好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 西本/ブダペストフィル

2023-06-24 18:29:01 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」

指揮…西本 
演奏…ブダペストフィル 
好み度…3.5(5点満点)

出だしの弦は美しく郷愁を帯びていい雰囲気。期待させるがその後の強奏はパンチ力に欠ける印象はある。そんな出だし。
第1楽章ではフォー、フォー、と和音をつくる金管群が結構前面に出てちょっと耳に付きすぎる印象もある。ここぞという力強さや厚みが今ひとつ感じられず響きに深みや奥行きみたいなものもちょっと感じられないきらいもある。非力ということもないしよくも悪くも特にひっかかりもなく美しくはあると思う。
第2楽章は深みは感じられないまでも弦の美しさが気を引く。
第3楽章は特にプラスもマイナスもなく普通によくできた演奏。
終楽章は何か急に目覚めたように充実感を感じる。美しい弦に力漲り響きに大きさも感じられる。
ブダペストフィルというところにもちょっと何かあるかと思って聴いてみたが、特に特有の雰囲気とかは感じられない。
テンポは全体的にゆったりめ。
美しいがその美しさもちょっと表面的な印象はあり、いろんな意味で単調でもあるのかなぁ、聞き流すにはいいかもしれないがあえてまた時間をとって聴くか、と言われればそれはないかなぁ、といった感じ。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 ビエロフラーヴェク/チェコフィル

2022-10-23 14:39:25 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」 

指揮…ビエロフラーヴェク
演奏…チェコフィル
好み度…4(5点満点)

いったんチェコフィルを離れてヨーロッパで活動したビエロが再びチェコフィルに帰ってきて、旧録と聴き比べるに、新録では響きに厚みと盛り上げどころの迫力も増して(ティンパニの使い方なんかがうまくなったのかな)インターナショナル化した感があるが、その分ビエロらしい空気感は薄らいだように感じる。
一般的によい演奏と思うが、私はこのコンビらしさの感じられ、装飾感を感じずシンプルな情の感じられる旧録をとるかな。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 ウルバンスキ/NDRエルプフィル

2022-05-05 09:32:42 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」

指揮…ウルバンスキ 
演奏…NDRエルプフィル
好み度…4.5(5点満点)

どこか新しさを感じさせる雰囲気があって、大きさを感じさせる。
歌い回しとか、響かせ方とか、「普通はこう」というのとちょっとずつちがうところが随所にあって、
細かいところまで自分の中に落とし込んでるんだろうなぁ、ということは感じさせつつ、
でもそれはごく自然でそれをやったことで違和感を感じさせたり小さくなったりせず、内声なんかはむしろ取捨選択して選んだ音をストレートに大きく美しく響かせる、
スッキリしてるけど、大きくて豊か、
金管も吼えるときは吼えるけどがさつかない、
そんな感じがあって叙情性とかはそんなに感じないけど、
厚い爽快感と新鮮味を感じさせつつ、王道感すら感じさせたりする。
革ジャンイケメンのジャケットが何か見ようによってはチャラく見えるようでなんか損してるんじゃないかと思うくらい。
美しい録音もこの盤の価値にプラスには作用していると思う。
NDRエルプフィルとはヴァントとの録音でよく名を見る北ドイツ放送響の今の名称とのこと。
ウルバンスキはまだ若いらしいけど、この聴き慣れた曲をこれだけの名門オケをしっかり響かせてこれくらい大きく新鮮味を感じさせて聴かせるとはたいしたものです。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 アンチェル/チェコフィル

2022-01-02 19:30:09 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」

指揮…アンチェル
演奏…チェコフィル
好み度…5(5点満点)

引き締まった響きに、緊張感も伴った舞曲的な雰囲気を漂わせつつ、歌はしっかり歌う、ドヴォルザークならではの雰囲気と普遍的なシンフォニック的な完成度をあわせもったような、名演でしょう。
ティンパニの使い方が効果的で演奏に力強さと覇気を与え、各楽器、ときに力強くときに情を乗せて、思い切りのよい響きっぷり歌いっぷりも印象的で、カッコいい演奏とも言えるかもしれない。
タイム的には少し速めだが、歌うところはしっかり歌っているのでせっかちな印象も感じない。
颯爽とした緊張感と引き締まった、それでいて何か風景を連想させるような響き。
各楽器が思い気りよく響き、歌う。
力強いティンパニが演奏に力強い流れを与え、木管が温かな情を添える。
音色とリズム感にはこのコンビならではのものを感じる。
カッコつけてないけど、カッコいいココロに響く新世界。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 小澤/ウィーンフィル

2021-05-22 14:44:07 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」

指揮…小澤 
演奏…ウィーンフィル
好み度…4.5(5点満点)

オーソドックスで、ややゆったりめのしっとりした響き。
ドヴォルザーク的かと言われればそうでないかもしれないが、威圧的でない大きさも備えた美しい新世界のように思う。
小澤の音楽はイメージ的に感銘とか情とかいうよりは熱のない「綺麗」を目指している印象があって、ドヴォルザークはどうかと思っていたけど、舞曲も明るさも大地の匂いもしないけど、響きがいいのかなぁ、ただうまかったり綺麗だったりだけでないよさが感じられる。
第2楽章主題の木管やこれに続く弦なんかも流石に美しく、この楽章には切実感のある望郷の情を感じる。
濃い演出などはないが、ときに新世界の演奏に聴かれる軽さもなく、ウィーンフィルの美音を引き出し、美しくまとめて全曲通して聴き応えを十分に感じさせるのだから小澤もいいのだろう。
内声なんかをちりばめて華麗に聴かせるとかというよりはむしろ弦も金管も主旋律を美しく聴く感じ。終楽章が、力強くカッコいい冒頭にはじまり堂々たる力強さと艶がそれまでの楽章に増すようでまたいい。
同じコンビの8番は明るさと活気が感じられなくて、今ひとつだったけど、こちらは落ち着いた安定感と美しさがあって、こちらのほうがいい。名盤の域かと。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 タックウェル/ロンドン響

