穴水町のさわやか交流館プルートで開催された「のとりあーな風里山里海資本主義 -井上恭介氏と語る-」を聴きに行く。
井上恭介氏は「里山資本主義」という造語の生みの親で、角川書店から出版されたベストセラ-「里山資本主義」を藻谷浩介氏と共に著したNHK広島取材班のプロデューサーである。
まずは井上氏の講演。
マネー資本主義に対する里山資本主義について、その発想の視点と思想のエッセンスについて、まさにその命名者の思いを聞かせてもらった。
里山資本主義的な生き方、暮らし方を実践している人は各地にいる。
そんな人たちに里山資本主義という言葉をどんどん使ってもらえれば、という。
全く同感。
私もこの「里山資本主義」という言葉に初めて接したときに、「あ-、これだ!」と感じた。
その思いを今年1月に発行した私の市議会通信に書いているのであらためて紹介したい。
年頭に「里山資本主義」を考える
角川書店発行の「里山資本主義」という本が昨年後半のベストセラーに入り、珠洲市内でも多くの読者がいると聞きます。私も昨年7月の発売直後に購入した一人です。
里山資本主義とはマネー資本主義の対極を志す造語で、学術用語ではありません。また、対極を志すとっても世界経済を覆うマネー資本主義にとって代わろうという勇ましい話でもありません。著者の一人である藻谷浩介氏によれば「お金の循環がすべてを決するという前提で構築された『マネー資本主義』の経済システムの横に、こっそりと、お金に依存しないサブシステムを再構築しておこうという考え」とのこと。
控えめですが、私はこの造語にはなかなかの力があると思います。
里山里海だ!世界農業遺産だ!といったところで所詮老後の楽しみ、あるいは田舎暮らし趣味の域を出ないかのような受け止め方が依然として根強く存在します。地域振興や企業誘致が里山里海とは別の文脈のなかに存在するかのように語られてもいます。
一方で、里山里海の保全や活用にかかわる多くの人にとってももどかしさがあったように思います。歴史的・文化的意義、地球環境的な意義を確信し、地域再生の鍵にもなるとの思いを自認しつつも、個人の暮らし方にとどまらず働き方、稼ぎ方にもつながる経済システムだと端的に伝える言葉が見あたらない。そこに登場したのが「里山資本主義」です。まさに我が意を得たりの想いで受け止めた人も多いのではないかでしょうか。
著書を一読すれば明らかなように「里山資本主義」は学問上の仮設ではありません。すでに全国各地の田舎で実践されてきた先端的なとりくみを集約した言葉です。だからこそ説得力が備わっています。
単なる新たな経済システムの名称でもありません。安全保障や財政再建までも視野に入れ、少子・高齢化時代に里山里海から構築する新たな福祉国家論でもあります。日本国憲法の理念にも合致したシステムです。
今日の集会は、井上氏の基調的な講演に続いて都会から穴水町に移住した人、都市との交流をサポートしている人、能登にUターンし農業や漁業に取り組んでいる若者らをパネラーとしたパネルディスカッションへと続く。
コーディネーターは井上氏である。
ちょっと失礼な言い方になるが、穴水といえばなんとなく奥能登の中でも地味な印象があった。
が、いまや実にユニークな人材が集まってきている。
そして彼らをつなぎ、地域の中で活かしていける人材もいる。
これは楽しみ!穴水にももっと注目しなければ!と認識を大きく改めさせられたディスカッションだった。
井上恭介氏は「里山資本主義」という造語の生みの親で、角川書店から出版されたベストセラ-「里山資本主義」を藻谷浩介氏と共に著したNHK広島取材班のプロデューサーである。
まずは井上氏の講演。
マネー資本主義に対する里山資本主義について、その発想の視点と思想のエッセンスについて、まさにその命名者の思いを聞かせてもらった。
里山資本主義的な生き方、暮らし方を実践している人は各地にいる。
そんな人たちに里山資本主義という言葉をどんどん使ってもらえれば、という。
全く同感。
私もこの「里山資本主義」という言葉に初めて接したときに、「あ-、これだ!」と感じた。
その思いを今年1月に発行した私の市議会通信に書いているのであらためて紹介したい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
年頭に「里山資本主義」を考える
角川書店発行の「里山資本主義」という本が昨年後半のベストセラーに入り、珠洲市内でも多くの読者がいると聞きます。私も昨年7月の発売直後に購入した一人です。
里山資本主義とはマネー資本主義の対極を志す造語で、学術用語ではありません。また、対極を志すとっても世界経済を覆うマネー資本主義にとって代わろうという勇ましい話でもありません。著者の一人である藻谷浩介氏によれば「お金の循環がすべてを決するという前提で構築された『マネー資本主義』の経済システムの横に、こっそりと、お金に依存しないサブシステムを再構築しておこうという考え」とのこと。
控えめですが、私はこの造語にはなかなかの力があると思います。
里山里海だ!世界農業遺産だ!といったところで所詮老後の楽しみ、あるいは田舎暮らし趣味の域を出ないかのような受け止め方が依然として根強く存在します。地域振興や企業誘致が里山里海とは別の文脈のなかに存在するかのように語られてもいます。
一方で、里山里海の保全や活用にかかわる多くの人にとってももどかしさがあったように思います。歴史的・文化的意義、地球環境的な意義を確信し、地域再生の鍵にもなるとの思いを自認しつつも、個人の暮らし方にとどまらず働き方、稼ぎ方にもつながる経済システムだと端的に伝える言葉が見あたらない。そこに登場したのが「里山資本主義」です。まさに我が意を得たりの想いで受け止めた人も多いのではないかでしょうか。
著書を一読すれば明らかなように「里山資本主義」は学問上の仮設ではありません。すでに全国各地の田舎で実践されてきた先端的なとりくみを集約した言葉です。だからこそ説得力が備わっています。
単なる新たな経済システムの名称でもありません。安全保障や財政再建までも視野に入れ、少子・高齢化時代に里山里海から構築する新たな福祉国家論でもあります。日本国憲法の理念にも合致したシステムです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いきなり今日の本論から逸れてしまった。今日の集会は、井上氏の基調的な講演に続いて都会から穴水町に移住した人、都市との交流をサポートしている人、能登にUターンし農業や漁業に取り組んでいる若者らをパネラーとしたパネルディスカッションへと続く。
コーディネーターは井上氏である。
ちょっと失礼な言い方になるが、穴水といえばなんとなく奥能登の中でも地味な印象があった。
が、いまや実にユニークな人材が集まってきている。
そして彼らをつなぎ、地域の中で活かしていける人材もいる。
これは楽しみ!穴水にももっと注目しなければ!と認識を大きく改めさせられたディスカッションだった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます