北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

志賀廃炉の日まで手は緩めない!

2015-05-13 | 志賀原発
    

 志賀原発の敷地内断層の評価を巡って、本日午後2時半から原子力規制委員会の評価会合が開かれた。
 焦点は1号機の原子炉建屋直下を通るS-1断層と1、2号機タービン建屋の直下を通るS-2、S-6断層の評価だ。
 座長の石渡委員を除く4人の委員が地質学や変動地形学などそれぞれの専門的立場から見解を明らかにし、結果的にほとんど大きな意見の食い違いはなく、ほぼ合意形成が図られた。
 いずれも将来動く可能性がある、あるいは動く可能性を否定できないとのこと。 
 ようするに「活断層」だという意味である。
 今後、次回の評価会合で石渡座長が評価書案を提示し、委員間の議論を経て評価書を確定していく。
 そして原子力規制委員会に提出されることになるが、両論併記ではなく一本の意見として上がってきたものを覆すことは常識的には困難だろう。

 1号機の原子炉建屋やタービン建屋の直下、そして2号機のタービン建屋の直下には活断層が走ってるということで志賀原発の再稼働は困難となったことは間違いない。

 ただし、これで志賀原発の廃炉は決定かというと、まだまだ詰めのたたかいが残されているのではないかと思う。

 北電も石川県も再稼働には並々ならぬ意欲を示してきた。今日のニュースでも北電の金井副社長(次期社長)は「専門委員の皆様にはちゃんと説明したのに十分ご理解いただけなかった」との趣旨のコメントを述べている。規制委員会での審査に対して、まだまだあの手、この手、時には政治力?も駆使して異議を述べ、再稼働の道を模索し続けることだろう。
 石川県もこの事態に備えて安管協に専門家でもない「専門委員会」を設けてきた。「県の専門委員会は活断層の可能性を否定する見解で一致した。規制委員会は評価書の内容を再検討すべき」と申し入れることだろう。
 こうした動きは、時間の引き延ばしにはなっても、結論を覆すのは困難だろうと思うが、安倍政権の敷いた再稼働路線をひた走る規制委員会なので決して油断はできない。
 この間、原子力ムラからどのような圧力がかけられるかもわからない。

 さらに、再稼働を否定する規制委員会の決定に納得できない北電には行政訴訟を起こす道も残されているのではないか。
 
 私たちの差止訴訟も決して手を緩めず、行政的な廃炉確定が確定するまでは、あくまで差止の勝訴判決に向けて全力を上げなければならない。
 私たちが訴訟で主張してきた直下の活断層の存在を評価会合の専門家も支持をしたのである。彼らの意見をしっかり訴訟でも活かして、差止判決を確たるものにすることが、北電の再稼働断念への圧力にもなっていく。

 一方で、北電にしても県や志賀町にしても最後は「金目でしょ」とも言えるのではないか。
 北電は廃炉に向けた会計制度の変更で、倒産の危機には陥らずに廃炉作業を進めることが可能となった。
 あとは原子力ムラから一足先に足を洗うことを他の村民が容認するかどうかである。ヤクザな世界だが、ここは一日も早く堅気の世界に戻るべく新社長の決断を促す世論や株主の声が重要となる。
 
 県や志賀町も最後は財源の確保である。
 幸い志賀町は全国の原発立地自治体の中でも原発依存度の低い町である。
 廃炉作業は長く続くし、この間に脱原発のまちづくりへと方向転換が十分可能だ。脱原発の石川を求める県民世論や原発抜きのまちづくりを進める志賀町民のエネルギーも重要となる。

 いずれにしても、今日は1967年の構想発表以来48年の志賀原発の歴史の中で大きな節目となる一日であることに間違いない。
 この節目を確かなものにするためにも詰めの一手で緩着を打ってはいけない。


 


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