専門的な作業以外に受付や避難者の誘導などを含め様々な役割が求められると思われます。避難所での作業に市職員は最大で何人携わることになるのでしょうか。また職員数に応じた防護服は準備されているのでしょうか。
これから受け入れ態勢を強化するとのことですが、機材と人員が確保され、避難者の受け入れ態勢が整うのは果たしていつ頃になるのでしょうか。県からの指示なり、なんらかの見通しがありましたらお示しいただきたいと思います。
原子力防災に関してあと一点、受入にあたって、これら防災業務に携わる人員の確保、防護資器材の確保、市民の原子力防災知識の普及など多くの課題があります。今回のような手順確認の訓練を何回繰り返したところで受け入れ態勢はいつになっても整いません。珠洲市としてどこまでやれるのか、県には何をやってもらうのか、国はじめその他の防災関係機関には何をやってもらうのか、役割分担と態勢を明記した原子力防災計画を策定していかないと対応できないと私は思いますがいかがでしょうか。
6月議会でも指摘しましたが、これは再稼働の有無とは関係のない話で、志賀原発の敷地内に使用済みも含め核燃料がある限り対応しなければならない問題です。30キロ圏外だから策定の義務はなくとも事は職員の被ばくにも関わる問題であり、避難住民の受け入れを了解したのなら、しっかりとした計画を作った方がいいに決まっています。県も義務付けはされていないが、策定してもらえればありがたいので相談に応じるとのスタンスだということを申し添えておきます。
最後に12月6日深夜、参議院で強行採決され成立した秘密保護法についてお聞きします。
知る権利と報道に自由に直接関わる大半の報道機関や日本弁護士連合会が反対の姿勢を鮮明にし、益川俊英、白川英樹両ノーベル賞受賞者らの反対の呼びかけには専門分野を超えた2000人を超える学者が賛同しました。吉永小百合さんや菅原文太さん、仲代達矢さんら多くの文化、芸術関係者や団体も反対の声をあげ、反対行動に参加した市民、市民団体やNGOは数えきれません。県内でも連日のように抗議集会やデモ、座り込み行動などが展開されました。まさに全国津々浦々、各界各層、これまでにない広範な国民が反対や慎重審議の声をあげました。成立後の世論調査でも修正・廃止を求める人が8割を超え、法律への不安を感じる人が7割を占めています。憲法で保障された報道の自由、取材の自由、知る権利、学問・研究の自由を規制し、時には強権的な弾圧も可能にし、分野を問わず自由な表現活動を委縮させ、民主主義の根幹を揺るがす、まさに戦前の治安維持法を彷彿とさせる悪法だからです。
市長はこの法律の審議をどのような思いでご覧になられたでしょうか。従来から外交・防衛に関する情報は秘密のベールに包まれてきました。一方、この10年で自治体は安全保障に関わる役割を次々と担わされています。例えば国民保護法に基づいて策定された珠洲市国民保護計画では、武力攻撃事態などの場合の珠洲市の責務が記載されています。周辺事態法で自治体は内閣から周辺事態において協力を求められ、武力攻撃事態法では国が決めた措置を実施する責務が課せられています。さらに安倍政権が次期通常国会での成立を目指している国家安全保障基本法では安全保障施策をめぐって平時から自治体は責務を負わされることになります。
秘密保護法で防衛に関する情報が一段と秘密にされる中、珠洲市はじめ全国の自治体は、政府から武力攻撃の恐れがあるとの自作自演の一方的な発表で、市民に対して様々な義務を課し、権利を制限し、否応なく米軍支援の戦争体制へと組み込まれていく恐れすらでてきました。この悪法を市長はどのように見ておられるのか見解をお聞きして私の質問を終わらせていただきます。
(正式な議事録ではありませんので引用にはご注意を)
ところで今日の一般質問のトピックは市長の出馬表明。
トップバッターの政友会代表・新谷議員から思いっきりヨイショしての出馬要請かと思ったら、企業誘致への努力が見えない!などやや辛口な物言いも。市民の間の不満も意識してか?
