好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第1番 シュタイン/バンベルク響

2016-06-22 22:46:01 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…シュタイン
演奏…バンベルク響
好み度…4(5点満点)

渋い。特別上手いわけではないんだろうけど、
どこか古風な雰囲気の響きをもつバンベルク響と古風実直な印象のあるシュタインの組み合わせで、
古風で地味だけど、渋い美しさをもった演奏となっている。
テンポはかなりゆっくり。聴きようによってはちょっともたつき感を感じるようなところもないではなく、
どこを劇的にやるわけでも特に目新しい響かせ方をやっているわけでもない。
圧倒的な推進力や上手いアンサンブルなどで迫るわけでもなければ、低音やホルンもよく響いているが特別に凄みを効かせているわけでもない。
やや力感不足は感じられ、華やかさとか派手とかとは対極のような演奏だけど、
ゆっくりだけど冗長にならず、しっかりこの曲らしく音も重ねられ、
音も華やかじゃないけど古風な温もりが感じれらて、
スタイリッシュじゃ出せないこの曲ならではの渋さ美しさも感じられ、
完成度を競うかのような演奏をいくつか聴いていると、こんなブラ1を聴きたくなる、
そんな捨て難い味わいを持った演奏のような気がする。
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チャイコフスキー 交響曲第4番 プレトニョフ/ロシア・ナショナル管

2016-06-22 22:43:39 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー 
交響曲第4番 

指揮…プレトニョフ
演奏…ロシア・ナショナル管
好み度…3.5(5点満点)

同じコンビによる2度目の録音のほう。
全体的にどのパートもうまく、アンサンブルもバランスよくしっかりまとめられていてケチのつけどころも特にないが、
何か思い切りのよさが感じられないというか、この演奏ならではのよさというか、が特に感じられない、といった印象。
録音のせいもあるかもしれないが、響きが大がかりな割には活力を感じないというか、どこかくすんだ雰囲気というか、何か抜け切らないものを感じる。
第1楽章の最後をめいっぱいひっぱってやってくれているのが個人的には好印象なくらいか。
終楽章も最初の録音より大きめに鳴らしてはいるが、お祭り気分も力感も特に感じられるほどではない。
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ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 スクロヴァチェフスキ/ザールブリュッケン放送響

2016-06-22 22:39:38 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン 
交響曲第5番「運命」 

指揮…スクロヴァチェフスキ
演奏…ザールブリュッケン放送響
好み度…3.5(5点満点)

重厚とかドラマチック性はむしろ排して、音にしても弦の弾きかたにしても小編成っぽい響きや処理や雰囲気が加味されたような、やや軽妙に、歯切れよく、すっきりと様々な音を聴かせる運命である。
一音一音、響き・アンサンブルは丁寧に表現されているが、骨太な響きだったり流れだったり、というものは感じられず、個人的にはあまり好みの運命ではない。
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ブラームス 交響曲第1番 バルビローリ/ウィーンフィル

2016-06-12 00:26:17 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…バルビローリ
演奏…ウィーンフィル
好み度…5(5点満点)

緊張感とか厳しさとか燃焼間とかで聴かせるタイプではないが、バルビのゆったり情感豊かな展開とウィーンフィルの独特の厚い響きがこの盤にしかない雰囲気をつくってこの曲の重厚感と叙情性を聴かせている。
全編低弦もしっかり効いて、終楽章の有名な主題の情感などなかなかのものと思う。
その終楽章は激しさを求めてテンポを速めるのでなくむしろよりゆったりとおおらかに歌い、終楽章にきて凡庸になってしまう演奏も見受けられる中、豊かで叙情性に富み印象深い。フィナーレの凱歌を思いっきり引っ張ってくれているのも個人的には大変心地よい。
どちらかといえば弦の厚みが印象的だが、金管も効かせどころではしっかりした力強さと音色で響かせ、全体的にはほの暗さというよりは、ウィーンフィルの豊かな厚みを感じながら、どこかよい意味で鈍重で明るく優しさを湛えた響き。
デジタルリマスター盤もあるが、リマスター盤では、緊張感は増しているような感はあるがこの演奏の優しく情感ある厚い響きが損なわれているような印象を受け、リマスターでない盤を推す。心地よい重量感と叙情味に満ちた名盤の域と思う。
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ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 ベーム/ウィーンフィル

2016-06-12 00:18:22 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン 
交響曲第5番「運命」 

指揮…ベーム
演奏…ウィーンフィル
好み度…4(5点満点)
(1970セッション)

残響も多めに、ゆったりと、虚飾のない落ち着き払った音が展開されていく。
推進力や活力に欠ける印象はあるかもしれないが、崇高な雰囲気もほのかに感じさせるこの盤にしかない雰囲気ももった良演とは思う。
全体的に美しく柔らかい厚みを持った印象の音で、この曲のもつ激しさや劇的な一面、あるいは活力を感じたいならば他の盤、ということになろうかと思う。
特に何を主張するというよりは、一切の奇をてらう処理を排し、ゆっくり王道を進もうとしているかのような、ベームらしい演奏のように思う。
ただ、それがこのコンビが時折聴かせる風格にまで昇華されているかといえば、どうかな、というような気もして、退屈といえばそうかもしれない。
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チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 中村紘子/スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立響

2016-06-12 00:10:59 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー 
ピアノ協奏曲第1番 

ピアノ…中村紘子
指揮…スヴェトラーノフ
演奏…ソヴィエト国立響
好み度…3(5点満点)

