好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 シノーポリ/シュターツカペレドレスデン/ドレスデン国立歌劇場合唱団 他

2017-07-30 10:31:21 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…シノーポリ
演奏…シュターツカペレドレスデン
合唱…ドレスデン国立歌劇場合唱団 他

好み度…4(5点満点)

残響が少ない録音で、ちょっと尖った感も受けるやや硬めの響き。
そのせいかあまりスケール感とか奥行きとかは感じられないが、第1楽章、第2楽章を通してキビキビした硬派な力感はそれなりに感じられる。
第3楽章はこのオケらしい美しさがうかがえる。
終楽章は改めて空気が凛と締まるような感があって、合唱団も力があり、演奏が俄かに、少しずつ熱を帯びていく。
歓喜の歌も含め合唱は力強く美しく、また、合唱だけにならずにオケの音も結構しっかり響いて合唱と力強い調和を響かせている。独唱の大きさが控えめなのも個人的には好感。
感動とか敬虔とか、この曲の大きさや理を超えた力とか、そういうものは感じられず、特に深い感銘を受けるということもないが、味気ないというわけではなく、合唱とオケがしっかり鳴った交響曲として聴ける演奏のように思う。
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ブラームス 交響曲第2番 ギーレン/南西ドイツ放送響

2017-07-30 10:26:45 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…ギーレン
演奏…南西ドイツ放送響
好み度…4.5(5点満点)

どちらかといえば現代風の音といおうか、情緒豊かとかそういう響きではない。
クリアで、その厚みは熱さや重量感を感じるような響きではないが、ただ綺麗なだけの録音とはちがい、繊細さとときに強さを伴う美しい響き。
第1楽章では繊細な音の重なりはときに情感も感じさせて標準以上に美しい。
第2楽章では小さいが厳かな雰囲気漂う教会を連想させるような美しさも感じる。
どちらかといえば第3楽章まではクールな印象だが、第4楽章では解き放たれたかのように、力感に満ちた響きとなる。ティンパニの響きが随所で印象的で、フィナーレは追い込みからティンパニも金管も弦もいっしょになって爽快・豪快。
クールで鋭利だが情も熱さも知っている、そんな印象を受ける盤であり、こんなブラームスも悪くない。
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ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 アーロノヴィチ/ヴァーシャーリ/ロンドン響

2017-07-30 10:18:20 | ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番
ラフマニノフ 
ピアノ協奏曲第3番 

ピアノ…アーロノヴィチ
指揮…ヴァーシャーリ
演奏…ロンドン響
好み度…4(5点満点)

ピアノは録音のせいか、ややクリアに抜け切らない感も感じるが、情感と温もりが随所に感じられ、大カデンツァの迫力は見せ所、の感があり、最後の低音の迫力ははちょっと聴かれない類。オケの響きも濃く、第1楽章は秀逸の域かと思う。終楽章はピアノもオケも第1楽章に聴かれた特有の情感濃い雰囲気がやや薄れた感もあり、フィナーレもこの演奏の〆としてはもう少し雄大さと強さがほしいようにも感じる。
全体的にはいろんな意味で抜け切らない感もあるが大カデンツァの迫力や飾り気のない力感や情感が好印象な盤かと思う。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 マルケヴィチ/コンセール・ラムルー管/カールスルーエ・オラトリオ合唱団 他

2017-07-15 12:56:32 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…マルケヴィチ
演奏…コンセール・ラムルー管
合唱…カールスルーエ・オラトリオ合唱団 他
好み度…3.5(5点満点)

アンサンブルや響きの質は、オケも合唱もちょっと表層的であり、ややこなれきっていないというか、ちょっと雑味を感じるところがある。
それが独特の活力などに転化されていればそれはそれでよいのだが、この演奏ではそういった感じまではいっておらず、どこか落ち着かない感を受け、それなりに力強く鳴っているが、特別な力感や敬虔な雰囲気は感じられず、せっかくの第九ではあるが、感銘を受けるに至っていないように感じる。
録音は特別悪いことはないが、艶というよりは少し金属質な響きも感じられ、木管の音に柔らかい艶がないのはこの曲の場合結構全体の雰囲気に影響を与えるのだな、とある意味この盤で発見する思いである。 
そんなに完成度は高くなくても、野性的で開放的な活力とかスケール感とか、を聴けるかな、とも思ったが、ちょっとまとまりきらず抜けきらず、そんな感の盤かな。
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チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 バルビローリ/ハレ管

2017-07-15 12:54:32 | チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー 
交響曲第6番「悲愴」 

