久々、九条の会七尾の集会へ。
会場では会員が読んだ政治川柳が掲示され、ステージ横には志田哲夫さん作の九条小僧の木彫りも並ぶ。
高瀬会長のあいさつに続き、オ-プニングは「戦争のつくり方」というアニメ映画が上映される。
記念講演の演題は「オリンピックと平和」で、スポーツジャーナリストの谷口源一郎さんを講師に迎えた。
オリンピックの政治利用の歴史は古く、近年の商業利用も目に余るが、東京オリンピックを3年後に控え、オリンピック史の中での東京オリンピックの位置づけや安倍政権が押し進める改憲方針との関連など、興味をそそるテーマだ。
谷口さんは第一回のアテネ大会やベルリン大会、モスクワ大会など多くの大会が政治利用され、オリンピックの理想、理念が砕かれてきたとし、さらに1984年のロサンゼルス大会からオリンピックは完全に興行として市場に丸投げされ、「コマーシャリズム・オリンピック」へと完全に変質した流れを読み解いていく。
そして迎える東京オリンピックは森喜朗・大会組織委員会会長と安倍首相による徹底的な政治利用の狙いがあるとする。
復興五輪のでたらめ、福島のアンダーコントロールの嘘、オリンピックを利用した共謀罪の創設、さらに国家主導の後ろ盾となるスポーツ基本法、東京では「オリンピック学習」として国旗国歌を学ぶ授業が行われ、外部から日本会議に近い人物が講師に招かれてるという。
都教委がオリンピック学習で重視しているのが「愛国心」の育成で、オリンピック憲章と真っ向から対立した取組みが堂々と展開されてる。
これらの動きが九条改憲の動きと連動してることは言うまでもない。
こうした政治利用の歴史、そしてオリンピックが巨大なスポーツショーに成り上がってしまったことに対して、IOC内部でも様々な改革案が提起されてきたそうだが、いずれも挫折しているとのこと。
特に日本では競技団体もオリンピック憲章なきオリンピック至上主義が徹底されていて、改革の展望を見出すことはさらい厳しい。
谷口さんはユネスコの「体育・身体活動・スポーツに関する国際憲章」を紹介し、回り道のようでもあらためてスポーツの在り方を根幹から問うことが大切ではないかと指摘する。
今後、東京オリンピックに向けて、メダルが何個だ、わがまちからもオリンピック選手輩出だ、インバウンド需要だ、うちも合宿誘致だと、お祭り騒ぎが過熱すること間違いなしの情勢下、立ち止まって考えなければならない大切な課題を提起する12周年記念集会だった。
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