2021-05-02 12:02:09 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」

指揮…タックウェル 
演奏…ロンドン響
好み度…4(5点満点)

厚みはあるが、柔らかく、優しい新世界である。
音は緊張感を感じさせたり居丈高に圧倒してくるようなことはない。
旋律は美しく謳われ、強調されることはないが丁寧にいろんな音も練りこまれていたりする。
包み込むような柔らかさをもちながら柔らかいスケール感も感じさせる。
タックウェルは有名なホルン奏者とのことだが、普通の指揮者の演奏に並ぼうとするのでなく、独自の空気をつくろうとしているかのようである。
第2楽章等もゆったり謳う旋律とロンドン響の弦の響きはなかなか美しい。
典型的な新世界とはちがうように思うし、郷愁とかはあまり感じさせないし、深みとかはちょっと足らないかもしれないが、聴き心地のよい、しかし表層的な印象もない丁寧で美しい新世界のように思う。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 レナルト/ブラティスラヴァ放送響

2021-02-27 13:15:33 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」

指揮…レナルト 
演奏…ブラティスラヴァ放送響 
好み度…5(5点満点)

ブラティスラヴァはスロヴァキアの首都、ブラティスラヴァ放送響は多分スロヴァキア放送響と同一。
地場もののよさとはこういう響きをいうのかもしれない。
うまいとか完成度とか(下手なわけでも完成度が低いわけでもないけど)、というより響きの素朴さに惹かれるような。
地場ものといっても明るい舞曲風というのではなく素朴な大地を感じさせるという意味で。
多分旋律の歌いまわしなんかも微妙なところでご当地の感覚が出ているのかもしれない(日本の歌だってきっと外国の人がきれいになぞるのと日本人が歌うのはちがうんだと思う)。
結構オーソドックスだけど、綺麗にまとめておしまい、って演奏に終わっていないのはその辺なのかな、と思う。というか地場もの云々抜きにしても素朴で自信に満ち堂々とした聴き応えのある演奏と思う。第2楽章は切実な郷愁、というよりはもう少し明るい回想するような郷愁の雰囲気。
「最も音楽的に完成された」盤でないのは確かだろうけど「最も新世界らしさを堪能できる」盤といったらこれを挙げるのもありではないか、なんて思ったりする。
洗練さとか美しく小綺麗な、とかとはちがうとこにある、しかし大オケの立派な交響曲演奏にはない魅力をもった盤のように思う。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 バルビローリ/ハレ管

2021-02-11 13:40:12 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」

指揮…バルビローリ 
演奏…ハレ管 
好み度…4.5(5点満点)

ややオケの技量不足を感じないわけでもないが、それでも結構熱く力強く、血の通ったような響きで悪くない。
郷愁、抒情、郷土色、とかより熱い情とか野生味といった言葉があうような新世界。
第3楽章の重い迫力はちょっとなかなかない類かと。
他の盤でしっとり歌うようなところも結構早い歌いまわしでいったりこの曲でこれくらいティンパニが炸裂するのも珍しいと思うくらいの強打が聞かれたり(どこもかしこもではない)、ちょっと普通の新世界とは違うかもしれないけど、その鳴らしっぷりは爽快でもあるし、耳障りのいいだけの流麗な新世界も少なくない中、こんな熱い覇気を感じる新世界もいいな、と思う。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 ビエロフラーヴェク/チェコフィル

2021-01-04 17:22:18 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」

指揮…ビエロフラーヴェク 
演奏…チェコフィル 
好み度…5(5点満点)

少しも虚勢とか過剰なものを感じさせず、ゆったりと素直で、厚みのある、柔らかく温かい響きがなんともビエロらしい新世界。
派手さはないし郷土色豊かなというわけでもないのだが、何の変哲もないようでいて軽くもなく弛緩せず安易でなく、重心低めだけどそれは重ったるさでなく安定感のある美しさとなって、なんとも心地よい。終楽章はじめのファンファーレなんかはかっこつけてないけど十分にかっこいいし。
同じコンビで新世界は2回録音されているようで、私が聴いたのははじめのほう(1989年録音)。このころの盤には、ブラームスのピアノ協奏曲1番(ピアノ:モラヴェッツ)やドヴォ8など、派手じゃないけど豊かな滋味が感じられるような、ビエロならではの感性が感じられて、いい(ブラームスのP協1も後のBBCとの録音よりどちらかといえばチェコフィルとの演奏をとる)。
録音も優秀(ただ、ジャケットは白黒の摩天楼で、これはちょっと損しているような気がする)。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 ノイマン/チェコフィル

2020-12-28 16:33:04 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」

指揮…ノイマン 
演奏…チェコフィル 
好み度…4(5点満点)
1995年録音。

チェコフィルだけど、その響きに郷土色とかは感じず、むしろ透明で、しっとりした質感を感じさせ、演奏はゆったりと、大きい。
1993年のライブ盤のほうが有名なようだけど(そちらは聴いていない)、ノイマン最後の新世界として立派な演奏と思う。
この曲が、変な先入観抜きに大きく立派な曲であることを感じさせ、押し付けることはないが、情も漂わせる。
ゆっくりめのテンポで、チェコフィルの機能美とか艶とかいうよりは、十分に厚いが透明で、しっとりした情を感じさせる、大きな新世界。
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