好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 ヤンソンス(アルヴィド)/ベルリン放送響/ベルリン放送合唱団 他

2023-12-24 19:24:00 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」

ベートーヴェン
交響曲第9番「合唱」

指揮…ヤンソンス(アルヴィド) 
演奏…ベルリン放送響 
合唱…ベルリン放送合唱団 他 
好み度…4(5点満点)

冒頭からゆっくりしたテンポのせいか、重く響く低弦のせいか、重厚で堂々たる響き。
第1楽章、第2楽章でのその重みは武骨と敬虔が入り混じったような重量感と力感を感じさせる。ことさらな演出や激しさはないが十分な雰囲気をもった、味わいのある情と力のある重厚感である。
第3楽章も深みを帯びた美しさ。繊細とか幽玄でなく、素朴でちゃんとした力をもった美しさと感じる。
終楽章は、独唱はテノールが前半ちょっと張り切りすぎの感あり落ち着かない。合唱はおおらかな力感と奥行きのある美しさも感じさせて悪くない。終盤は特に熱さを増していくようなこともなく、ちょっと普通に流されていく感はあるが、全体の印象としては、なかなか大きく深く奥行きのある、情の感じられる演奏といった印象である。
録音は少々ノイズもあるが特に悪くない。

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ブラームス 交響曲第4番 ズヴェーデン/オランダフィル

2023-12-24 19:21:59 | ブラームス 交響曲第4番

ブラームス
交響曲第4番

指揮…ズヴェーデン 
演奏…オランダフィル
好み度…4(5点満点)

響きは清らかさと力を同居させ、歌にはほのかに情があり、特に何を誇張しなくても素直に自然に美しい。
第2楽章最初の叙情部での木管なども柔らかく美しいし、協奏部での弦と弦、金管のおおらかな響きや管楽器同士の重なりなどもなかなかブラ4らしい響き。清らかであるが痩せることなく、清らかな厚い美しさを感じる演奏である。
素直で好感の持てる美しさで文句はないが、欲を言えば何らかのインパクトが何かあってもよかったかな、とも思う。
が、そういうのをなくして素直に嫌味なく美しいというのがこの演奏の個性ともいえるのかな。

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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 オソリオ/バティス/ロイヤルフィル

2023-12-17 00:07:37 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)

ブラームス
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…オソリオ 
指揮…バティス 
演奏…ロイヤルフィル
好み度…4(5点満点)

オソリオもバティスもメキシコ出身というコンビによるブラームス。
勝手なイメージだが、メキシコというイメージに合った、明るめの熱いエネルギーを感じる演奏。
ただ、エネルギーを感じるのはどちらかといえばオケのほうで、はじけそうなオケを、エネルギーは感じるけど透明感のあるピアノの響きがうまいことバランスをとっているようなところを感じる。
なので、エネルギーは感じつつもどこか清涼な感じもあって、結構特有の魅力を備えた盤になっているように思う。
ロイヤルフィルも音色は華やかなほうだし。バティスのオケは元気だけど、ある意味元気以上でも以下でもなく、この盤は素朴なエネルギー感と透明感と情を感じさせるピアノの音色が魅力の盤のように思う。
所謂ドイツ的でないこの曲を聴きたいときにはよい盤だと思う。

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ブルックナー 交響曲第3番/第8番 ドホナーニ/クリーヴランド管

2023-12-17 00:06:15 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー
交響曲第3番/第8番

指揮…ドホナーニ 
演奏…クリーヴランド管
好み度…4(5点満点)

このコンビらしく、機能的で、しかし無機的でなく、透明感を感じさせる完成度の高い響きで、重厚とか大きさとかといったワードよりは純度の高い透明感というか、そんなワードが合うような、このコンビの名から連想するイメージを裏切られるような演奏ではなく、質の高いブルックナーのように思う。3番のフィナーレなんかは結構爽快だったし。
2曲同じような印象ではあったので、まとめての投稿とします。

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ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 ティーレマン/ウィーンフィル

2023-12-17 00:04:13 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」

ベートーヴェン
交響曲第5番「運命」

指揮…ティーレマン 
演奏…ウィーンフィル
好み度…4(5点満点)

正々堂々、古典の香りと風格と気品漂う演奏。
一音一音愛着をもって表情付けされているようで、ウィーンフィルも何だか心地よさそうですらある。
欲を言えば終楽章がちょっと気忙しく聴こえるところがなくもなくて、もっとしっかり雄大に鳴らしてくれてても、と思わないでもないが、まぁ、曲の構成からしたら確かにこれでもいいのかな、という気もするしそれなりに熱気を感じさせてもいる気もするし。

