好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

マーラー 交響曲第2番「復活」 ベルティーニ/ケルン放送響/ケルン放送合唱団

2022-10-30 09:59:08 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第2番「復活」

指揮…ベルティーニ 
演奏…ケルン放送響
合唱…ケルン放送合唱団 他
好み度…4(5点満点)

ケルン放送響の重みのある響きがこの演奏に実直な重厚感を与えるようでいい。
このオケはあまり有名でないように思うが、華やかではないが実直で活力と実のある重い響きで技量的にも不足なく、いいオケだと思う。
ある意味地味だけど、いたずらに「すごいでしょ」と何かを主張することなく、実直に迷いなく演奏しきっているような盤のように思う。
原光はじめ声量のあるどっしりしたソロは美しく、合唱は透明感があって、入りなんかもどうということないようで敬虔に美しく、フィナーレはもうちょっとだけ声量がほしい気もないではないが、及第点の高揚感は感じられる。
どうとういうことないようで、虚飾のない重みと滋味のある復活のように思う。
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サン=サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」 室住/フルネ/都響

2022-10-30 09:54:23 | サン=サーンス
サン=サーンス 
交響曲第3番「オルガン付き」

オルガン…室住 
指揮…フルネ 
演奏…都響 
好み度…5(5点満点)

録音もよく都響の響きも美しい。
ゆったりめのテンポの中、奥行きと大きさを感じさせる美しさ。
絢爛だけでなく表現力と言うか、そういった点でも都響の水準の高さを改めて思う。
ここでの都響は同じコンビのドイツものでの重い響きとは違った艶と滋味を帯びた重みより美しさを感じさせる響き。
録音の関係なのか、曲の違いなのか、オケというのはこうやって響きを使い分けられるものなのか。
オルガンもちゃんと聴こえて第2楽章の滋味を帯びたようなオルガンと弦の美しさもなかなか他では聴けないもののように思うし、終楽章のオルガンも音色も美しく荘厳、オケも十分に美しく表現力豊かに鳴って、どの楽章もゆっくりめのテンポの中、深みを伴った大きさと美しさとを十分に感じさせる名演を美しい録音で記録したと名盤の域の盤と思う。
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チャイコフスキー 交響曲第5番 ドゥダメル/シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ

2022-10-30 09:51:51 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番

指揮…ドゥダメル 
演奏…シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ 
好み度…4(5点満点)

若い指揮者とベネズエラの若いオケによるチャイ5。
勝手な先入観ではあるが情熱的で熱い演奏をイメージしていたが、そういう感じではなく、むしろしっかり整ったタイプで特に濃い味付けといった風もないといた印象。
オケは個の力量もオケとしてのアンサンブルにも不足感はなく、響きは、深みは感じられないが透明感のある明るい力感を感じさせ、第2楽章の中間の高揚部とか終楽章フィナーレとかでの透明感ある伸びやかな歌なんかはなかなか爽快。
若いコンビだが力任せになることなくむしろしっかり抑制もされながら、情熱的とか深みとかいうよりはしっかり整った、透明感を感じるような爽快なチャイ5のように思う。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 ビエロフラーヴェク/チェコフィル

2022-10-23 14:39:25 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」 

指揮…ビエロフラーヴェク
演奏…チェコフィル
好み度…4(5点満点)

いったんチェコフィルを離れてヨーロッパで活動したビエロが再びチェコフィルに帰ってきて、旧録と聴き比べるに、新録では響きに厚みと盛り上げどころの迫力も増して(ティンパニの使い方なんかがうまくなったのかな)インターナショナル化した感があるが、その分ビエロらしい空気感は薄らいだように感じる。
一般的によい演奏と思うが、私はこのコンビらしさの感じられ、装飾感を感じずシンプルな情の感じられる旧録をとるかな。
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 オールソン/テンシュテット/ロンドンフィル

2022-10-23 14:36:26 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…オールソン 
指揮…テンシュテット 
演奏…ロンドンフィル 
好み度…5(5点満点)

テンシュテットでこの曲の盤が聴けるとは思ってなくて、この盤を見つけたときはそれだけで結構うれしいところがあり、情感豊かに力強く少しドラマティックに聴かせてくれるのではないか、とほのかに期待して聴いてみて、期待通りでありある意味期待以上によかった感がある。
第1楽章の十分な重みとエネルギーを帯びたような覇気、第2楽章の重く大きな響き、ときにちょっと退屈感を覚えることのある終楽章もダイナミックな寄せては返すような起伏は雄大すら感じるようでありカデンツァあるいはフィナーレに向けての高揚もドラマティックで、ピアノもあまり名を聞かない人のように思ったが、ショパンコンクールの優勝者とのことで、まだ結構若く、一音一音の深みとか表現力の深さとか、そういうのは所謂大家たちに及んでいないところはあるのだろうけど、実直でひたむきさを感じるような情とテンシュテットの熱と覇気に負けない力強さを伴ったピアノで、相性ピッタリの印象で、それでいて両者雑だったり大味だったりという印象は少しも与えず、情熱に満ちたような、すごく正統のような、テンシュテットらしい、何ともココロに響く剛毅雄大な1番となっている。
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マーラー 交響曲第5番 インバル/フランクフルト放送響