もう一つのトピックは中板議員からの「来年にかける市長の思いを漢字一文字で表すと?」
→ → → 答弁は「進」でした(@_@)
手がけている施策をさらに進めたいということで、それ以上の意味も、それ以下の意味もないでしょう。
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ナチスの手口に学べと発言した麻生副総理。秘密保護法が臨時国会に上程される前の7月のことでした。いつもの失言として撤回となりましたが、安倍政権はナチスの手口をしっかり学んでいたことが、先日の強行採決ではっきりしました。かつてもっとも民主的と言われたワイマール憲法がナチスの全権委任法で骨抜きにされたように、憲法が掲げる基本的人権も三権分立も平和主義も骨抜きにしていく秘密保護法は廃止しかないということを訴え、質問に入らせていただきます。
まず個人資産への補助制度についてお聞きします。
いきなり堅苦しい表現で恐縮ですが、私有財産制と自由主義経済という現憲法下にあって、行政が集めた税金は公のために使うのが原則で個人の資産形成のために使うというのは基本的にはできないと考えられます。そのため、たとえば大地震で多くの家屋が全半壊しても住宅再建の補助金はありませんでした。地震保険や共済制度への加入と低利の融資による再建という個人の自助努力が国の基本的な立場です。しかしそれでは高齢者が多くを占める過疎地では集落が消えてしまうという危機感から、鳥取県西部地震後、鳥取県は全国ではじめて住宅再建への直接的な支援制度を設けました。もちろんこの場合も制度の目的は個人財産への補填ではなくあくまでも被災者の地域への定住、言い換えれば集落の存続だとされました。
このように公の目的を掲げ個人の財産への支援をする制度は実はかなり多岐にわたります。珠洲市でもバイオマスストーブの購入費補助、空き家改修費補助、住宅のバリアフリー化を進める自立支援型住宅リフォーム推進事業など様々な個人資産への補助制度があります。概ねその目的は理解できますが、中には市の補助制度として位置づけがやや曖昧ではないかと感じる制度もあり、ばらまき行政との批判も受けかねません。
そこでまず、行政が個人の資産に補助をする場合は、政策目的と運用のルールを明確にするのが原則だと思いますが、基本的な姿勢を確認させていただきます。
昨年度からおもてなし力の向上を目的として掲げ、旅館や民宿を対象にした宿泊施設改修費助成制度も導入されました。事業者の資金確保は金融機関からの融資が基本であり、事業による収益で返済していくのが自由主義経済であって、経営の原則です。この助成制度は事業者への直接補助であり、個人資産への補助にもなりかねない微妙な制度でもあります。北陸新幹線開業を控えたおもてなし力の向上は結構ですが、なぜ宿泊施設だけが対象なのかという疑問もあります。そういう理由から私はこの予算には反対をしました。
予算計上自体に反対した私が、その運用に注文をつけるのはいかがなものかと思いながら、やはり一言いわせていただきたいと思います。この事業の補助金交付にあたっては要綱が定められています。宿泊客が直接使用する施設の増改築工事及び設備の改修工事が対象とされています。玄関や廊下、客間など宿泊客が直接過ごす空間が対象で、厨房や外壁は対象外となります。そこは理解できますが、ならばなぜ玄関先の融雪装置の設置が補助対象外なのでしょうか。宿泊客が車から降りてから足元を気にせず玄関に入る、翌朝も凍結を気にせず車に乗り込める、これも宿泊施設の魅力アップであり、大切なおもてなしではないでしょうか。冬季の誘客拡大に県をあげて取り組んでいる中、そして市内でも冬の味覚に絡めたイベントも定着している中、なぜこのような運用になるのか私には理解できません。補助対象を絞り込めば個人資産への補助という批判をかわせると考えられたのかもしれませんが、制度設立のそもそもの目的を忘れて運用しているとしか思えません。理由を明らかにしていただきたいと思います。
次に景気対策についてお聞きします。
安倍首相は来春から消費税の3%にアップを表明しました。当初語られた税と社会保障の一体改革は、社会保障に切り捨てメニューしかないため、消滅してしまったようです。税率アップで約8兆円の税収増とも言われていますが、増税による景気への影響緩和策として政府は5兆5千億円に上る景気対策を発表しました。その多くはオリンピック関連を含めた公共事業で低所得者対策はわずか6千億円程度とのこと。広く庶民から税金を巻き上げて大手のゼネコンに税金をまわす、江戸時代の悪代官でもこんな露骨な悪政はやりませんでした。
景気への影響を懸念する声も根強くあります。アベノミクスと大騒ぎしたわりには恩恵は一部の資産家と大手の輸出関連企業に留まっており、景気指標支えるのは公共事業と増税を控えて前倒しとなった住宅投資です。設備投資は依然低迷、個人消費も減速している中の増税です。
国内経済以上に市内の景気への影響が心配されます。消費税増税の影響について、どのように見ておられるかまずお聞きしたいと思います。
政府の経済対策の恩恵は一部の公共事業にはあるのかもしれませんが、市内の多くの事業者にとっては厳しさを増す一方ではないかと私は思います。ここは地域経済の落ち込みを防ぐため珠洲市独自の経済対策をしっかりと講じるべきだと思います。といってもプレミアム付き商品券のような地域経済がどこまで潤ったか検証できないような政策はいけません。私は地域経済への波及効果が大きい住宅関連にターゲットを絞った対策を打つべきだと思います。
今年は増税前の駆け込み発注でリフォームが増え、新築もあちこちで見受けられます。当然、来春以降の大きな反動が懸念されます。現在は先ほど紹介した自立支援型住宅リフォーム推進事業はじめトイレ水洗化に関わる助成、耐震改修工事費の助成がありますが、さらに制度を拡充し、市民が市内の施行業者を利用して個人住宅をリフォームする場合を対象にした住宅リフォーム助成制度を導入してはどうかと思います。県内では羽咋市や津幡町、能美市、川北町で導入されています。それぞれ補助額は上限を20万円としていますが、500万円の工事なら消費税アップ分を補てんし、余りがあります。また羽咋市は助成金のうち10万円は地域の商品券で支給することにしており、住宅関連業者以外にも効果が波及するようにしています。検討いただきたいと思いますがいかがでしょうか。
次に職員採用についてお聞きします。
「企業は人なり」という有名な言葉があります。「組織は人なり」「行政は人なり」とも言われています。地方自治においても企業経営においてもその中心は人であって、その中心である人がどのような哲学を持ち、どのような目標を掲げて、どのように行動するかによって、結果は大きく異なってくることを意味しています。
そこで真っ先にどのような人材を採用するかが問われます。企業ですと同業他社に負けない優秀な人材をいかに採用するかが、企業の存亡を左右します。もっともここで目先の即戦力かどうかの基準だけで採用していては社会の変化に対応できず、新分野への挑戦はおぼつきません。広い視野、長期的視野をもったチャレンジ精神旺盛な人材も重要です。
これに対して自治体は志願者も採用担当者も安定志向がベースにあったことは否めません。しかしこうした傾向にも近年変化がみられ、独自の採用方針を掲げる自治体が各地で見られ始めました。その背景には地方分権の進展、新卒の一括採用の限界、民間企業のノウハウ導入の浸透などが指摘されています。さらに加えて従来の試験形態では志願者の能力を判断するのに限界がきているとも言われます。
ネットで「珠洲市」「職員採用」と入れて検索すると一番上には広告が出てきますが、そこを開くと「珠洲市職員採用(大卒)教養試験合格セット」「今なら2割引き6冊セット2万円」とあります。これはペーパー試験対策ですが、いまや全国に公務員予備校が乱立し、多くの志願者がそこに通い、筆記試験対策だけでなく面接試験対策までおこなっています。筆記だけでは志願者の人間力は見極められないから面接で、と思いがちですが、近年では面接でも同じような回答の続出が珍しくないそうです。
