好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第1番 ロヴィツキ/ワルシャワフィル

2018-04-22 22:58:54 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…ロヴィツキ
演奏…ワルシャワフィル
好み度…4(5点満点)

第1楽章は、特に弦の、野性味にも似た活力が一種迫力となって迫るような、引き締まった熱気に満ちた響きが強く印象的。音の強弱、刻む音と伸ばす音、決める音、細かなテンポの動き、等、どれも素直な活力があって嫌味がない。
第2楽章では独特の謳いまわしもあるが、弦の重なりは厚く潔く、その思い切りのよさはこの演奏らしくて好感。
終楽章は中盤以降やや速めの印象を受け、弦の迫力は第1楽章ほどには感じない。活力は健在といえば健在だが、奥行きに欠ける感があり、弦による主題提示での弦の厚さなどは印象的ではあるが、フィナーレもゆっくりではあるがちょっと力を抜いたような感じで堂々感に欠けるところもあり、楽章全体でやや単調・平易な印象も受け、感銘度はそれまでに比べ薄らぐ感はある。
「名盤」等といった貫禄を感じる類ではないが、特に第1楽章の個性の強い天真爛漫な活力は秀逸で心地よく、結構独特なこの盤にしかない雰囲気を持った好演と思う。
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ブラームス 交響曲第2番 ムラヴィンスキー/レニングラードフィル

2018-04-22 22:55:41 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…ムラヴィンスキー
演奏…レニングラードフィル
好み度…3.5(5点満点)

冒頭からの3分半くらい(最初の弦と木管の主題提示が終わるあたりまで)は別世界のように美しい。再度の弦と続く木管による主題提示部分も美しいし、弦のかけあいの部分は弦の輝くような強さも加わって美しく、かと思うと強奏部では金管も力強くこのコンビらしい鋭さと迫力を感じる響きで、ムラヴィンのレンジを大きく使った表現もここでははまって特有の雰囲気をつくり、総じて第1楽章は秀逸。
ただ、第2楽章以降は第2楽章も思ったほどレンジの幅を大きく使った表現や弦の力強さは感じられず、終楽章も音はそれなりに出ているように思うが、思ったほどの迫力とか厳しさとかは感じられず、フィナーレも音は大きいがちょっと乗り切れない感も感じる。
このコンビに期待した何かがあんまり聴かれなかったかな、という印象はある。
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ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 アンセルメ/スイスロマンド管

2018-04-22 22:49:58 | ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」
ベートーヴェン 
交響曲第6番「田園」 

指揮…アンセルメ
演奏…スイスロマンド管
好み度…5(5点満点)

重量感とかしっとり感とかはあまり伴わず、爽やかに明るい。
明るく活力ある伸びやかな弦の響きが、この曲には合って、第1楽章から低弦のしっかりした支えと木管のからみも爽やかに、透明感ある明るい雰囲気に躍動感も加えてなかなかに秀逸。
第2楽章でもそれほど音量を絞ることなく、透明感ある伸びやかな弦(高低とも)はここでも陽光豊かな風景を連想させるように心地よく、
第3楽章もおおらかに明るさいっぱいの響きであり、嵐は怒涛の大音響というわけではないが、しっかりした緊迫感を湛え、他楽章との兼ね合いではこれくらいが丁度いいのではないかとも思う。
続く終楽章は最初から結構速めのテンポで伸びやかに弦も木管もホルンも活き活きと、あふれんばかりの喜びが感じられるような活力に満ちている。
あまり有名じゃないが、これは名盤じゃないでしょうかね。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 バーンスタイン/ウィーンフィル/ウィーン国立歌劇場合唱団 他

2018-04-21 15:48:25 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…バーンスタイン
演奏…ウィーンフィル 
合唱…ウィーン国立歌劇場合唱団 他 
好み度…4(5点満点)

ウィーンフィルはうまく、第3楽章での弦などやはりならではと思わせる美しさを聴かせているし、第1楽章等は力感やメリハリのある響きが好みならば後のバイエルン盤よりもよしとする向きもあるかと思うが、特別すごいときのウィーンフィルという域までは感じず、終楽章の心を揺さぶるような感銘度では大きくバイエルン盤に分があると思う。1つには個人的な好みとしてウィーン国立歌劇場合唱団の響きがこの曲においては私の好みとあっていないような気がする。声を震わせるようにしてめいっぱいに歌い上げるまさに力強い合唱は、広がりのある透明感とか清清しさとかとはちょっと違っていて、オペラにはいい方向に出るのかもしれないが、この曲には合っていないような気がする。バーンスタインの処理も含め、歓喜の歌の後の静かな合唱の部分などバイエルン盤での感動的な響きにはかなり及ばない(まぁ、あの盤のあの部分と比べるのも酷かもしれないが)。
同じバーンスタインということでバイエルン盤と比べてしまったが、そういうことなしに聴けば上等に位置づけられる演奏とは思う。
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チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 マズア/ライプツィヒゲヴァントハウス管

2018-04-21 15:42:08 | チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー 
交響曲第6番「悲愴」 

指揮…マズア
演奏…ライプツィヒゲヴァントハウス管
好み度…3.5(5点満点)

4番同様、オケの響きはここでも艶があって美しい。うまいしアンサンブルもしっかりして楽器のバランスもよくとれて過不足なし、弦も管もティンパニも、響いてほしい楽器はしっかり響いている。演奏水準としては大変高いと思う。録音も美しい。けど、これまた4番同様、何か感銘を受けるかと言われれば「うーん」という感じ。鳴ってる割には淡白ということだろうか。
響きは厚いし美しいと思うけど、相性かなぁ。
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ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 ガブリーロフ/ムーティ/フィラデルフィア管

2018-04-21 15:37:52 | ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番
ラフマニノフ 
ピアノ協奏曲第3番 

ピアノ…ガブリーロフ
指揮…ムーティ
演奏…フィラデルフィア管
好み度…5(5点満点)

ピアノはクリアで美しく、力強い。叙情部での、ゆっくりと、一音一音透き通るように打たれる音の美しさも印象的ならば、大カデンツァやフィナーレでの圧倒的な、情感を伴う強さも印象的。オケは厚く沈まず濁らずロマンを感じさせるような弦が印象的、全体としても厚く情感豊かな響きで、ピアノとオケの溶け具合もよく録音も優秀。
出だしから、ただならぬ雰囲気と響きにあっという間に引き込まれる感があり、その後もピアノとオケの美しく大きく情感豊かな響きに聴き惚れているうちに気が付くともう展開部の感があり、大カデンツァは、そこに向かうおどろおどろしいような雰囲気もよく、一級の強さに切なさを感じさせて秀逸。2楽章も厚くクリアで美しい。
終楽章はさらにピアノもオケも覇気ある力強さを加え、後半に移る前のピアノソロの叙情部の美しさも印象的。フィナーレへ向かう高揚感と、フィナーレの力強さとスケール感はピアノ、オケとも圧倒的、劇的ですらある。
ピアノ、オケとも、美しさ、情感、力強さ、スケール感、これらのどれもが高い次元で表現された、大げさかもしれないが感動ものの演奏と思う。
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