昨日(10月12日)、今日と石川県教育研究集会が金沢市内で開催され、私も分科会の共同研究者として参加。
今回の記念公演は妹尾昌俊さん。
野村総研を経て2017年に学校業務改善アドバイザーとして独立され、中央教育審議会「学校における働き方改革特別部会」委員などを務め、教育委員会や校長会などでも講演多数。
県教組、高教組などが主催する集会の講師とは異色の経歴だが、超勤多忙問題の改善に向け、実に具体的で分かりやすい講演。
何のために早く帰る?
好きで学校にの残る先生、なぜ良くないの?
そもそも「働き方改革」はなんのため?
基本的、根本的な問いを次々投げかけ、問題の本質を解き明かしていく。
校長会研修、教育委員会向け講演で話すという「『生存バイアス』に気をつけろ!」は、教育問題に限らず日常の思考で陥りがちな過ちに警鐘を鳴らす。
二日目の今日は分科会。
私は「民主的な学校づくり、地域・保護者を結ぶ教育」の分科会。
例年と比べレポートは5本と少なかったが、貴重な現場の実践報告や県内学校現場の「働き方改革」の実態が報告され、参加者の討議で内容が深められていく。
昨年から県内小中学校、県立高校で時間外勤務の実態調査がおこなわれ、さらに今年は県教委、各市町教委が多忙化改善に向けた具体的な取組をスタートさせたが、取り組み内容が不十分、というより根本的な課題が浮き彫りになってきたように思う。
管理職が数値目標にとらわれ、時短ハラスメントとも呼ぶべき事態が生じている。
業務の削減ではなく、安倍内閣が進める「働き方改革=生産性向上」と同じ論理で業務のスピードアップも強いられてる。
現場はより深刻な事態に陥った。
これではいったいなんのための働き方改革?と前日の基調講演に戻っていく。
こうした中、地域や保護者と結ぶ教育は大切だが、ともすれば教職員の時間外勤務をさらに増やすことにもつながっていく。まさにジレンマだが、解決のヒントとなる実践例も紹介されていく。ここが教研のおもしろさだ。
分科会は全体で県内各地から380人が参加、139本の実践レポートをもとに活発な意見が交わされた。
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