行政は人なり。やはり近隣の自治体以上に優秀な人材を採用してほしいと願うのは当然の市民感覚でしょうし、金沢市職員より優秀な人材が奥能登に集まってこないと金沢・能登の格差の解消も難しいのではないでしょうか。もちろん、人事は採用がすべてではなく採用後の人材育成や給与・待遇も重要なことはいうまでもありませんが、今回は職員採用の在り方について若干提案をさせていただきたいと思います。
まず、試験委員に民間人を登用してはどうかということです。現在、2次試験の面接官は副市長、教育長、総務課長となっています。複雑多様化する行政需要に対応できる人材の確保するため、より多角的な視点から人物を見極めていくことが重要です。住民から公募している自治体も一部でありますが、珠洲市のような小さな自治体では難しいでしょう。市内にこだわらず人事に精通した民間企業の人事担当者あるいは経験者を登用します。身分は地方自治法174条に規定する専門委員、非常勤特別職で再登用はなし。当然ですが守秘義務を課します。いかがでしょうか。
あくまで民間的な視点を取り入れた評価を行うことが目的ですが、すでに実施しているいくつかの自治体では副次的な効果も発揮しています。行政に対する不信や偏見を解消し、行政の透明性を高めることになったとのことです。この議場でもこれまで何度か職員採用に疑念を示す市民の皆さんの声が紹介されています。私の耳にも入ってきます。肯定も否定もするだけの根拠を持ち合わせていませんが、行政への信頼、職員の皆さんへの信頼を低下させているわけで残念なことです。珠洲市は、本人からの開示請求があれば試験の採点結果を公開しているといっても、合否判定の6割を占める面接の点数の根拠まではわからないのですから、これだけでは不信の解消にはつながりません。疑念を払しょくするこのような制度の見直しに踏み込むのが最も効果的ではないでしょうか。
職員採用に関してのもう一つの提案は、募集にあたって、珠洲市として期待する職員像を掲げるべきではないかということです。民間企業なら我が社はこんな人材を求めていますと掲げるのはごく普通のことです。他の自治体でも求める職員像を明記しているところはたくさんあります。私が知る限り一番インパクトがあったのは佐賀県庁の職員募集のホームページです。人事担当者から求める人材、人材育成方針、採用後のキャリア形成について詳細に紹介され、人事制度の手厚さが伝わりますが、加えて「熱血佐賀県知事からのメッセージ」というコーナーがあります。具体的な例を挙げながら、こんなあなたを待っているというユニークなメッセージです。ぜひ一読をお薦めしたいと思います。
これに対して珠洲市は学歴や年齢など一定の受験資格が示しているだけです。職員採用はある意味、志願者と採用者のお見合いのようなもので、好きなタイプ、求める人物像は言葉にしてこそ伝わります。これは同時に職員の自己啓発へのメッセージにもなりますし、市民の皆さんから見ても、新規採用者の名前を聞いて、なるほど、だれだれさんの息子さんは役所が期待しとった職員像にピッタシやと納得してもらえるのではないかと思います。いかがでしょうか。
次に勝東庵についてお聞きします。
鉢ヶ崎一帯のリニューアル計画の中に位置づけて今後の利用形態が決まってくるものと思っていましたが、一足先に方向性が出てきました。文化・芸術に関わる活動を対象に貸館、貸室をおこなう市直営施設にするとのことですが、特徴ある施設の新たな活用策として、いまひとつ意欲が伝わってきませんし、鉢ヶ崎一帯の魅力アップにどうつながるのかも見えてきません。
そこで以下5点について、どのような検討がなされたのかお聞きします。
1点目、すずの湯や花の里と同様、勝東庵についても再整備に向けての問題点や課題を洗い出しておられると思います。その内容をお聞きします。
