羽咋市以北4市4町の「能登の里山里海」は今月11日、国連食糧農業機関(FAO)から「世界農業遺産」に登録された。
世界農業遺産=世界重要農業システム(GIAHS)って何?という方は公式見解こちら。
読んでも意味がよくわからないという方は、能登に即してわかりやすく解説した赤石大輔さんのブログをどうぞ。
さすが赤石さんは冷静にGIAHS登録の意義や課題を整理しておられるが、能登に住む多くの人たちにとってメデタイことだとは思いつつも、待ちに待ったGIAHS登録やったぁ~~~!!!という感激に浸っておられる方は垂れ幕をつくった役所関係者らごく一部ではないか。
私も慶事に水を差すつもりはさらさらないが、後ろでやや陰に隠れて拍手を送る程度の気分である。そのあたりの気分を少し書きたい。
1つ目の理由
世界自然遺産や世界文化遺産とその意味合いは違うのかもしれないが、それらの候補に名乗りを上げた地域では、外から見るとやや過熱気味?と思うくらいの運動が官民上げて展開されている。
石川県内でも、大きな盛り上がりまではいかないが、歴史都市金沢や霊峰白山を世界遺産にという運動が推進されてきた。
どこが世界遺産に値するのか学び知るところから始まり、その保全や活用の取り組みを通じて、世界遺産登録を実現することが、その取り組みに弾みをつけていくものだという意義を理解し、運動を展開している。
それと比べて能登の農業遺産認定への期待や熱気はどうだったであろうか。
この間の、金沢大学や石川県、そして里山里海の保全・創生にがんばってこられた皆さん、特に国大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニットの努力は大きなものがあり、認定はその成果には違いない。
ただ、地元住民の大きな熱気の中で認定を勝ち取ったとはとてもいえない。
地元住民へのGIAHSの意味の説明から始まり、その意義や課題、今後の取り組みについて話し合い、認識を深め、能登全体の取り組みにしてくのはまさにこれからである。
だからダメというつもりはない。後先逆の展開になっていることを認識してこれからの取り組みを進めないと、上滑りの空騒ぎで終わってしまう。
2つ目
能登の農業システムや景観のどこが世界に誇れるものなのか、しっかり掘り下げて住民が理解し行動につねげないと、「世界農業遺産認定」の観光看板を立てる程度の運動で終わってしまう。
珠洲では能登大納言小豆や大浜大豆などの農産物、室町時代から続く二七の朝市、ため池の希少種を外来種から守る里山保全、あえのこと、よばれなどの慣習、揚げ浜式製塩、炭焼きといった伝統技術などがFAOへの申請書に記載されていたそうである。
確かにそれぞれ、金沢や東京、大阪など全国の皆さんに大いに自慢はしたいが、果たして世界的なレベルでの重要性や意義となると私にはトンとわからない。
ぜひ、教えてもらいたいし、しっかり勉強もしてきたいし、伝えてもいかなければならない。
加えて言うなら、二七の市など歴史は誇れるかもしれないが現状はお寒い限りである。他の項目も、決して手放しで将来展望を自慢できるものはなく、いずれも現状は厳しい課題を抱えている。認定を契機に課題解決への決意を世界に示すくらいの覚悟がいるのではないか。
3つ目
数々の誇れる農業システム、農業景観があるのは認めるとして、しかしそれでも「能登」が世界農業遺産に登録される資格が果たしてあるのか。
あの富士山を世界自然遺産に登録しようという運動が展開されたとき、登山者によるゴミやし尿の処理が真っ先に問題視されたことは有名な話である。
能登には志賀原発がある。
志賀原発がいったん大事故を起こせば、そこで能登の里山里海は終わりを告げる。
GIAHS登録は、能登の里山里海を後世に引き継ぐ責任を能登の住民が負わされたという意味であるならば、知事はじめ奥能登4市4町(志賀町含む)の首長は志賀原発廃炉への決意を固めてもらわなけれならない。
能登に住む住民も同様である。
北野さんのリーフレットや選挙での動きから
ふるさと珠洲の振興を期待して投票しました。
しかし、北野さんのブログからは原発の話や活性化に対する否定的な話ばかり。
失望しました。
私たち活性化を議論してきた若い仲間にも同じように伝えていきます。
最初の議会で期待していましたが、
今は何の期待もしていません。
ただ、先日書いたように6月議会は全国的に原発議会です。これは単に従来原発に反対してきた議員が声を大きくしているのではありません。自民党など従来立場を異にしてきた議員も含め、あるいは首長も含め、各地で踏み込んだ発言があり、様々な議論が展開されています。
一方、珠洲はかつての原発論争の反動という表現がいいかわかりませんが、旧反対派、旧推進派含め原発関連の発言は他地域と比較し非常に少ないという印象を受けています。
かつての珠洲の原発論争は大きく安全性と地域振興を論点としてきました。
今展開されている多くの議論は、脱原発の是非という大きな柱はありますが、原子力防災計画や安全協定など、具体的に今ある原発にどう向き合うか、現実に広がる被曝や汚染にどう向き合うかという議論も多くなされていると思っています。
これはかつての珠洲ではほとんどおこなってこなかった議論で、そういう意味でどんどん問題提起はしていきたいと思っています。
「活性化に否定的」というつもりはないのですが、市政の現状については批判的な視点で発言することがあって当然だと思っています。
ただし、後ろを向くようなことばかり言っているつもりはなく、立ち止まってもっとじっくり考えよう、あるいはここはしっかり踏み出そう、などなど課題によっていろんな角度から批判しているつもりですが・・・
私に対する期待は仕方ありませんが、市議会に対しては是非期待を持ち続けてください。
少しずつかもしれませんが、着実に変わっていきます。
議会では全国的には原発かもしれませんが、珠洲は珠洲をどうしていくかが重要ではないのでしょうか。
結局は北野さんは「原発」しかないのでしょう?
私たち母親の集まりでも教育や雇用などに真剣だと思い北野さんには期待していた分、今は裏切られた思いしかありません。
来週の集まりでもこのことを伝えようと思います。
原発については触れれば触れるほど「原発しかない」と言われてしまいそうなので一点だけ。
福島県内ではいま、学童疎開の必要が叫ばれ、全国から応援の声も多く寄せられ、すでに自主的に学童疎開をおこなっている家庭も多くあります。
福島第一原発からほぼ60kmの福島市(志賀原発から飯田までの距離とほぼ同じ)では「区域外就学」をした小中学生は5月27日までに216人。このうち206人は海外2人を含む県外だとも報道されています。
原発の問題は単にエネルギー需給問題として議論されているのではなく、全国各地でそれぞれ地域をどうしていくのか、子どもたちをどう守るのか、さらには地域の産業、雇用の場をどう守るのかという観点から議論されていると私は理解しています。
フクシマを支援し、フクシマから学ぶ動きはまさに明日は我が身、日本中が「原発現地」という危機感からのものだと思います。
珠洲はもう原発はいいから・・という雰囲気はもちろん私も感じていますが、その一方で志賀原発どころか若狭や柏崎の原発事故も含め心配しておられる方も(かつての推進・反対関係なく)おられます。
私には珠洲の活性化より原発を無くすことに一生懸命でしかないように見えます。
私たちの1票を返してもらいたいという思いです。北野さんには裏切られました。
またいろんな意味で珠洲そのものが住めなくなってなくなってしまうのではどうしようもない
原因が就業の困難や過疎化・自然災害による荒廃や放射能による汚染‥
と予測できる問題に真剣に取り組み解決しようとする行政であってほしい
市長をはじめとする議員に強く望むことです