2022-10-23 14:34:31 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…インバル 
演奏…フランクフルト放送響
好み度…4.5(5点満点)

熱いとか情が濃いといったタイプではないが、録音のよさもあわせて音響的に美しく大きなシンフォニックな世界が楽しめる、といった趣の盤。
インバルの名を高めた全集の中でも特に評価の高い1枚のようですね。
その響きはいろんなしがらみを洗い流すかのような新鮮さ、あるいは透明感とかセンスとか、そんなものを感じさせる。
深刻ぶることないじゃないか、純粋に音楽としてこんなに美しいのに、そんな思いが漂うようである。
フィナーレも雄大で聴き終わった後に爽快感の残るような、そんな盤である。
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ブルックナー 交響曲第5番 ヴァント/ベルリンフィル

2022-10-09 15:21:03 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第5番

指揮…ヴァント 
演奏…ベルリン 
好み度…4.5(5点満点)

最もブルックナーらしいといわれるこの曲を、最もあるがままに、高い次元で聴かせているのがこの盤ではないだろうか。
残響で聴かせる宗教色も、恣意的に煽るような表現付けもなく、巨大な構造物のようなブルックナーが、厚く、美しく、充実感のある密度で響いている。
ヴァントの自然な流れの中で聴かれるベルリンフィルの厚み、深み、高い完成度は流石で、この盤はこの響きがあるから感銘深いのだとも思う。
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マーラー 交響曲第2番「復活」 ブーレーズ/ウィーンフィル/ウィーン楽友協会合唱団 他

2022-10-09 15:17:40 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第2番「復活」

指揮…ブーレーズ 
演奏…ウィーンフィル 
合唱…ウィーン楽友協会合唱団 他 
好み度…5(5点満点)

第1楽章冒頭から重みと陰を感じさせるような、それでいて美しい響きに引き込まれる。
ブーレーズは分析的で冷たい、という評が固定評としてあるようだが、第1楽章を聴くだけでも確かに熱くはないが退廃と気品をないまぜにしたような、その陰を含んだ重みと美しさなんかはむしろ他の盤にはない雰囲気をつくっているように思える。
第2楽章もウィーンフィルならではの美しさを感じ、その美しさ(特に弦かなぁ)は同曲の盤の中でも最上位の部類ではなかろうかと思われるし
原光もソロも弦も風格漂うような美しさ、
終楽章もオケは美しく大きく、合唱は敬虔さも感じさせるような美しさ。
全編通して重みのあるパンチも随所で効いている。
この盤は第一にウィーンフィルの響きがいい。
いい響きだなぁ、と聴いていると、声楽もまたいい。
ブーレーズのつくる流れも響きもいいし、録音もいい。
一点私にとって残念なのはフィナーレの合唱をもう少しゆっくり(熱くなくてもいいから)歌ってほしかったなぁ、という点かな、そこだけ。
確かに、熱い演奏ではない。熱くないが人間味に欠ける演奏ではなく、深みのある美しさを湛えた演奏と思う。
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ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 カヒッゼ/トビリシ響

2022-10-09 15:12:55 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン 
交響曲第5番「運命」

指揮…カヒッゼ 
演奏…トビリシ響 
好み度…4.5(5点満点)

以前、このコンビでのチャイ5を聴いたときは「このコンビはベートーヴェンをやってもチャイコになっちゃうんだろうな」みたいな印象を持ったけど、どうしてそうでもなかった。
並み居る巨匠・一流オケによる録音ひしめくこの曲だから、それらと比べて名盤かどうかはなんとも言えないけど、
一流百貨店の素材も外装もしっかりした果物もいいけど、ちょっと田舎の、店構えも外装も素朴だけど粗雑じゃなく形もちょっといびつだけど、それなりの味わいがあるよ、といったものを味わう感覚で聴く分には結構いいものを見つけた感覚で聴けるように思う。
オケも名前は聴かないけどかなりしっかりした印象で素人っぽいところはなく、むしろ一流オケの気が乗ってないときより厚みも力強さもあってよいように思う。
録音は所謂ロシア的な残響多めの録音だけど、風呂場のような感じではない。1999録音とあるけど、ロシアのほうではこういう録音がいい録音なのかなぁ。まぁ聴いてて不快とか嘘っぽいというほどではないけど。
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マーラー 交響曲第5番 ラトル/ベルリンフィル

2022-10-01 15:22:19 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…ラトル 
演奏…ベルリンフィル 
好み度…4.5(5点満点)

響きも演奏もスタイリッシュな印象を受ける。
重量級というよりはむしろ小気味よいというか、そんな印象すら受ける。
スタイリッシュな印象を与えながら、どろどろとはしていないが、テンポの変化も含め情の動きも結構出ている。
賛否いろいろあるようだが、うまいしよくできて音にしっかり気も込められていて、いい演奏だと思う。
録音もいいしベルリンフィルだしラトルはいろんな音を上手いこと引き出して聴かせるし、いいオケのいい響きを聴きたいときにははまるかと思う。
スタイリッシュなようで、聴くと音色、音の圧などさすがのものだし、やはりすごい演奏と思う。
アダージェットも単体で聴くとテンポ速めのあっさりに聴こえるが通して聴く中ではくどくない美しさを感じさせ、フィナーレは結構気持ちよく歌い上げている。
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