好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 ヨッフム/ロンドン響&合唱団

2017-09-30 19:55:30 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」  

指揮…ヨッフム
演奏…ロンドン響&合唱団 他
好み度…4(5点満点)

オケの響きは、重みの効いた響きであるようで、何か力や覇気に欠けるような印象を受ける。
そういう意図なのだろうが、あまり鳴らさない。少なくとも汗かいて熱い思いをぶつける、といった空気ではないように感じる。
それで他の雰囲気を得ているかといえばそうにも思えない。何となくヤマもないままに、緊張感とか激しさも特に感じられない少し重たげな音楽の印象。
ときにヨッフムに聴かれる野性味だったりいぶし銀のような重みは感じられない。
合唱はなかなか力強い。特別なスケール感とか敬虔な雰囲気とかは特に感じられないが、結構力感と熱気は感じられ、演奏はフィナーレ近くにしてようやく壮大な雰囲気も感じさせるが、いかんせんフィナーレでようやく、といったところ。
全体に悪い演奏とは思わないし、名盤の声もあろうが、個人的にはヨッフムならではというものも、特別に魅かれるものも特に感じず、ゆったり重めの良演、ただ、1時間が長く感じられるかな、といったところだろうか。
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ブラームス 交響曲第2番 ドホナーニ/フィルハーモニア管

2017-09-30 19:52:29 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…ドホナーニ
演奏…フィルハーモニア管
好み度…3.5(5点満点)

クリーブランド管との演奏にあった溌剌とした活力あるいは瑞々しさや躍動感はこの演奏にはない。
フィルハーモニア管の響きも期待した明るい厚みのあるものが感じられない。
地味といえば大変地味な印象だし、第1楽章は少しくすんだような響きでゆっくりめのテンポにさらに反復もやるもので、聴き方によってはまどろっこしい感はあるかもしれない。
ただ、聴きようによっては、その落ち着き過ぎのように聴こえる響きは枯れた渋みのようでもあり、渋い抑制された情感を漂わせているように感じられるかもしれない。
明るさも活力も感じないが、こんな枯れた渋いブラ2も悪くないか、と思うときもあるかもしれない。
フィナーレは結構力強く〆て、拍手も盛大。
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ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 ブルゴス/ロンドン響

2017-09-30 19:49:53 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン 
交響曲第5番「運命」 

指揮…ブルゴス
演奏…ロンドン響
好み度…3.5(5点満点)

テンポの運びも響きも至って中庸。響きは録音の関係かとは思うがやや重みを欠く。
重み、緊張感、艶、特有の雰囲気、等など、いろんな面がそれぞれ今ひとつ、といったような印象もあるが、終楽章は力感を加えて素朴に堂々としたものも感じられ、アンサンブルも我流を出すのでなくスコアのよさをしっかり引き出してくれている感があって好ましいし、全編、変にいじっているところもなく、響いてほしい音もそれなりに響いて、決して悪くはなく良演とは思う。
例えば教室で、生徒に何の好みも押し付けることなく良質の運命を紹介したければこの演奏はよいのではないだろうか、といった印象。
リマスターした、響きに勢いを増した盤もあるが、ちょっと空洞感のある音になっていて、元の盤のほうが大人しい録音ではあるが、どちらかといえばいいように思う。
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サン=サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」 エザンベール/プラッソン/トゥールーズ・カピトール国立管

2017-09-18 18:00:28 | サン=サーンス
サン=サーンス 
交響曲第3番「オルガン付き」 

オルガン…エザンベール
指揮…プラッソン 
演奏…トゥールーズ・カピトール国立管
好み度…5(5点満点)

美しく豊かな残響に絢爛な響き、小手先の華美でなく、美しく強く伸びやかに、特に騒ぎ立てないが第1楽章でも盛り上げるところは豪快にしっかり盛り上げて、フランス音楽らしい明るい妖艶さと絢爛さも感じさせて見事。
第2楽章は奥行きのある弦がこれまた美しく、オルガンも美しくちゃんと聴こえて、何とも美しい。
終楽章はオルガンの音色にほんの少し濁りのようなものが感じられる気もしないではないが、そのオルガンも含めて全ての楽器が伸びやかな力強さを持って美しい残響を伴ってスケール感も感じさせながら気持ちよく響きわたり、最後まで急ぐことなく旋律ものびやかに謳われ、〆への追い込みは華やかな熱も帯びて、全編この曲らしくこの曲を満喫する思いである。あまり聞かない指揮者と楽団だったが、好みの演奏はどこにあるかわからない、と思わせる、これは聴いてよかった、の名盤。
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ブラームス 交響曲第1番 ヤンソンス/バイエルン放送響

2017-09-18 17:54:41 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…ヤンソンス
演奏…バイエルン放送響
好み度…4(5点満点)

厚く美しい上質の演奏とは思うが、重厚感とか凄みとかはなく、どこか遠くで響いているような、ちょっと重たげで眠たげな感を受ける。
2番で聴かせた活力はこの演奏では感じられないように思う。厚くそつなく悪くないけれど、凄みも力感も渋みも感じられず、ある意味ヤンソンスらしい。
第2楽章ではバイエルンならではの響きがあるかとも思ったが期待したほどでもない。
綺麗だけど、結局何も届いてこないような、何かモヤッとしたままの、どこに向かっても抜け切れなかった、そんな印象が残る。
ただ、終楽章の弦による主題は独特の優しい情感が美しく濃く漂って好感。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 アバド/ベルリンフィル/スウェーデン放送合唱団 他 

