大石邦子「わたしの畑」

ハイ！みんぽう９月号、エッセイスト大石邦子「わたしの畑」の冒頭に、

私の畑がやってきた。一日にどれだけ、畑を覗き見るだろう。そこには、柔らかなリーフ・レタスが溢れるように育ち、パセリも花のように微かな風に揺れている。

パソコンを打っていても、食事をしていても、つい目が行ってしまう。友達のご主人が、私のために作ってくれたプランターの可愛い野菜畑で、私の居間の正面の木の下においてある。

骨粗鬆で一日10分でも外出をと病院から言われ守られていなかったが、畑のおかげで1日に1度外に出るようになった。電動車椅子の乗り降りも苦にならなくなった。星の王子ではないが、パセリやレタスでも、手をかけると味まで違う。包丁は良く手を切るので、切らずに洗ってレタスのサラダができる。

車椅子外出恐怖症が治ったら、自分で買い物に出たいと思っている。スーパーにある大量の商品を見たら、少しは食品通になるかもしれない。支払いも自分でしたい。カード支払いは頭を使わないので、数学大好きが計算が危うくなっている。

そんなひとり言を、私のレタスたちは、頷きながら聞いてくれているような気がして、頭をなでてやりたくなる。・・・

しかし、我が家の畑の野菜は、長雨で草がぼうぼうの中で育っている。野菜の値が高上り、おかげで大切に頂いている。写真はピーマン。