朝日新聞(9月12日)
朝日新聞がサンドバッグ状態である。
1昨日の社長の謝罪会見、そして昨日の紙面には社長名での謝罪記事と経過報告。
朝日新聞(9月13日)
そして今日は社説であらためてお詫びを表明し、今後の報道姿勢について書いている。
この際だからと、政界はじめあっちからもこっちからも批判の嵐が吹きまくっている。
私は朝日新聞の長年の読者で、今回の件は残念には違いないが、朝日新聞に対する失望はずいぶん前から感じている。
権力に対する批判的な視点がいつの頃からか徐々に後退し、支局長や取材の第一線で活躍する記者が社説を読んでガッカリし、論説委員に意見したということも耳にしていた。
そんな中でも購読を続けていたのは、納得いかない記事や主張もあるが、ときどきさすが朝日!という深く掘り下げた読み応えのある特集記事などがあったからだ。
そんな中、今回の一連の「誤報」問題については謝罪はやむを得ないと思っていたが、岩月浩二弁護士の今日のブログ「朝日新聞「誤報」事件 秘密保護法の生け贄」は、この問題に新しい重要な視点を提示してくれた。
ぜひ多くの方に一読することをお薦めしたい。
「誤報」の根本的な原因は情報が「秘密」だからだという指摘は重要だ。
吉田調書が一斉に公開されていたら、今回の朝日の「所長命令に違反し撤退」という記事は、今回のような問題に発展することはなかっただろう。
報道各社はじめ原発や危機管理の専門家など多くの識者が、調書をどう評価すべきか、あるいは裏付けとして誰からどんな証言を得るべきか、多角的に活発な議論が展開されていたに違いない。
そんな中で今回の朝日の見解は淘汰されていったと思われる。
12月の秘密保護法の施行でさらに秘密情報の報道のハードルは高くなる。
朝日新聞が生贄になったという岩月弁護士の指摘は時代の核心を突いているのではないか。
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