9月議会最終日。3時から本会議開会。
各常任委員会の委員長から委員会報告。
国の教育予算の拡充することを求めることについて」の請願を不採択にすべきという教育民政常任委員会の報告に対し、質疑をおこなう。
請願の要請項目4点について委員会で具体的に議論していないことが明らかになる。要するに「この間、毎年請願を採択し、国に意見書を提出してきた。その成果がわからないまま安易に採択すべきでない」ということのようである(成果は委員会で調べてね)。委員長一任で不採択として表決方法については正確に語らない。
続いて討論へ。
私はこの請願の採択を求めての賛成討論、そしてプレミアム付共通商品券発行事業補助金が盛り込まれている補正予算案については反対の立場から討論をおこなう(討論原稿は下記をご覧ください)。
請願については教育民生常任委員長の中板議員が反対討論をおこなう。
趣旨は、「予算の拡充といっても現在の地方交付税で措置される制度では教育予算の拡充に何の担保もない。使途を限定した教育補助金にすべきで、制度の本質に踏み込まない請願は効果が期待できない」と要約できるかと思う。
要請項目の1は30人以下学級の推進。2は義務教育国庫負担制度の拡充。3は学校教育環境の整備充実に必要な予算措置をおこなうこと。4は教職員の定数改善と事務負担の軽減である。
反対討論は1、2、4についてはふれていない。3について、現在のやり方ではダメということである。しかし請願の要請項目自体は、「必要な予算措置」としているだけで、財源の具体的な措置のあり方には踏み込んでいない。論点をずらし反対のための理屈をこねているだけでる。
補正予算案については私の反対討論に対して賛成討論はなし。プレミアム商品券について、政友会の間でも問題視する声が広がっている。審議した産業建設常任委員会の委員長報告でも、予算執行にあたって厳しく注文をつけている。
<前半は請願の賛成討論>
6月議会に提出され今議会に継続審議となっていました請願第2号「国の教育予算を拡充することについて」の請願の採択を求め、以下理由を述べ討論とします。
本請願は、国に対し「教育予算の拡充を求める意見書」を提出するよう求めるものです。
教育は国家100年の大計とも言わるとおり、教育は未来への先行投資であり、子どもたちのゆたかな学びを保障することは国の重要な責務です。
さる9月11日、経済協力開発機構(OECD)が、加盟国の教育施策に関する最新の調査結果公表しました。2009年のデータですが、日本の国内総生産(GDP)に占める公的教育支出は3.6%、国、地方自治体合わせた一般政府総支出に占める割合も8.9%と、いずれも比較可能な加盟国中最下位でした。一方、すべての教育支出に占める家計負担の割合は31.9%と、チリ、韓国に続き3番目に高いという結果でした。日本は教育に対する公的支出の水準が低く、家計負担が重い実態が今回もまた明らかになりました。
国と地方の教育予算の割合をみても圧倒的に地方の割合が大きいため、日本の教育は、自治体の財政力や家庭の所得の違いによって子どもたちが受ける教育水準にどんどん格差が生じてしまいます。すべて国民は、能力に応じて等しく教育を受ける権利を有すると定める憲法26条が空文化しつつあります。本請願が求める国の教育予算の拡充がまさに求められています。
本請願が提出を求める意見書の具体的な要請項目は4点あります。義務教育費の国庫負担制度の拡充や学校教育環境の整備充実に必要な予算措置などを求めるものであり、いずれも子どもたちの学びの環境整備を進めるうえで重要な課題ばかりです。
全国の自治体から同趣旨の意見書が数多く上がっているにもかかわらず、歴代政府は義務教育国庫負担制度を削減し続けてきています。しかし一方で、教職員の定数に関しては、本来の基礎定数の改善に踏み込まないという不満はありますが、第6次教職員定数改善計画以降、加配による教職員の配置が進んでいます。珠洲市内でも地域の教育課題に即した教員の配置が進められており、さらなる充実が求められます。
教職員関係の予算は石川県教育委員会が所管しますが、加配方式による実際の配置は県からの申請を経ておこなわれることから、石川県内では、財政難から他県との間の教育格差が生じることが懸念されます。その影響を受けることになる珠洲市はじめ県内各市町の教育行政にとって、義務教育費国庫負担金の引き上げによる財源確保は切実な課題です。
学校教育環境の整備充実のための予算拡充については、ようやく学校図書館図書費の措置率があがり、本市の学校図書館の蔵書の整備も進みはじめました。しかし、ICT化の推進、校舎の耐震化、教材費、備品費、修繕費など、さらなる教育予算の拡充が求められています。市長や教育長にとっては、財源措置さえあれば、もっともっと整備を加速させられるのに、という思いでいっぱいではないでしょうか。
財政基盤の弱い本市にとっては、他の自治体に先かげてでも声を上げていきたい課題であり、これまで珠洲市議会は毎年、国の予算編成の概算要求段階にむけて意見書を提出してきました。本市の教育財政の厳しさを熟知しているはずの教育民政常任委員会が、本請願を不採択とする理由が私にはまったく理解できません。
いまほど、中板委員長から審議経過の報告がありました。いま、一つひとつの内容について問題点を指摘する余裕はありませんが、たとえば先ほど申し上げた県費負担教職員の財源問題。6月議会中の教育民生常任委員会の審議でも、珠洲市教育委員会がタッチできない県教育委員会の課題だから県議会で意見書をあげてもらえばいいといった考えが示されていました。自治体議会の意見書提出権とは何かという基本を誤解されているとしか思えません。
地方自治法は99条で「普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる」と定めています。
直接は県の事務だからとか国の事務だからという問題ではなく、珠洲市の公益にかんする事案ならば提出できることは議員の皆さんご承知の通りです。
珠洲市議会ではこれまでも「イラク問題の平和的解決を求める意見書」や核兵器の廃絶と恒久平和実現に関する意見書など外交、安全保障に関する意見書も可決していますし、最近ではTPPの不参加を求める意見書なども提出しています。まさに国の事務、専権事項に対する自治体からの積極的な政策提言であり、珠洲市の所管事務かどうかという問題ではありません。
また、先ほどの委員長報告でも毎年、同趣旨の意見書を提出していても効果がわからないという指摘もありました。本末転倒とはこのことです。意見書を提出した議会として、その成果がどうであったのか自ら調査、確認すべきです。また請願を珠洲市議会として採択してきたからには、本来は議会から請願団体へ採択の結果を報告すべきです。
なお、専門的な内容で、請願者の方が詳しく知っている場合などは参考人として委員会に出席してもらうことも可能ですし、公聴会を開催し学識経験者から意見を聞くことも可能です。
要するに委員会自ら調査する意思がないことを委員長報告で暴露されただけだと言えます。
珠洲市に該当しないものも含まれているとの指摘もありました。具体的に何を指すのか不明ですが、日本全体の教育の向上に向けた課題に他なりません。
以上、請願内容からしても、あるいは委員会審議の実態からしても、不採択とすることは妥当でないことは明らかであり、あらためて全議員のみなさまに、本請願を採択することに賛同いただきますようお願い申しあげます。
<ここから補正予算案の反対討論>
続きまして、今議会に提案されました議案第66号平成24年度一般会計補正予算案について私は反対であり、以下理由を述べ、討論とします。
今回の補正額は約2億4千万円。うち、半分以上は木の浦地区での観光交流拠点施設整備事業が占めています。旧国民宿舎きのうら荘の解体費用と新施設の設計費用であり、施設整備のコンセプトを大切にした魅力ある施設整備につながるよう期待をしたいと思いますし、あわせて運営組織の在り方について誤りなきよう検討を進めていただきたいと思います。その他の予算についても概ね地域の活性化や市民生活の向上に必要な事業が盛り込まれているものと理解をしています。
ただし、当初予算でも問題点を指摘した宿泊施設魅力アップ事業費補助金については、追加の補正予算300万円が計上されています。この事業についての私の認識には変わりなく、問題ありだと思っていることは申し上げておきたいと思います。
さて、今回の補正予算案について、どうしても納得いかないのが珠洲市共通プレミアム商品券事業費補助金3,350万円です。一般質問でも指摘をさせていただきましたが、あらためて問題点を簡潔に述べさせていただきたいと思います。
共通プレミアム商品券は、購入した市民からみれば、確実にプレミアム分の恩恵に預かることができます。10万円購入すれば確実に1万円得をするわけで、そういう意味では、この事業は家計を助ける現金給付的性格をもち合わせています。
