原発事故はいつ起こるかわからない。
天気のいい平日の日中とは限らない。
夜中に起こるかもしれない。
凍結した真冬に起こるかもしれない。
正月に起こるかもしれない。
ということで、私はかつて、いろんな条件を想定して訓練をやるべきだと主張してきた。
なのでちょっと言いにくいが、なぜ11月2日、3日という連休、しかも3日は文化の日で各自治体は行事が目白押しなのがわかっていて、原子力防災訓練の日程をぶつけるのか不思議でならない。
今年の訓練は、志賀原発では初めて国が主催となる。
参加機関は約150、参加者数は住民含め約3740人という大掛かりな訓練である。
今回のシナリオでは訓練1日目の午後1時半頃、県庁や志賀町のオフサイトセンターとつながれたテレビ会議に安倍総理が登場し、「原子力緊急事態宣言」を行うことになっている。志賀原発から5キロ圏の住民は直ちに避難である。
安倍総理に合わせて組んだ日程で、地域のことなど考えていないのだろう。
昨年は、いま再稼働問題で揺れている川内原発でおこなわれたが、こちらでもなぜ稲刈りの繁忙期にぶつけるんだという不満があったという。
参加する自治体や防災関係者の皆さんも大変だと思うが、1992年の1号機試運転開始前の第1回訓練からずっと調査行動をおこなってきた平和運動センターや社民党議員団も実は困ってしまった。この時期、全国護憲大会や金沢での憲法集会など憲法関係の取り組みがすでに入っているからである。
加えて、県主催なら訓練1週間ほど前には実施要領が公表されていたが、今回は訓練2日前の今日になってもいまだに詳細な訓練内容が公表されず概要のみ。これでは調査行動の計画が組めないのである。
ギリギリのメンバー、ギリギリのスケジュールの中、本日ようやくこちらの調査行動の態勢も固まった。
たかが発電の一手段に過ぎない原発のためになぜ住民は被ばくを強いられ、命からがら逃げなければならないのか。しかもフクシマを見ての通り、住民は仕事もコミュニティも失い、担いで逃げられない家や畑は放射能で汚染され、資産価値を失ってしまうのである。
全国の原発が止まっていても電力不足は起こらない!志賀原発は3年前の3月11日(偶然にもあの3.11)から2基とも止まったままだが、北電は停電どころか利益を出し続けている。
まともな防災訓練をやればやるほど原発が存在するバカさ加減がリアルに実感できる。
だから国、そして再稼働させたい自治体は安全神話で覆った非現実的な訓練しかやろうとしない。
そのデタラメさを暴くのが私たちの調査行動である。
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