来週木曜日(1月23日)の告示を目前にして、東京都知事選挙を巡る各政党、団体の動きも加速してきた。
連合東京は舛添氏との政策協定の協議に入った。
民主党に付き合って脱原発の細川氏を推すことはできないということか。
一方、共産党は脱原発候補間の差別化を鮮明にするためか、細川氏批判のトーンを高めだした。
あれ?あれっ?という印象である。
私は小泉発言をめぐって、下記の通りこれまで4回触れてきた。
さすが?ご立派?小泉元首相の脱原発発言(10月3日)
ふたたび「小泉脱原発発言」について(10月6日)
小泉「脱原発発言」について ~その3 吉田-小泉会談をめぐって~(10月29日)
変節の理由「オレたちにウソ言ってきた」(12月16日)
やや過剰反応かなと思いつつ、基本的には・・・
「小泉氏の原発ゼロ発言は結構なこと。だけど持ち上げすぎはいかがなものか。元々、小泉氏は野党との共闘なんて考えてないんだから、ラブコール送ったって振られるだけ。お互い原発のない社会に向かって頑張ろう!ということでいいではないか。」
こんな感じで書いてきたつもりである。
共産党は ふたたび「小泉脱原発発言」について(10月6日) で紹介したように「赤旗に登場して」(市田書記局長)と小泉氏に熱いラブコールであった。そこまで距離を縮めて大丈夫?という思いで見ていたが案の定、冒頭の記事である。
この背景には、共産党の運動方針で常に出てくる「要求の一致で共闘する」という一点共闘主義がある。要求(原発ゼロ)の一致点で運動を広げるのはいいが、原発問題は単なるエネルギー問題ではないし、安全性問題だけに収斂されていく問題でもない。
反原発運動に長く関わってきた人ならおそらくほとんどの人が認識していると思うが、原発は人権問題であり、民主主義の問題でもあり、核兵器とも不可分の平和問題でもある。
公開討論を通じて原発社会が内包するこのような問題点を議論し合い、候補者の違いを浮き彫りにできればよかったのだが、残念ながら公開討論会は細川氏が応じず成立しなかった。だからと言って、いきなり批判はいただけない。
原発ゼロでも一皮めくれば違い満載であることは「赤旗に登場して」というときからわかっていた話ではないか。
小泉氏にラブコールを送るとき、共産党は原発問題についてどんな深さ、広さで考えていたのだろうか。
長く「核の平和利用」を否定せずにきた共産党の「原発ゼロ」運動の底の浅さを見る思いだ。
舛添氏を宇都宮氏と細川氏の脱原発陣営で左右から挟み撃ちにすべきときに、細川氏を共産党と自民党で細川陣営を挟み撃ちにしてどうるのか。
党の選挙ではなく宇都宮健児氏を先頭に幅広い市民が結集した「宇都宮選挙」だということを共産党はくれぐれもお忘れなく。
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