好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス ピアノ協奏曲第1番 ブレンデル/アバド/ベルリンフィル

2021-03-20 16:27:54 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…ブレンデル 
指揮…アバド 
演奏…ベルリンフィル
好み度…4(5点満点)

厚みと上手さと完成度と、申し分ないといえば申し分ないけど、まぁこの組み合わせならこうう演奏かな、という想定どおりといえばどおりの、変な言い方だが外れ感もなければ当たり感もない、といったような。
むしろオケは結構厚く明るい重みをもってしっかり鳴っていいな、と思わせるところがあるが、ピアノが、これも好みだろうけど、どうもあっさりしているというか余裕ありすぎといか、まぁブレンデルらしいといえばらしいのか、私の心には響くものが感じられなかったというところかな。
世では名盤のなかまに入っているようだし、それはそれで頷けもするけど、例えば同じブレンデルならイッセルとの盤のほうが私には断然いい(イッセルとアバドの比較でなくブレンデルのピアノという意味で)。

ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 ラトル/ウィーンフィル

2021-03-20 16:25:03 | ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」
ベートーヴェン
交響曲第6番「田園」

指揮…ラトル 
演奏…ウィーンフィル
好み度…5(5点満点)

清清しく繊細。小編成的な響きで交響曲というにはあまりに静かな感さえあるが、美しい。
特に田園の温かみや明るさなどが感じられるのでもないが、静かに、しかし細やかな表現を見せながら、ガラス細工のような透明感ある響きが、繊細なアンサンブルが、美しい。
この曲をこの音色でやられたらそりゃ美しいよね、っていうか。
しかしこの清清しく精緻で一糸の乱れもない演奏がライブとはね、ウィーンフィルってやっぱりうまいし、ラトルって巨匠然とはしていないけど、やっぱりすごいんだな、とも思う。
特に終楽章の各楽器の美しさ、それらが繊細に重なるアンサンブルの美しさ、そこから生まれる賛歌に似た静かな明るさを帯びた美しさはちょっと他にない。特に終楽章でのそれは、静かなんだろうけど、押し寄せるように、ジンとした静かな感動を誘うような感さえある。

ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 ケーゲル/ライプツィヒ放送響

2021-03-20 16:21:44 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン 
交響曲第3番「英雄」

指揮…ケーゲル 
演奏…ライプツィヒ放送響 
好み度…5(5点満点)

太い。そして、ゆっくりやっているわけではないがほのかに大きい。
金管とか何となく危なっかしいし(ただそれは前半だけかな。後半はむしろいい雰囲気を醸している)、完成度を褒めるような演奏ではないし、絹のような艶が響きにあるわけでもないけれど、不器用ではあるかもしれないが実直で力の込もった熱を感じるようで、いい。
木管がいい感じでおおらかにからんだり弦にせよ金管にせよ低い音がどっしり響いていたり、ティンパニも結構重く力強かったり、全体でときに厚く深みのある響きをつくったり、聴かせどころでは濃い情感と熱い重みが迫るような感を受けたり、武骨ではあるがこのコンビならでは雰囲気をつくって、ケーゲルならでは感銘が感じられる名演のように思う。
今風の演奏とは対極にあるような、ざらついているが、熱を帯びて鈍く光る重金属のような、実直で太く熱い、ケーゲルらしさを求めて裏切られない盤と思う。