北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

「分断と差別から共生と連帯社会へ」全国政策研究集会に参加

2017-08-18 | 活動報告
自治体議員政策情報センターが事務局を務める第9回全国政策研究集会in新潟に参加。
毎回タイムリーなテーマと充実した内容で、この7年間で6回目の参加。
今年のテーマは「分断と差別から共生と連帯社会へ」。

   

上原公子センター長(元国立市長)のあいさつを受けての基調講演は、国の財政審議会会長などを務めた神野直彦さん(現・日本社会事業大学学長)で、演題は「『分かち合い』の財政で地域再生を実現する」。
演題を見て神野さんの著書「『分かち合い』の経済学」(岩波新書)を思い浮かべる方も多いかと思う。
同著は韓国でも大きな支持を受け、大変な売れ行きのようだが、まさに資本主義の行き詰まりに直面し、次なる社会システムを模索している人々に大きな示唆を与えている。

神野さんはまず現在の状況を自己の「生」と結び付けて理解することが重要性と指摘する。
今日もスペインのテロが報道されているが、世界を駆け巡る憎悪と暴力の原因がコミュニティの崩壊にあるとし、それが「他者への無関心」へ、さらに「民主主義に対する幻滅」と「環境への関心の薄れ」につながっていることを解き明かしていく。

そして次なる社会システムとしてポスト福祉国家としての地方分権ーグローカリゼーションとし、地方自治体の使命が拡大する中での地方財政に求められる機能を提示する。

財政の基本をしっかり押さえ、ユーモアを随所に織り交ぜた講演で、1時間20分があっという間だった。

   

続く「共生と連帯社会をどうつくりあげるか」というテーマでのトークディスカッションは、米山隆一新潟県知事と佐々木寛さん(新潟国際情報大学教授)、そして神野さんが並び、コーディネーターは上原さんという豪華メンバー。

   

上原さんが共生社会実現に向けた新潟県の政策について米山知事に切り込んでいく。もちろん柏崎原発の再稼働問題も。
米山知事も無難な「議会答弁」風のコメントではなく、かなり踏み込んだ答弁で応えていく。

国際政治が専門の佐々木さんだが、この場は市民発電「おらって」の代表として参加。理念は神野さんの講演内容と深く結びついている。
佐々木さんは昨年の参議院選挙では市民連合@新潟の共同代表も務めた行動派。

これはおもしろいということで、続く分科会は予定を変更して佐々木さんがコーディネーターを務める「日本海・東アジア地域の平和と共生」に参加。
幕末から外国に開かれた新潟港を抱え、万景峰号が北朝鮮と行き来し、朝鮮学校もあり、そして拉致被害者である横田めぐみさんや蓮池さん夫妻、曽我さん夫妻らがいる新潟ならではの具体的な提起があり、自治体として、自治体議員として、そして市民としてできることについて、全国からの参加者を交えて活発な議論が展開された。

明日も分科会。私は議会改革の第2分科会に参加予定。

   

ところで今朝は金沢駅から上越妙高乗り換えで新潟へ。
立派な新幹線上越妙高駅がどーんと上に構え、その下にやや車体がさび付いた妙高はねうまラインの快速新潟行きがそろりと入ってくる。

   

悲しいことに金沢から(もちろん珠洲からも)東京へ行く方が、新潟へ行くよりも早く、おまけに今日は糸魚川付近に大雨洪水警報が発令されたため、上越妙高から新潟まで3時間20分もの「快速」の旅だった


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