しかしながら、全世帯あるいは、全市民が購入できることにはなりませんので、第一回の実施時から買うことができた人だけ得をするという不公平感が付きまといました。また、金融商品的に利用する不正使用の防止策もしっかりしないと制度の信頼をなくすことになります。
このような問題を抱えつつも、個人消費を刺激し、市内の経済の活性化につながるならば、回りまわって雇用の維持、税収増も期待できるわけでもあり、一つの景気対策として市民の皆さんの理解も得られるものと思います。ところが過去2回実施された市内プレミアム付商品券発行事業については、市内地区別の購入人数と業種別の換金データがあるのみ。つまり販売された商品券の流れだけは把握できていますが、どれだけ消費刺激効果があったのかを確認できるデータはまったくありません。食品販売で29.73%使われたとのことですから、3270万円のプレミアム商品券が使われたわけですが、果たして客単価があがり購入額を押し上げたのでしょうか。全くデータが示されていません。
自動車整備・販売で24.11%、2652万円分が使用されていますが、当初から購入予定の車の支払いの一部に充てただけ、あるいはたまたま車検の時期だったからプレミアム商品券で支払ったというケースは聞きますが、中古車にしようと思ってたけどこの際だから新車を買うことにしたという例があるのでしょうか。たとえ強い要望があるとはいえ、あるいは市内の消費が落ち込んでいるとはいえ、効果があるかどうかわからない事業に繰り返し予算を投入するというのはいかがなものでしょうか。
そもそもこの事業は、消費刺激効果を疑う以前に、プレミアム分、すなわち消費拡大の呼び水として投入される税金分に限ってみても、果たして市内の消費の上乗せにつながっているのか不明な施策です。先日の一般質問でも述べた通り、通常の市内消費の穴埋めに使用されただけで、購入した商品券のプレミアム分で生じた家計の余裕は貯蓄や市外の消費に向けられている可能性すら否定できません。このようになっては市民の皆さんの血税をドブにすてるようなもの、と言っては金融機関や市外の事業主の皆さんに叱られるかもしれませんが、完全な税金の無駄遣いとなってしまいます。だからこそ事業の効果を慎重かつ丁寧に確認する必要があると思うわけですが、この間、なんら検証作業はおこなわれていません。このまま3回目をやるからよろしくと言われても、残念ながら賛成する理由をみつけることができません。
仮にどうしても実施するというのであれば、過去の2回の事業をしっかりと検証し、どうすれば公平性を確保できるのか、そして消費の刺激効果を発揮できるのか、実施主体である商工会議所との間で購入限度額などの申込条件や申込資格、申込方法、利用有効期間など事業の根幹部分を詰めて、さらに事後の事業効果の評価方法も明らかにしたうえで議会に提案するべきではないでしょうか。
昨年の6月議会以降、私が予算案を見るのは今回で6回目になりますが、この間も生煮え状態の予算だと感じることはありましたが、今回の予算は生煮えどころか、鍋に水を入れただけ。中身はこれから協議するので、とりあえず3350万円の真水の投入を認めてほしいというものです。議会軽視もはなはだしいと言わざるをえません。
地域経済が厳しさを増す中、商工会議所や商店街の皆さんが、現状をなんとか打破するためにももう一回やらせてほしいという強い要望を、私は頭から否定するつもりは毛頭ありません。何がなんでも反対だとまで言うつもりもありません。
しかし、消費が厳しさを増す中だからこそ、なおさら、たまたま商品券を購入した人の家計が助かっただけという事業で終わらせてはなりません。来春には地域全体、金回りがよくなったなあと実感できるような事業内容にするためにも、ここから先は市長に白紙委任という議決ではなく、市長からの具体的な提案を受けて、しっかり議論をし、このやり方なら大丈夫といえる段階で予算を通すのが議会の責任ではないでしょうか。
スタートを予定する年末までにはまだ時間があります。本来ならば、今回の補正予算案には珠洲市共通プレミアム商品券事業費補助金は盛り込まず、事業内容が煮詰まった段階で、臨時議会を招集するか、あるいは12月議会で提案すべきではなかったと思います。議員各位におかれては、議会の議決責任の重さをあらためてかみしめていただき、採決に臨んでいただきたいということを訴えまして討論とさせていただきます。
各常任委員会の委員長から委員会報告。