2点目、新しい利用形態によって、勝東庵と他の施設との連携がどのように強化されるのでしょうか。
3点目、市直営とのことですが、どのような利用形態を検討した中での結論でしょうか。
4点目、持続可能な施設運営に向け、収支見通しをどのように見ておられますか。
5点目、ヘルスツーリズムとの関連についてどのような検討がなされたのでしょうか。
鉢ヶ崎一帯はリフレッシュ村鉢ヶ崎として整備を進めながら、次々といろんな施設が配置され、結果的に相互の施設の関連性が薄い、言い換えればコンセプト不明な地域となってしまいました。来年度はクアの道、クアは保養とか治療という意味ですが、そうしたウォーキングロードも周辺に整備される予定のようですが、道路でつないだから連携が強化されるなどという安直な話ではなく、機能面での連携を強化し、全体の魅力アップにつながるよう本気で検討していただきたいと思います。
次に教育問題について教育長にお聞きします。
まず小規模校、そして複式学級についてです。西部小と大谷中を統合した小中一貫校が地域の皆さんの了解の下、平成28年度開校に向けて準備が進められています。これに対し、大谷地区以外の方からなぜあれだけ小さくなった学校を残すんだ、新しい校舎をつくる必要があるのかという声が聞こえてきます。市長や教育長は小中一貫校の成果やメリットを強調されますが、小中一貫の成果というのはまだまだ先にならないと確認できないわけで、期待を込めるのはわかりますが、やや無理があるように思います。
いま県内の多くの市町では大規模な学校統合を実施し、また計画が進められています。そんな中、珠洲市の教育の特徴は、県内初の小中一貫校へ取り組みということもありますが、私はそれ以上に大きな特徴は小規模校でもできるだけ残す方針を示していることにあるのではないかと受け止めています。2008年8月に教育委員会がまとめた「学校統合問題(今後の望ましい教育環境)に関する答申」によれば大谷地区の一貫校にとどまらず、緑丘校区の6小学校についても、「地域を学んだり、地域から学んだりして、地域と密着し一体となった教育の展開が大切である」として、できるだけ存続させることが重要だと記されています。第一次学校統合計画の答申と比較して、子どもたちの学びの力をどうつけていくか、あるいは教育における地域の役割をどう捉えるかという点で大きな転換が見られます。
いま、珠洲市内に限らず県内の多くの保護者、市民の皆さんの間では大規模校で切磋琢磨しあうことで学力が伸びるという信仰に近い考え方があるように思います。そういう意味で、小規模校となっても残す意義について市民の間で共通理解を形成することがとても重要なことではないかと思います。小規模校の教育面でのメリットや強みを、市内最小の西部小学校の実例を踏まえながら教育長の考えをお聞きしたいと思います。
小規模校存続とセットの問題として複式学級があります。市内では今年度8つの複式のクラスがあり、今後、さらに増える傾向にあります。保護者をはじめ、多くの市民の皆さんには複式学級に対する不安や否定的な見方が少なくないように思います。単式のクラスと比べ複式では先生から半分しか教えてもらえないのではという素朴な疑問。あるいは、たとえ児童数が少なくても別々の学年を並行して教えると先生の目が行き届かないんじゃないか、あるいは横で違う授業やってたら集中して勉強できないんじゃないか、などなど不安や疑問は尽きません。しかし、複式は学びの環境としては決してマイナスではないことが、多くの教育実践の中で確認されてきています。こうしたことを教育委員会は市民に明確に語るべきだと思いますが、教育長の複式学級に対する認識をお聞きします。
