北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

NHKスペシャル「追跡!復興予算19兆円」

2012-09-09 | 震災がれき
 明日の11時が一般質問の通告の締切。ほぼ質問項目はまとまったが、質問原稿はこれからである。
 とういうことで余裕があるわけではないが、タイトルにひかれ9時からのNHKスペシャル「追跡!復興予算19兆円」をつい観てしまう。

 来年度からの増税で国民みんなで負担することになっている19兆円。ところが被災地の復旧復興とはどう見ても関係のない全国各地の公共事業や企業立地関連に、この19兆円から多額の予算が流れ込み、大判振る舞い状態となっていることがまず紹介される。屁理屈をこねるのが霞が関の役人の仕事かもしれないが、復興の関連の関連のそのまた関連事業で予算が付けられていることは驚きである。
 その一方で肝心の被災地には、商店街の再建にも地域の病院の再建にも必要な予算が届いていない。
 「がれき処理が進まないから復興が進まない」なんてウソだとこれまでも指摘してきたが、まさに今日の番組も政府の怠慢、あるいは巨額の復興名目予算に群がる大きな利権の存在を浮かび上がらせていた。

 さらに19兆円のうちのがれき処理4兆円についても、業者の処理費用の申請にほぼノーチェックで支払いがされている実態。
 あるいは、自治体によってがれき処理費用に7倍もの格差があることが紹介されていた。
 最初に一か所に全部の震災がれきを集めてそれから分別作業に入った石巻市が最も高額。保管場所に持ち込む前に分別していた隣の東松島市は最も安い。
 釜石市も、住宅を解体する時に①手作業でおこなう、②重機でおこなう、③家具を持ち出してから重機で行う、の3つでどれが最も安いかを最初に試算。
 答えは③であるが、その試算結果をふまえて業者に発注しているので、水増し請求はほぼ防げるという。

 全国の皆さんに負担してもらう処理費用なので一円でも安くするのが自分たちの仕事という話は霞が関の官僚にぜひ聞かせたい言葉である。

 さらに大きな問題は、今回、NHKの取材班が膨大な国の資料を分析してずさんな予算配分を暴いたが、国会議員は何をしているんだということである。開店休業から閉店に入ってしまった。

 こんなことだから半分に減らせ!という主張がでてきて、それなりの支持を得ることになる。もちろん半分に減らしたらこうした無駄や利権の構造をあばけるかというと、そんな保証は全くない。分権や霞が関改革を先行させないとなおやりたい放題になることは間違いない。
 「身を切る改革」より国会議員の質をいかに高めるかという観点から政治改革を議論することが大切だと思うのだが・・・

 それはともかく、明日午後3時から約2か月ぶりに「石川の里山里海、子どもたちの未来を放射能から守る会」の輪島市申し入れである。
 
 7月以降の被災地や国の動き、地元の強固な反対の声を踏まえ、あらためて受け入れ断念を求めると同時に、再質問状も提出する。


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