国の教育予算の拡充することを求めることについて」の請願を不採択にすべきという教育民政常任委員会の報告に対し、質疑をおこなう。
請願の要請項目4点について委員会で具体的に議論していないことが明らかになる。要するに「この間、毎年請願を採択し、国に意見書を提出してきた。その成果がわからないまま安易に採択すべきでない」ということのようである(成果は委員会で調べてね)。委員長一任で不採択として表決方法については正確に語らない。
続いて討論へ。
私はこの請願の採択を求めての賛成討論、そしてプレミアム付共通商品券発行事業補助金が盛り込まれている補正予算案については反対の立場から討論をおこなう(討論原稿は下記をご覧ください)。
請願については教育民生常任委員長の中板議員が反対討論をおこなう。
趣旨は、「予算の拡充といっても現在の地方交付税で措置される制度では教育予算の拡充に何の担保もない。使途を限定した教育補助金にすべきで、制度の本質に踏み込まない請願は効果が期待できない」と要約できるかと思う。
要請項目の1は30人以下学級の推進。2は義務教育国庫負担制度の拡充。3は学校教育環境の整備充実に必要な予算措置をおこなうこと。4は教職員の定数改善と事務負担の軽減である。
反対討論は1、2、4についてはふれていない。3について、現在のやり方ではダメということである。しかし請願の要請項目自体は、「必要な予算措置」としているだけで、財源の具体的な措置のあり方には踏み込んでいない。論点をずらし反対のための理屈をこねているだけでる。
補正予算案については私の反対討論に対して賛成討論はなし。プレミアム商品券について、政友会の間でも問題視する声が広がっている。審議した産業建設常任委員会の委員長報告でも、予算執行にあたって厳しく注文をつけている。
~~~ 以下、討論原稿 ~~~
<前半は請願の賛成討論>
6月議会に提出され今議会に継続審議となっていました請願第2号「国の教育予算を拡充することについて」の請願の採択を求め、以下理由を述べ討論とします。
本請願は、国に対し「教育予算の拡充を求める意見書」を提出するよう求めるものです。
教育は国家100年の大計とも言わるとおり、教育は未来への先行投資であり、子どもたちのゆたかな学びを保障することは国の重要な責務です。
さる9月11日、経済協力開発機構(OECD)が、加盟国の教育施策に関する最新の調査結果公表しました。2009年のデータですが、日本の国内総生産(GDP)に占める公的教育支出は3.6%、国、地方自治体合わせた一般政府総支出に占める割合も8.9%と、いずれも比較可能な加盟国中最下位でした。一方、すべての教育支出に占める家計負担の割合は31.9%と、チリ、韓国に続き3番目に高いという結果でした。日本は教育に対する公的支出の水準が低く、家計負担が重い実態が今回もまた明らかになりました。
国と地方の教育予算の割合をみても圧倒的に地方の割合が大きいため、日本の教育は、自治体の財政力や家庭の所得の違いによって子どもたちが受ける教育水準にどんどん格差が生じてしまいます。すべて国民は、能力に応じて等しく教育を受ける権利を有すると定める憲法26条が空文化しつつあります。本請願が求める国の教育予算の拡充がまさに求められています。
本請願が提出を求める意見書の具体的な要請項目は4点あります。義務教育費の国庫負担制度の拡充や学校教育環境の整備充実に必要な予算措置などを求めるものであり、いずれも子どもたちの学びの環境整備を進めるうえで重要な課題ばかりです。
全国の自治体から同趣旨の意見書が数多く上がっているにもかかわらず、歴代政府は義務教育国庫負担制度を削減し続けてきています。しかし一方で、教職員の定数に関しては、本来の基礎定数の改善に踏み込まないという不満はありますが、第6次教職員定数改善計画以降、加配による教職員の配置が進んでいます。珠洲市内でも地域の教育課題に即した教員の配置が進められており、さらなる充実が求められます。
教職員関係の予算は石川県教育委員会が所管しますが、加配方式による実際の配置は県からの申請を経ておこなわれることから、石川県内では、財政難から他県との間の教育格差が生じることが懸念されます。その影響を受けることになる珠洲市はじめ県内各市町の教育行政にとって、義務教育費国庫負担金の引き上げによる財源確保は切実な課題です。