もちろん小規模・複式校のデメリットがないわけではありません。特に教員の負担増は大きなものがあります。この点についても、一般的に子どもたちの人数が少ないから楽だろうという受け止め方があります。もちろん採点するテストの枚数が少ないのは間違いありませんが、授業準備の負担に加え、少ない教員数で大規模校と同じ数の校務分掌を分担し、同じ回数の出張も入りますから、一人何役もこなさなければなりません。作成しなければならない書類も倍増します。昔と違い今は複式1クラス目には教員1人の加配があり講師の方が増員されていますが、複式2クラス目にはこうした措置はありません。小規模校をできるだけ存続させるという方針を支えるには市独自のなんらかの支援策が必要ではないかと思いますがいかがでしょうか。
教育問題でもう一点、全国学力テスト成績公表問題です。
この問題については文科省が公表解禁に向けて、全国の教育長らにアンケートを実施するという方針が示された中、今年の6月議会で質問させていただきました。教育長からは従来から実施要領に沿って市教委は市全体の結果については公表するが各学校の結果は公表しておらず、今後もこの方針で臨みたいとの答弁でした。
多くの市町村教委が反対や慎重意見を表明する中、文科省は先月29日、実施要領を変更し、市町村教育委員会による学校別の成績公表を解禁する方針を示しました。各都道府県教育委員会が音頭をとっての競争が年々過熱している中、さらに学校の序列化や過度の点数競争をもたらすものであり、公表すべきでないと考えます。6月議会の答弁がありましたから、今回あらためて聞くまでもなく、聞くつもりもなかったのですが、地元紙のアンケートで市教委は「公表する場合は丁寧な対応が必要」と回答しています。方針を転換し、学校ごとの公表も考えておられるということでしょうか。いま一度、対応方針を確認させていただきたいと思います。
次に原子力防災についてお聞きします。
さる11月16日、石川県と珠洲市を含む県内13市町の主催で原子力防災訓練が実施されました。3.11後、新たに発足した原子力規制委員会が策定した原子力災害対策指針に基づき、石川県の原子力防災計画も大幅に変更されました。同時に避難計画要綱も策定されました。今回の訓練は計画変更後初めて実施するものであり、計画の実効性がどこまで検証されるか大いに注目されました。
珠洲市では緑丘中学校を受け入れ施設として避難所設営訓練と、受付避難者誘導訓練がおこなわれました。避難者は穴水町からバスと自家用車を利用した47人でしたが、計画では最大で8169人、つまり今回の170倍もの住民を市内17施設で受け入れることになっています。今回は初めてということもあり、基本的な受け入れ手順を確認する以上の内容はなかったのではないかと思います。市長は提案説明の中で「今後、受け入れ体制の強化に向けて取り組んでまいりたい」と述べています。そこで現状の受入態勢を確認し、今後の課題をお聞きしていきたいと思います。
その前に、今回の訓練で珠洲市にも関わる問題を一点指摘させていただきます。志賀原発から30キロ圏外への避難は昨年6月の訓練に続いて2度目となりますが、今回は初めてスクリーニングポイントという施設を設けました。30キロ圏内の住民が避難する途中で、30キロ圏を超えたところで放射能による汚染を測定し、基準を超えた場合はそこで除染をおこない、その後、避難所に向かいます。今回は、北は奥能登行政庁舎、南は看護大でした。奥能登方向への避難者は、今回は330人でしたが最大で29000人余り。一人当たりのスクリーニングに2~3分は要するので仮に訓練当日の倍の10班で対応しても120時間、なんと5日間もせき止められることになります。つまりスクリーニングポイントを設けても大半の避難者への対応は不可能で、受入先となる避難所でスクリーニングや除染をしなければならないということを確認しておきたいと思います。
このことを踏まえて、まず現状の受入態勢について以下4点、質問をさせていただきます。
1点目、現時点で、市内に研修を受けてスクリーニングを担える人は何人いて、測定機器は何台手配できるのでしょうか。
2点目、現時点で簡易除染ができる人は何人いるのでしょうか。
3点目、全身除染の設備は何台手配できるのでしょうか。
4点目、避難車両の汚染も想定され、今回は看護大には配置されました。避難車両の除染設備は珠洲には何台手配することはできるのでしょうか。
