好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

チャイコフスキー 交響曲第5番 マズア/ライプツィヒゲヴァントハウス管

2023-09-09 15:02:39 | チャイコフスキー 交響曲第5番

チャイコフスキー 

交響曲第5番

指揮…マズア 

演奏…ライプツィヒゲヴァントハウス管 

好み度…4(5点満点)


何か、甘っぽく美しいチャイ5、なの、かな。
マズアは柔らかくて、悪くないけど、何か煮えきらずどっちつかずで、結局何だったんだ、みたいな印象が多くて、この盤もある意味そうなんだけど、その煮え切らないところが何となくこの曲には合っているのか、あるいは残響多めのゲヴァントハウス管の美音が有無を言わさずこの盤に一定の価値を与えてしまっているのか、この曲はいろんな顔を見せるが、力強さとか勇壮とかでなく、ゆったりとそれなりの恰幅をもって甘く美しく聴かせる、という意味では上質の演奏のように思う。交響曲というよりワルツとかバレエ音楽を聴いているような感じもある。

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チャイコフスキー 交響曲第5番 スクロヴァチェフスキ/N響

2023-07-15 23:16:23 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番

指揮…スクロヴァ 
演奏…N響
好み度…4(5点満点)

N響は、きちんとうまいけど、どこかすましたというか熱を持たないというか、そんなところを感じていまう印象がある。所謂箱庭的というか。
ただ、機能的ではあって、スクロヴァの、いろんな音をきちんと考えて整理して有機的に響かせる、そんな配慮の再現という意味では合ってるようにも思えて、いろんな音の出し入れとか緩急とか、結構楽しめるようには思う。
ただ、新鮮味をもって聴かれる内声なども及第点は十分に越えているが、全体の印象として深みも艶も大きさも今ひとつ抜け切らないものを感じるようにも思う。
良くも悪くもN響らしい盤、といった印象であり、全然悪くないけど、他のオケでも聴いてみたいな、とも思う。
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チャイコフスキー 交響曲第5番 ドゥダメル/シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ

2022-10-30 09:51:51 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番

指揮…ドゥダメル 
演奏…シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ 
好み度…4(5点満点)

若い指揮者とベネズエラの若いオケによるチャイ5。
勝手な先入観ではあるが情熱的で熱い演奏をイメージしていたが、そういう感じではなく、むしろしっかり整ったタイプで特に濃い味付けといった風もないといた印象。
オケは個の力量もオケとしてのアンサンブルにも不足感はなく、響きは、深みは感じられないが透明感のある明るい力感を感じさせ、第2楽章の中間の高揚部とか終楽章フィナーレとかでの透明感ある伸びやかな歌なんかはなかなか爽快。
若いコンビだが力任せになることなくむしろしっかり抑制もされながら、情熱的とか深みとかいうよりはしっかり整った、透明感を感じるような爽快なチャイ5のように思う。
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チャイコフスキー 交響曲第5番 インバル/都響

2022-09-04 17:40:02 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番

指揮…インバル 
演奏…都響 
好み度…5(5点満点)

華麗な響きとは異なるが一定の厚みをもってときに深みのある音色も聴かせながらちょっと独特の雰囲気を醸し、厚い力感も備えながらどちらかといえば洒脱な美しさを感じるタイプの演奏のように思う。
都響の響きはテラテラとした光沢感でなく鈍く光るような艶と落ち着いた厚みがあって十分に機能的であり、インバルの指揮はセンスを感じさせる内声の出し入れと細かなテンポの緩急で随所に独特の響きとリズム感を感じさせ、両者相まって叙情部は陰を含んだワルツの優雅さを持ち、強奏部はしっかり響きながらも尖らず重くなり過ぎず、いい塩梅のチャイ5になっている。
私には珍しく第3楽章が楽しめた。冒頭の弦から妙に美しいし、心地よく軽妙に、バレエ音楽を聴いているような感覚。
第2楽章の歌なども結構美しい。
両端楽章も虚飾も押し付けもなく充実し、全編通して、厚く、ちょっとクールに美しい多分飽きのこない盤なんだと思う。
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チャイコフスキー 交響曲第5番 若杉/ケルン放送響

2022-06-26 16:53:22 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番

指揮…若杉 
演奏…ケルン放送響 
好み度…4.5(5点満点)

不思議と、この曲のイメージとしてある虚飾めいた賑やかさや派手さを感じさせない。
ネットの評で見られるほど弦一本槍の印象はないが、それでもどちらかといえば厚い弦が主体の響きがそう感じさせるのだろうか。
派手じゃないし何かを期待して聴くと「何もなかったな」なんてことになりかねない気もするけど、先入観なしで聴くと「あれ、ゆったり重く美しく、これはいいな」といった感じかな。
しっかりした厚みと深みを感じさせる艶を帯びつつ、特に何かを誇張することのない、そんな実直さが心地よい、そんな盤なのかもしれない。
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チャイコフスキー 交響曲第5番 ユロフスキ/ロンドン響

