北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

アートプロジェクトをテーマに総務常任委員会開催

2013-12-25 | 珠洲市議会
 暮れも押し迫った今日、閉会中の委員会調査として総務企画委員会が開催された。
 調査事項は奥能登里山里海アートプロジェクト。

 金沢美大が旧上黒丸小中学校を舞台にアートプロジェクトとして活動するなど、最近、珠洲市内での芸術関係の取り組みが時折新聞紙上に登場する。
 瀬戸内国際芸術祭、そして越後妻有の大地の芸術祭とともに日本三大芸術祭を目指そうという掛け声も民間の方から聞かれる。

 しかしこの間、市は予算面も組織面もほとんど関わっておらず、議会でも芸術祭が俎上にのぼることはなかった。

 今日はアートプロジェクトに関わる平蔵豊志県議を講師として説明を受け、市長、企画財政課長も交えて意見交換がおこなわれた。

 今後、来年度予算に芸術祭の基本構想策定に関わる予算が盛り込まれるかどうかが一つの焦点となる。

 確かに狼煙・横山地区の案山子や上黒丸の中山間地を生かした現代アートはそれなりの話題であり、暮らしの身近なところにアートがあるのはいいことだ。珠洲は画家を中心に多くの芸術家を輩出しており、珠洲焼もある。文化的土壌は決して他所と比べても引けを取らないだろう。そこに国際的な芸術家、あるいは芸術を志す若者が入り、珠洲(能登)の里山里海を舞台に新しい現代アートが開花するとしたらそれも楽しみでもある。経済効果も期待され地域振興策の一つとしても検討に値する。

 その一方で、スケジュールを決め、日本三大芸術祭を目指すという大掛かりな構想がうまく進むかどうかは雲をつかむような話でもある。「芸術祭」の開催が瀬戸内と越後妻有に続いて能登が3番目ならば話は早いが、「芸術祭」と名の付くイベントは国内に数多くある。
 北はさっぽろ国際芸術祭から南は沖縄県芸術祭まで、取り組む自治体の数も多いが、テーマも様々。現代アートから舞台芸術、国内外の芸術家を集めた芸術祭、地域色豊かな芸術祭まで実に多様だ。
 
 瀬戸内の島々や越後妻有のような山間部に人を呼び込める芸術の力というもの大したものだが、そこは作品の力、作者の力、そこ暮らす人の魅力、地域の魅力の相乗効果があってこそ。一朝一夕にできるものでもない。

 世界農業遺産の活用の一つとして里山里海のアートもありうるかもしれないが、千枚田の畔のきらめきのようなものがあちこちに広がっては農業遺産も興ざめである。空き家がアートになるのもおもしろいが、景観との兼ね合いもある。

 長い目で里山里海の伝統文化に融合する新しい芸術を探っていこうという取り組みは大いに賛成するし、その延長線上に里山里海芸術祭が立ち上がるならば素晴らしいと思うが、さてさて三大芸術祭となるといかがなものか。検討課題は多い。

 
 

 


2 コメント

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観光目的に終わらないように (農業人)
2013-12-26 20:10:35
 珠洲市にとって先の明るい話だが、能登は世界農業遺産を観光遺産と勘違いしている。情けない
 珠洲市もそうならないように慎重に検討を重ねてほしい
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勘違い・・・多いですね (北野)
2013-12-26 22:19:39
幸い、というか財源問題がありますから珠洲市にとっては慎重に検討せざるを得ません。実行委員会組織も誰が(どこが)柱になるのかはっきりしてませんのでこの面でも慎重にならざるをえません。
地域振興策として検討するなら、瀬戸内や越後妻有だけでなく、全国の主だった芸術祭を視察したり、農村アート、現代アートをもっと勉強してから判断していかないと危ういですね。
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