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ブルックナー 交響曲第5番 ハイティンク/ウィーンフィル

2023-12-10 23:33:28 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー
交響曲第5番

指揮…ハイティンク 
演奏…ウィーンフィル
好み度…4(5点満点)

まっとうで大きくウィーンフィルの美しいブル5。
ウィーンフィルの美しさとフィナーレの大きさが印象的。
ただ、他に感銘深い盤も多いせいか、3番ほど特別な感銘は受けないかな。
終楽章はフィナーレの大きさは特筆ものの域かと思うが、フィナーレまでがちょっと何かに欠ける印象はある。
とはいえハイティンクの泰然とした流れとウィーンフィルの美音は心地よく、ブルックナーらしいかはよくわからないが、大きく美しい音楽であることは確かであると思う。

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ブルックナー 交響曲第3番 オラモ/ロイヤルストックホルムフィル 

2023-12-10 23:32:24 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー
交響曲第3番

指揮…オラモ 
演奏…ロイヤルストックホルムフィル 
好み度…4.5(5点満点)

オーソドックスで、新鮮味も面白みもない、と言われてしまいそうだが、厚く尖らず低弦もがっちり効いたどっしりした響きで聴かせる正攻法ブルックナーは心地よい。
どっしりと書いたが重ったるい響きでなく、録音の優秀さもあるのだろうが、特に例えば第2楽章での弦の響きなど深みのある艶も感じさせて美しく、また、厚い響きだが濁らずいろんな音の重なりが浮かび上がるようでもあり、結構大きくて大味でない、心地よいブル3になっている。
こういう演奏を聴いていると、普段あまり重きをおかれていないようなこの曲だが、どうして立派な曲だなぁ、と改めて感じる。フィナーレも爽快。
まぁただ、1回聴いていいなぁ、とは上記の通りだが、あまり何度も聴こうと思われないのは、何となく特有の趣が感じられないところがあるのかもしれない。

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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 ムーティ/フィラデルフィア管

2023-12-10 23:30:49 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」

ベートーヴェン
交響曲第3番「英雄」

指揮…ムーティ 
演奏…フィラデルフィア管
好み度…4(5点満点)

柔らかく明るい華のある響きの英雄。
弦も金管もよく響いて特に不満はないが深みだったり硬骨な雰囲気とか漂う気迫とか風格とかを求めるなら物足りないだろう。

 

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ブルックナー 交響曲第5番 ブロムシュテット/ライプツィヒゲヴァントハウス管 

2023-11-26 22:51:44 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー
交響曲第5番

指揮…ブロムシュテット 
演奏…ライプツィヒゲヴァントハウス管 
好み度…5(5点満点)

高齢と言っていい域に入ってのブロムシュテットとゲヴァントハウスのコンビは、いい仕事をしているなぁ、と思わせる。
以前のブロムシュテットの演奏と言えば生真面目で整って情と言うよりは整然と、丁寧に隙なくしっかりと、しかしどこか小さくまとまっていた感もあるイメージだったが、丁寧さとか美しさはそのままに伸びやかさと大きさを得て、この演奏でも何か神聖なものを慈しむような、整いつつも美しく広がりと透明感のある深みを感じさせる美しく広がりのある(大人の力強さもしっかり併せ持つ)ブルックナーになっている。
ホールの残響の美しさとか録音のよさも影響は大きいと思う。
ゲヴァントハウス管の響きも何とも繊細な深みも湛えて美しい。
丁寧で繊細で大きく美しい、ブルックナーである。
重厚だったり豪快に金管が響いたり、というブルックナーでなく、静かに厚く気品を湛えたようなブルックナー、かな。フィナーレは壮大。

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ブルックナー 交響曲第3番 ズヴェーデン/オランダ放送響

2023-11-26 22:50:32 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー
交響曲第3番

指揮…ズヴェーデン 
演奏…オランダ放送響
好み度…4.5(5点満点)

この人のブルックナーは、優しく、柔らかく、大きい。
厚みが、音色が、響きが、流れが、そう感じさせる。大きく虚飾のない心地よいブルックナー。
フィナーレも力まずかといって力不足でなく、安堵感のようなものを感じるような大きさが感じられる。
この曲の大きさ、おおらかさが、誇張でなく、自然な感覚で感じられるようである。

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