2022-05-05 09:36:04 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番

指揮…ユロフスキ 
演奏…ロンドン響
好み度…4.5(5点満点)

大きさというよりは洗練味を感じ、ユロフスキらしいスパイスも随所で効いた、轟音になる一歩手前で控えながらセンスを感じさせる仕上がり。
音質はやや硬めながら美しく、聴かせる音に意思が感じられ、かっちりまとまってその響きには細部にまで配慮が感じられ、甘さは排して、快活に、スタイリッシュな緊張感とか、颯爽とした小気味よさや美しさ、なんかを感じる(といって非力感はない)。
ロシア的情緒というよりはむしろ明るい。スケール感とかほの暗さとか、を求めるなら選択肢に入れないほうがいいだろう。
この曲から虚飾とか力みとかを削って、案外自然で美しいものが残った、みたいな印象の演奏のように思う。
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チャイコフスキー 交響曲第5番 堤/札幌響

2022-02-20 14:07:21 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番

指揮…堤 
演奏…札幌響 
好み度…5(5点満点)

これはとんだ掘り出し物を拾った気がする。
いろんなチャイ5の盤あれど、心がサワつくような演奏はそうそうないが、これは心が動かされる。
大きくて力強く、気持ちの込もった歌があり、金管も弦も厚く力強く血の通った響きで鳴って強奏部もぐずぐずにならずかつ尖らない。
堤のつくる大きさがいいし、札幌響って、いい。
ライナーに「技術に頼り過ぎては毎回平均点はとれても満点が出ない。技術だけでは人を感動させられない」とあるが、札幌響はじめプロの人たちはもちろん高い技術をもった人たちで、その人たちがあるとき何かがはまるようにふと一丸となって熱く自分たちの満点を取りにいく空気になったときにこういう演奏が生まれるのではないかと思う。
終楽章終盤なんかは雄大といっていいくらいだし、この盤は、感動的といっていいように思う。
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チャイコフスキー 交響曲第5番 小澤/ベルリンフィル

2022-02-05 12:52:57 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番

指揮…小澤 
演奏…ベルリンフィル
好み度…4(5点満点)

小澤と言うよりベルリンフィルのチャイ5、が第一印象。
なので、分厚く、それでいて楽器間のバランス、アンサンブル、ソロの技量(第2楽章のホルンなんかもやっぱうまい)、活力、いろんなものがちゃんと整った演奏になっていると思う。
では小澤でなくてもよかったのかといえばやっぱりそうではなくて、多分小澤と言う指揮者は、表現するべきものとして自分の色とか想いとかより曲を美しく、があるから、結果として感銘とか色をあまり感じさせないが、この演奏でもチャイ5のよさ、ベルリンフィルのよさ、を引き出しているのはやっぱり小澤のように思うし、この盤では美しさにベルリンフィルの分厚さが足されて好盤になっているように思う。
ただ、響きは分厚く、フィナーレなんかもかなり大きく鳴ってるけどやっぱり不思議と熱は感じないあたりは小澤らしい。
感銘や感動を与えるといった類の演奏ではないかもしれないが、この曲のいろんなよさが聴かれると思うし、オーソドックスの中に良質の厚さと、結構特有の雰囲気も感じられて、よい盤と思う。
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チャイコフスキー 交響曲第5番 キタエンコ/ケルン・ギュルツェニヒ管

2021-07-11 17:00:28 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー
交響曲第5番

指揮…キタエンコ 
演奏…ケルン・ギュルツェニヒ管 
好み度…4.5(5点満点)

音楽に流麗な流れはなく重く朴訥である。
鈍く光る金属の塊のような重さで決して器用なチャイ5ではないが、こんな武骨で重いチャイ5も悪くない。
ほの暗さを帯びた重さは第2楽章などでもよい雰囲気となっている。
悪くない、と思いながら重く武骨な演奏を聴き進んで、そんな響きに慣れた後のフィナーレは、ゆったりと、何でだかわからないが、弦に突然何かから解放されたかのような安堵感に似た光彩を放つような美しさがまとう。あるいはこの不思議な感覚がこの盤のいちばんの魅力かもしれない。
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チャイコフスキー 交響曲第5番 ルートヴィヒ/ハンブルク国立フィル

2021-06-12 21:19:04 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番

指揮…ルートヴィヒ 
演奏…ハンブルク国立フィル
好み度…4(5点満点)

ルートヴィヒという指揮者はとても力の漲るような演奏をする。ブラ1しかり、この曲しかり。
この曲でも荒ぶるくらいに十分に熱の込もった響きだが、その分というか、テンポを速めた強奏部などでは少しアンサンブルの乱れというか追いついていないような印象も受ける。ただ、重量感と熱の感じられる響きはそれを補って余りあるものを得ているようでもあり、特にフィナーレは力強く、繊細、甘さ、感傷、そういったものはどこかに置いて、全編通しての実直で生気溢れるような重く熱い力強さは結構魅力ではある。
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