ピアノは独自の表現付けもあって、特に可もなく不可もなく。
ただ、何でかスヴェトラと私の好みは相性合わず、全体的に何となく芝居っ気を感じる演奏との印象。
スヴェトラの演奏は、大きな音で重く、豪快な金管の響きがあったり他の演奏では表に出てこないパートがときに大きく出てきたり、好みが合う人には他に得がたい指揮者ということになるのだろうけど、私にはどうもひたすらに大きな音で重く+主張しすぎな金管、という印象があって、この演奏でも豪快に赴くままに表面を撫でた、といった印象が感じられてしまい、合いませんでした。
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ブラームス 交響曲第1番 小澤/ボストン響

2016-06-05 21:08:18 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…小澤
演奏…ボストン響
好み度…4(5点満点)

渋さとか重厚さとか、彫りの深さとか、あるいはたっぷりの思い入れとか、を感じる演奏ではなく、全体的には小澤らしくバランスのとれた、ある意味明るめのさっぱりした演奏のように思う。
ただ、その響きにはさすがと思わせるしっかりした厚みがあり、若々しく明快で歯切れのよい活力と推進力を感じる。
また、終楽章前半のホルンによる主題のソロは雰囲気あるし、まさに凱歌の感のある堂々たるフィナーレ、あるいは瑞々しくも美しい第2楽章など聴かせどころもあって、歯切れよくも美しく厚みのある響きとともになかなかの魅力をもった盤だと思う。
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ブラームス 交響曲第2番 バルビローリ/バイエルン放送響

2016-06-05 21:04:51 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…バルビローリ
演奏…バイエルン放送響
好み度…4.5(5点満点)

バルビの温かみのある重量感とバイエルンの清清しさがよい形で一緒になった名演と思う。
同じバルビのブラ2でも、ウィーンフィル盤(ウィーンフィル盤はスタジオ録音、バイエルン盤はライブ)と比べると、重量感や骨太感、完成度などは若干ウィーンフィル盤のほうに分があるようにも感じるが、この楽団のもつ透明感ある響きによるのだろうか、バイエルン盤には風に吹かれて遠くを見るような、郷愁に似た、飾らない情感を感じ、素朴な清らかさと、広がるようなスケール感を感じる。
バルビの指揮はウィーンフィル盤のときより、例えば第1楽章の弦と木管による主題の部分や第2楽章などで情感の表現を増していているように思えるし、バイエルン放送響の響きはときに神々しいまでの響きとこの楽団ならではの清らかな情感を感じさせてこの盤ならではの雰囲気を濃く持っている。
終楽章では力強い明るさやホルンの思い切りのよい響きも印象的であり、全体として清清しくもスケール感と情感に満ちた演奏となっている。
フィナーレのトランペットは入り損ねたのかなぁ、個人的にはちょっと残念な感はあるが、同じ指揮者ではありながらVPO盤とはちがった趣の、名演と思う。
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ブラームス 交響曲第4番 チェリビダッケ/ミュンヘンフィル

2016-06-05 21:01:58 | ブラームス 交響曲第4番
ブラームス 
交響曲第4番 

指揮…チェリビダッケ
演奏…ミュンヘンフィル
好み度…5(5点満点)

このコンビはここでもやはりこのコンビらしい。
細部まで気を配った乱れぬアンサンブルや、美しい弦と木管、ときに少し意表を突くような鋭い響きの金管。深く美しいブラームスである。
第1楽章はゆっくりしたテンポで、透明感と深みを併せ持った独特の雰囲気を持ち美しい。
繊細な哀愁というか寂寞感のようなものも漂わせているような印象を受ける。
そして叙情楽章である第2楽章はこのコンビでしかできないような宗教的とも感じられる響きが何とも美しい。
チャイ5の第2楽章冒頭、新世界の第2楽章中盤…このコンビは聴きなれたはずの箇所でそれまで感じることがなかった深く厳かな響きを浮かび上がらせる。
騒ぎ過ぎない第3楽章も趣がありこの演奏に合っていて、終楽章も遅めのテンポでたっぷりの、ときに悲壮感にも似た叙情性も漂わせ、繊細で深く密度の濃いものである。
第1、第2楽章でも感じられるが、静寂を意識させることで各楽器の美しさを引き立たせるというか、そんな美しさも感じられる。
ブラームスらしい重量感とか渋さとか云々というより、チェリらしい、情念をも感じさせるような美しさがよく出た、この盤にしかない魅力を湛えた名盤だと思う。
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ブラームス 交響曲第1番 アンセルメ/スイス・ロマンド管

2016-06-04 09:18:58 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…アンセルメ
演奏…スイス・ロマンド管
好み度…4.5(5点満点)

重くのしかかるような、あるいは重厚なうねるようなブラームスではない。スケール感を感じるといったタイプでもない。
どちらかといえば歯切れよく垢抜けたようで、しかし低弦もがっちり効いたその響きは管も弦も十分に鳴って厚くしっかり充実して、その歯切れのよさはほどよい推進力となってちょっと新鮮な感を受ける演奏と思う。
第1楽章は歯切れのよい弦の力感と金管は少し野性味も感じさせて、どこかブラームスっぽくないようで、その充実した響きと推進力が印象的。速めのテンポもあってあっという間の感さえ受ける。
第2楽章はやや明るめの、各楽器の明確な響きでの厚い重なりは美しく、第3楽章の明るく優しい表情も好感。
終楽章はオケ一丸となったような力強い響きが印象的。堂々と雰囲気あるソロに始まり、その後も響きは厚く力感十分にてただし尖らず、フィナーレも力感十分堂々としたものとなっている。特にこの終楽章が堂々溌剌としていてよいように思う。
このコンビがこんなに堂々としたブラームスを演じているとは思わなかったが、歯切れよさと力感に満ちた響きを併せ持った厚いながらも爽快さを感じさせる、これは名演ですよ。
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