北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

パ・リーグはなぜ強い?

2011-08-17 | スポーツ
 セ・パ両リーグそれぞれ残り試合は各チーム50試合程度。終盤に入ってきた。パ・リーグは3位争いが焦点、セはヤクルトの勢いがなくなり混沌としてきた。
 一時はヤクルトだけが5割を超え、他の5チームは5割以下。といってもヤクルトが勝率7割を超える独走でもない。平均5割にいかないぞ?という初歩的な疑問はすぐに解決。交流戦でセはボロ負けしているのだ。

 なぜパ・リーグがこんなに強いのか。お盆中にたまった新聞に目を通してたら、なるほど~という記事がみつかった。
 7月16日付けの朝日新聞、「耕論」で「パ・リーグの時代」という特集を組み、ソフトバンクの投手・和田、帝京大でスポーツ経営学を教えている大坪正則教授、そしてスポーツライターの小関順二さんの3人へのインタビュー記事を並べている。

 和田はなぜパにはいい投手が多いのかを分析。
 ①打者のレベルも高く切磋琢磨しレベルがあがる、②低めの制球力がいい、③指名打者制で長いイニングを投げ、1番から9番まで気が抜けない、④パの方が微妙にストライクゾーンが狭く、対戦した場合、制球力のあるパの投手に有利、⑤セのエース級の多くが大リーグに移った。そしてもう一つ、なるほどと思ったのが⑥先発投手の予告制度である。パはどのチームも相手チームに融通を利かせてウェートトレーニング室を使えるようにしているという。セは試合直前まで先発を公表しないので練習場を公開できないが、パは登板日でない先発投手は遠征先でも日課の筋トレに励むことができるので、長いシーズンを乗り切る上でプラスとなる。
 好投手を生む環境がセに勝るという結論である。

 大坪教授は球団経営の変革からの分析である。
 ①2000年3月期から企業会計制度が変わり、親会社から黒字圧力が強まった、②04年の近鉄消滅で財務体質改善がリーグ存続をかけた課題という認識が定着した、③05年の楽天参入、04年の日ハム札幌移転で全国展開が実現し、親会社でなくファンに目を向ける機運が高まる、④楽天が球団と球場経営を一体化し黒字計上、ビジネスモデルが他球団に広がる。
 こんな要因で財務体質が改善され戦力充実につながったと指摘する。東京ドーム時代の日ハムなら年棒5億円のダルビッシュは抱えられなかったという指摘は説得力がある。
 対するセは旧態依然。巨人、ヤクルトが同じ日に東京で試合をし客の奪い合いをしたり、球団・球場の一体経営も阪神、広島だけ。
 なるほど、なるほどである。

 小関氏はセパ格差を松坂西武入団からと見る。
 FAで巨人が有力選手をかき集める中、パは札束合戦でセと競わず、逆指名のない高校生を育てる機運が生まれた。いまパで活躍しているダルビッシュやマー君、唐川、T-岡田、おかわり君などは、松坂以降の高卒選手である。
 セは巨人、阪神が下位球団から主力選手を奪い、チームを骨抜きにし、その割りに自分も強くならず、結果はご覧の通りである。

 3人それぞれの視点で分析し、論点を深める朝日の「耕論」は結構おもしろい企画が多い。

 議会の議論もこうでなくっちゃとつくづく思う。


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