2017-09-17 18:31:01 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…アバド
演奏…ベルリンフィル
合唱…スウェーデン放送合唱団 他 
好み度…4(5点満点)

ベルリンフィルとの最初の録音のほう。
ネットでの評など見ると結構散々な言われような気もするが、悪い演奏とは思わない。
響きは冒頭の強奏から覇気ある響きだし、その後もベルリンフィルらしい濁らず厚い響きでいろんな音がバランスよくしっかりまとまってよく鳴っているし、合唱も明るめの透明感も感じさせる美しさをまとって不足はない。
欲を言えば、第2楽章はちょっとどっちつかずのもやっとした印象も受け、第3楽章も悪くはないが深みや敬虔な雰囲気を感じるということもないかな、という感もあるし、終楽章もここぞというところでちょっとあっさりしている印象もなくはない。
概して、演奏として過不足なく美しく厚く上質だが、深みとか熱い共感とか感動的なものとかあるいは敬虔な雰囲気とか、何か「それ以上」のものがもう少し…、といったところなのかな。よくできた演奏だと思う。
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ブラームス 交響曲第2番 ラインスドルフ/ボストン響

2017-09-17 18:25:16 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…ラインスドルフ
演奏…ボストン響
好み度…4.5(5点満点)

少し古風で厚く骨太で快活な響きが心地よい。
内声も厚く思い切りよく重なり合う。
その響きはときに分厚い推進力となり、ときに叙情性を漂わせ、小細工なし、ストレートで開放感ある、おおらかな温かみも感じさせるブラ2になっている。
第1楽章では内声も豊かにストレートな明るい骨太さをもった響きや、随所で聴かれる分厚い推進力、ときに濃く漂う情感等印象深く、第2、第3楽章では特に速さを落としてはいないが、ときに深みを感じさせる厚い弦の重なりは心地よく、終楽章での、各楽器が十分な厚みをもった上でのこれらの重なりは力感十分であり快活であり色彩豊かであり、フィナーレも特に慌てず力強く色彩豊かに〆ている。
変わったことは何もしていないが、古きよき~なんて言葉が思い浮かぶような、ほのかに熱も感じる、真っ直ぐな、好盤である。
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ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 テンシュテット/ロンドンフィル

2017-09-17 18:22:14 | ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」
ベートーヴェン 
交響曲第6番「田園」 

指揮…テンシュテット
演奏…ロンドンフィル
好み度…4(5点満点)

1992年ライブ。
前半2楽章と後半3楽章での音の大きさの違いはちょっと聴きにくい印象も受ける(第3楽章から俄かに大きくなる)。録音の関係だろうか。
響きは全体として明るさとか清清しさとかはあまり感じられず、といって特別な深みなどがあるかといわれればそういう感までもいかないような気もする。
聴けば落ち着いた厚みもあって凡庸とも思わないが、深いというよりはちょっと重ったるく抜け切らない感を感じるのかもしれない。
嵐の楽章のティンパニは皮が破けるのではないかと思うほどに強烈、終楽章はフルートも絡んだちょっと独特の深みも感じる。
ただそれでもちょっと抜け切らない感ともうちょっと明るさがほしい感は残るかな。
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チャイコフスキー 交響曲第5番 リットン/ボーンマス響

2017-09-09 09:18:35 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番 

指揮…リットン
演奏…ボーンマス響
好み度…3.5(5点満点)

細い響きではないけど、どちらかというと覇気や力感よりは美しさや繊細さを感じるタイプのように感じられ、悲愴では独特の美しさになっていたけれど、この5番ではちょっとピンとくるものがない印象かな。
独自のテンポの動きもあったり、整ったよい演奏だし、きちんと鳴ってはいると思うけど、特に何かを感じる盤でもないかな、といった印象でした。
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ブラームス 交響曲第2番 エッシェンバッハ/ヒューストン響

2017-09-09 09:15:55 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…エッシェンバッハ
演奏…ヒューストン響
好み度…3.5(5点満点)

ゆっくりめのテンポで(途中で速くなったりするが)独自のアクセントを加えながら丁寧につくられていて、独特の雰囲気は出しているが、ちょっと恣意的になりすぎてこの曲のもつ清清しさだったり、叙情性だったり明るさだったり、といった面がかえって感じられなくなっているような感は受ける。
第2楽章ではそれなりの雰囲気もつくっているが、ゆっくりめのテンポの上に第1楽章での反復もあったりしてやや冗長と感じられてしまうきらいもあるように感じられ、終楽章も今ひとつ力を感じられない印象を受ける。
全体的にはブラームスの骨太感や厚みなどとはちがうベクトルでありながら、ちがう何かを得るまでには至っていないといったところのような感があり、独特の雰囲気はもちながら何にもなり切れなかった、私にとってはそんな感のブラ2でした。
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