指揮…バルビローリ
演奏…ハレ管
好み度…3.5(5点満点)

ブラ2での重量感だったりおおらかなスケール感だったり、あるいは情感だったりを聴いて、悲愴は合うんじゃないかと結構期待して聴いた盤だったけど、力感、情感とも期待したものはなく、悪くはないけどちょっと昔のストレートな悲愴といった感でした。
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ブラームス 交響曲第4番 小澤/サイトウキネンオーケストラ

2017-07-15 12:51:10 | ブラームス 交響曲第4番
ブラームス 
交響曲第4番 

指揮…小澤
演奏…サイトウキネンオーケストラ
好み度…4(5点満点)

美しく整ったアンサンブルと、重過ぎず軽すぎずの力感の、美しく洗練された、よくできた演奏。
聴き手に訴えたり迫ったりするようなものは特に感じないが、響きの美しさと完成度もここまでくれば魅かれるものがある。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 アンゲロフ/スロヴァキア放送響

2017-07-10 20:51:44 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」 

指揮…アンゲロフ
演奏…スロヴァキア放送響
好み度…4(5点満点)

録音も美しく、ちょっと新鮮味と洗練さも感じさせる演奏のように思う。
どちらかといえば金管が強めの響きで、ちょっと聞かないオケだけに逆に期待した特有の響きのようなものはあまり感じられず、普通に美しい響き。
旋律は結構情も込めた謳いまわしで、第2楽章の主題は歌を聴くようだし、終楽章冒頭の主題もちょっとカッコよかったりするが、全体的にはやや表層的な感も受け、特に感銘深い印象は受けないかな。

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チャイコフスキー 交響曲第5番 ムーティー/フィラデルフィア管

2017-07-10 20:38:26 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番 

指揮…ムーティー
演奏…フィラデルフィア管
好み度…3.5(5点満点)

どうも私にとってムーティーはあまり合わない印象があり、ときにムーティー評として「イタリア人らしく旋律をうたう」といった表現をみかけるが、この演奏でも、どうも私にはゆっくりなだけで特に謳っているようには聴こえないし、柔らかい音というよりは覇気のない音のように聴こえるし、特に独特の響きを聞かせるわけでもないし、といった具合。この演奏はほんのちょっと聴いただけど、全体的な雰囲気としてはそんな印象の演奏だったように思う。
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ブラームス 交響曲第2番 サヴァリッシュ/ロンドンフィル

2017-07-10 20:34:34 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…サヴァリッシュ
演奏…ロンドンフィル
好み度…4.5(5点満点)

サヴァリッシュはここでもびっくりするようなことは何一つしていないし、強い主張を感じることもないが、そのまじめさと優しさは、ゆったりしたテンポと相まって、優しくしっとりとした深みと叙情性となって、力感に欠けるといえばそうかもしれないが、穏やかながら底の深みを感じる美しい演奏となっている。
フィナーレはそれまでの演奏からはちょっと趣を異にするくらいの力感を以って〆るが、全体的には自然な丁寧さで優しく穏やかな厚みと爽やかな叙情性を湛えた、ゆったりとした良質の柔らかさに包まれるような、優れた演奏のように思う。
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チャイコフスキー 交響曲第4番 フィッシャー/ブダペスト祝祭管

2017-07-01 11:57:55 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー 
交響曲第4番 

指揮…フィッシャー
演奏…ブダペスト祝祭管
好み度…5(5点満点)
(2003 ライブ盤)

むつかしいことは抜きに、ストレートにしっかり音をつくってこの曲の強さ明るさ解放感と情感を出して爽快。
弦も低弦も金管も木管も力強く表現力豊かに一丸となってよく鳴って、この曲独特の雰囲気をよく出して、一音一音に装飾気のない活き活きとした生命力にも似た表現を与え、オーバーな演出はないが快活にこの曲のよさを大変よく感じることのできる演奏と思う。
弱音部でもそれほど音を絞らずそれなりに力と表現をつけているところも活力が途切れない印象に一役買っているのかもしれない。
完成度もかなり高いように思うが、演奏するほうも聴くほうも、それよりは血の通ったかのような活力と情感を楽しめるような、爽快なチャイ4。かつ、第2楽章のような叙情楽章も表現豊かに独特の雰囲気をつくってなかなか秀逸。
終楽章はますます明るさと活力に満ち、いろんんなチャイ4があるけど、ストレートな活力と情感と、この曲は何だかだ言ってこういう演奏がいちばんこの曲らしいよさを感じられるかな、と思わせる、張りと活力と情感に溢れた、名演と思う。
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