学校教育環境の整備充実のための予算拡充については、ようやく学校図書館図書費の措置率があがり、本市の学校図書館の蔵書の整備も進みはじめました。しかし、ICT化の推進、校舎の耐震化、教材費、備品費、修繕費など、さらなる教育予算の拡充が求められています。市長や教育長にとっては、財源措置さえあれば、もっともっと整備を加速させられるのに、という思いでいっぱいではないでしょうか。
財政基盤の弱い本市にとっては、他の自治体に先かげてでも声を上げていきたい課題であり、これまで珠洲市議会は毎年、国の予算編成の概算要求段階にむけて意見書を提出してきました。本市の教育財政の厳しさを熟知しているはずの教育民政常任委員会が、本請願を不採択とする理由が私にはまったく理解できません。
いまほど、中板委員長から審議経過の報告がありました。いま、一つひとつの内容について問題点を指摘する余裕はありませんが、たとえば先ほど申し上げた県費負担教職員の財源問題。6月議会中の教育民生常任委員会の審議でも、珠洲市教育委員会がタッチできない県教育委員会の課題だから県議会で意見書をあげてもらえばいいといった考えが示されていました。自治体議会の意見書提出権とは何かという基本を誤解されているとしか思えません。
地方自治法は99条で「普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる」と定めています。
直接は県の事務だからとか国の事務だからという問題ではなく、珠洲市の公益にかんする事案ならば提出できることは議員の皆さんご承知の通りです。
珠洲市議会ではこれまでも「イラク問題の平和的解決を求める意見書」や核兵器の廃絶と恒久平和実現に関する意見書など外交、安全保障に関する意見書も可決していますし、最近ではTPPの不参加を求める意見書なども提出しています。まさに国の事務、専権事項に対する自治体からの積極的な政策提言であり、珠洲市の所管事務かどうかという問題ではありません。
また、先ほどの委員長報告でも毎年、同趣旨の意見書を提出していても効果がわからないという指摘もありました。本末転倒とはこのことです。意見書を提出した議会として、その成果がどうであったのか自ら調査、確認すべきです。また請願を珠洲市議会として採択してきたからには、本来は議会から請願団体へ採択の結果を報告すべきです。
なお、専門的な内容で、請願者の方が詳しく知っている場合などは参考人として委員会に出席してもらうことも可能ですし、公聴会を開催し学識経験者から意見を聞くことも可能です。
要するに委員会自ら調査する意思がないことを委員長報告で暴露されただけだと言えます。
珠洲市に該当しないものも含まれているとの指摘もありました。具体的に何を指すのか不明ですが、日本全体の教育の向上に向けた課題に他なりません。
以上、請願内容からしても、あるいは委員会審議の実態からしても、不採択とすることは妥当でないことは明らかであり、あらためて全議員のみなさまに、本請願を採択することに賛同いただきますようお願い申しあげます。
<ここから補正予算案の反対討論>
続きまして、今議会に提案されました議案第66号平成24年度一般会計補正予算案について私は反対であり、以下理由を述べ、討論とします。
今回の補正額は約2億4千万円。うち、半分以上は木の浦地区での観光交流拠点施設整備事業が占めています。旧国民宿舎きのうら荘の解体費用と新施設の設計費用であり、施設整備のコンセプトを大切にした魅力ある施設整備につながるよう期待をしたいと思いますし、あわせて運営組織の在り方について誤りなきよう検討を進めていただきたいと思います。その他の予算についても概ね地域の活性化や市民生活の向上に必要な事業が盛り込まれているものと理解をしています。
ただし、当初予算でも問題点を指摘した宿泊施設魅力アップ事業費補助金については、追加の補正予算300万円が計上されています。この事業についての私の認識には変わりなく、問題ありだと思っていることは申し上げておきたいと思います。
さて、今回の補正予算案について、どうしても納得いかないのが珠洲市共通プレミアム商品券事業費補助金3,350万円です。一般質問でも指摘をさせていただきましたが、あらためて問題点を簡潔に述べさせていただきたいと思います。
共通プレミアム商品券は、購入した市民からみれば、確実にプレミアム分の恩恵に預かることができます。10万円購入すれば確実に1万円得をするわけで、そういう意味では、この事業は家計を助ける現金給付的性格をもち合わせています。
