好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 マゼール/クリーヴランド管/クリーヴランドオーケストラコーラス 他

2019-09-16 12:20:00 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…マゼール 
演奏…クリーヴランド管 
合唱…クリーヴランドオーケストラコーラス 他 
好み度…3.5(5点満点)

クリーヴランド管とマゼールというのはあんまり相性はよくなかったのだろうか。「これは」と思う盤に当たらない。
まずい演奏もないのだが、マゼールならではのおもしろさが感じられることもあまりないし、響きはうまいし音もしっかり出ているんだけど重みとか深みとかはあまり感じられないし、では洒脱なアンサンブルや艶があるかといえばそうでもなく、それなりのメリハリはあっても覇気があまり感じられないような。
もともと情や熱を込めるタイプではないとはいえ、この演奏ではちょっと軽い印象と「それで?」といったちょっと宙ぶらりんな印象をどこかで感じる。
重くならず機能的で均整のとれた力感で美しいといえば美しく、新鮮といえば新鮮ではあるが、ある意味、重さも情も敬虔も排除した第九を聴かせるのがマゼールの第九なのだろうか。
独唱がやけに元気よく謳うのはマゼールの意向だろうか。合唱も明るさと威勢を誇張した謳い方のように聞こえるが、声楽はともにちょっとつくりもののような無理があるように感じる。
管弦楽部分の、音は大きく機能的で美しいが深みも熱も感じさせない不思議な響きと、声楽が加わっての無理な明るさと元気のよさが印象として残る。
あるいは荘厳、敬虔、といった「第九」のイメージが頭にありすぎて、それとは違うマゼールの表現を素直に聴けないだけなのか…。

ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 デイヴィス/BBC響

2019-09-16 12:12:06 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン 
交響曲第5番「運命」

指揮…デイヴィス 
演奏…BBC響 
好み度…5(5点満点)

PentaTone盤。
最初に聴いて(通常のPHILIPS盤と聴き比べて)、同じ録音なのにこうも変わるものかとちょっと驚いた。
元の盤も悪い録音とは少しも思わなかったが、比べると音のざらつきのようなものがなくなり、奥行きと艶、空間感のようなものが加わった感じ。
で、次には元の盤でなかった第1楽章の反復がこちらではあるのにまた驚いた。コピペとかしちゃうんだろうか?あるいは元の盤でカットしていたのだろうか。コピペならそんなことはしてほしくなかった気もしつつ、それは置いておけば、リマスターは大成功と思われ、全体として少し崇高な雰囲気が加わったように感じられ、もともと大変よい演奏がより優れた音質を得て、数ある運命の中で、いよいよ名盤となった感がある。

ブラームス 交響曲第1番 テンシュテット/シュツットガルト放送響

2019-09-16 12:08:13 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番

指揮…テンシュテット 
演奏…シュツットガルト放送響
好み度…4.5(5点満点)

完成度は後のNDR盤等と比べると、表現は悪いが青くさいようなところもあるし、深みみたいな点でもかなわないところだが、響きには熱気と漲るエネルギー感のようなものが感じられ、重厚感は特に感じないのだが、緊張感と覇気が強く感じられる、ある意味テンシュテットらしいよい演奏と思う。
この盤に限らずテンシュテットのブラ1はテンポなどはむしろオーソドックスなのだが、凡庸にならずにこんなに力を感じるのはなぜなのだろう、とも改めて思う。
終楽章も力感と覇気が衰えることはない。ネットでは「録音で損をしている」みたいな記述もみかけたが、別に悪くない。低音が少し遠く高い音に偏った印象は受け、残響もやや多目かもしれないが、こもらずむしろライブの空間を感じさせるような雰囲気もあって問題なし。
うまいとか堂々とか完成度とかじゃなく、エネルギー感が印象深い、感銘深い盤と思う。