次に、避難者の受入にあたっては、これら専門的な作業以外に受付や避難者の誘導などを含め様々な役割が求められると思われます。避難所での作業に市職員は最大で何人携わることになるのでしょうか。また職員数に応じた防護服は準備されているのでしょうか。
これから受け入れ態勢を強化するとのことですが、機材と人員が確保され、避難者の受け入れ態勢が整うのは果たしていつ頃になるのでしょうか。県からの指示なり、なんらかの見通しがありましたらお示しいただきたいと思います。
原子力防災に関してあと一点、受入にあたって、これら防災業務に携わる人員の確保、防護資器材の確保、市民の原子力防災知識の普及など多くの課題があります。今回のような手順確認の訓練を何回繰り返したところで受け入れ態勢はいつになっても整いません。珠洲市としてどこまでやれるのか、県には何をやってもらうのか、国はじめその他の防災関係機関には何をやってもらうのか、役割分担と態勢を明記した原子力防災計画を策定していかないと対応できないと私は思いますがいかがでしょうか。
6月議会でも指摘しましたが、これは再稼働の有無とは関係のない話で、志賀原発の敷地内に使用済みも含め核燃料がある限り対応しなければならない問題です。30キロ圏外だから策定の義務はなくとも事は職員の被ばくにも関わる問題であり、避難住民の受け入れを了解したのなら、しっかりとした計画を作った方がいいに決まっています。県も義務付けはされていないが、策定してもらえればありがたいので相談に応じるとのスタンスだということを申し添えておきます。
最後に12月6日深夜、参議院で強行採決され成立した秘密保護法についてお聞きします。
知る権利と報道に自由に直接関わる大半の報道機関や日本弁護士連合会が反対の姿勢を鮮明にし、益川俊英、白川英樹両ノーベル賞受賞者らの反対の呼びかけには専門分野を超えた2000人を超える学者が賛同しました。吉永小百合さんや菅原文太さん、仲代達矢さんら多くの文化、芸術関係者や団体も反対の声をあげ、反対行動に参加した市民、市民団体やNGOは数えきれません。県内でも連日のように抗議集会やデモ、座り込み行動などが展開されました。まさに全国津々浦々、各界各層、これまでにない広範な国民が反対や慎重審議の声をあげました。成立後の世論調査でも修正・廃止を求める人が8割を超え、法律への不安を感じる人が7割を占めています。憲法で保障された報道の自由、取材の自由、知る権利、学問・研究の自由を規制し、時には強権的な弾圧も可能にし、分野を問わず自由な表現活動を委縮させ、民主主義の根幹を揺るがす、まさに戦前の治安維持法を彷彿とさせる悪法だからです。
市長はこの法律の審議をどのような思いでご覧になられたでしょうか。従来から外交・防衛に関する情報は秘密のベールに包まれてきました。一方、この10年で自治体は安全保障に関わる役割を次々と担わされています。例えば国民保護法に基づいて策定された珠洲市国民保護計画では、武力攻撃事態などの場合の珠洲市の責務が記載されています。周辺事態法で自治体は内閣から周辺事態において協力を求められ、武力攻撃事態法では国が決めた措置を実施する責務が課せられています。さらに安倍政権が次期通常国会での成立を目指している国家安全保障基本法では安全保障施策をめぐって平時から自治体は責務を負わされることになります。
秘密保護法で防衛に関する情報が一段と秘密にされる中、珠洲市はじめ全国の自治体は、政府から武力攻撃の恐れがあるとの自作自演の一方的な発表で、市民に対して様々な義務を課し、権利を制限し、否応なく米軍支援の戦争体制へと組み込まれていく恐れすらでてきました。この悪法を市長はどのように見ておられるのか見解をお聞きして私の質問を終わらせていただきます。
(正式な議事録ではありませんので引用にはご注意を)
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