しかしながら、全世帯あるいは、全市民が購入できることにはなりませんので、第一回の実施時から買うことができた人だけ得をするという不公平感が付きまといました。また、金融商品的に利用する不正使用の防止策もしっかりしないと制度の信頼をなくすことになります。
このような問題を抱えつつも、個人消費を刺激し、市内の経済の活性化につながるならば、回りまわって雇用の維持、税収増も期待できるわけでもあり、一つの景気対策として市民の皆さんの理解も得られるものと思います。ところが過去2回実施された市内プレミアム付商品券発行事業については、市内地区別の購入人数と業種別の換金データがあるのみ。つまり販売された商品券の流れだけは把握できていますが、どれだけ消費刺激効果があったのかを確認できるデータはまったくありません。食品販売で29.73%使われたとのことですから、3270万円のプレミアム商品券が使われたわけですが、果たして客単価があがり購入額を押し上げたのでしょうか。全くデータが示されていません。
自動車整備・販売で24.11%、2652万円分が使用されていますが、当初から購入予定の車の支払いの一部に充てただけ、あるいはたまたま車検の時期だったからプレミアム商品券で支払ったというケースは聞きますが、中古車にしようと思ってたけどこの際だから新車を買うことにしたという例があるのでしょうか。たとえ強い要望があるとはいえ、あるいは市内の消費が落ち込んでいるとはいえ、効果があるかどうかわからない事業に繰り返し予算を投入するというのはいかがなものでしょうか。
そもそもこの事業は、消費刺激効果を疑う以前に、プレミアム分、すなわち消費拡大の呼び水として投入される税金分に限ってみても、果たして市内の消費の上乗せにつながっているのか不明な施策です。先日の一般質問でも述べた通り、通常の市内消費の穴埋めに使用されただけで、購入した商品券のプレミアム分で生じた家計の余裕は貯蓄や市外の消費に向けられている可能性すら否定できません。このようになっては市民の皆さんの血税をドブにすてるようなもの、と言っては金融機関や市外の事業主の皆さんに叱られるかもしれませんが、完全な税金の無駄遣いとなってしまいます。だからこそ事業の効果を慎重かつ丁寧に確認する必要があると思うわけですが、この間、なんら検証作業はおこなわれていません。このまま3回目をやるからよろしくと言われても、残念ながら賛成する理由をみつけることができません。
仮にどうしても実施するというのであれば、過去の2回の事業をしっかりと検証し、どうすれば公平性を確保できるのか、そして消費の刺激効果を発揮できるのか、実施主体である商工会議所との間で購入限度額などの申込条件や申込資格、申込方法、利用有効期間など事業の根幹部分を詰めて、さらに事後の事業効果の評価方法も明らかにしたうえで議会に提案するべきではないでしょうか。
昨年の6月議会以降、私が予算案を見るのは今回で6回目になりますが、この間も生煮え状態の予算だと感じることはありましたが、今回の予算は生煮えどころか、鍋に水を入れただけ。中身はこれから協議するので、とりあえず3350万円の真水の投入を認めてほしいというものです。議会軽視もはなはだしいと言わざるをえません。
地域経済が厳しさを増す中、商工会議所や商店街の皆さんが、現状をなんとか打破するためにももう一回やらせてほしいという強い要望を、私は頭から否定するつもりは毛頭ありません。何がなんでも反対だとまで言うつもりもありません。
しかし、消費が厳しさを増す中だからこそ、なおさら、たまたま商品券を購入した人の家計が助かっただけという事業で終わらせてはなりません。来春には地域全体、金回りがよくなったなあと実感できるような事業内容にするためにも、ここから先は市長に白紙委任という議決ではなく、市長からの具体的な提案を受けて、しっかり議論をし、このやり方なら大丈夫といえる段階で予算を通すのが議会の責任ではないでしょうか。
スタートを予定する年末までにはまだ時間があります。本来ならば、今回の補正予算案には珠洲市共通プレミアム商品券事業費補助金は盛り込まず、事業内容が煮詰まった段階で、臨時議会を招集するか、あるいは12月議会で提案すべきではなかったと思います。議員各位におかれては、議会の議決責任の重さをあらためてかみしめていただき、採決に臨んでいただきたいということを訴えまして討論とさせていただきます。
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