好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 ケルテス/ロンドン響

2020-07-24 14:33:46 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」

指揮…ケルテス 
演奏…ロンドン響 
好み度…4(5点満点)

ウィーン盤との比較となるが、録音はこちらのほうがよいように思う。
また、全体的にこちらのほうが力強さとメリハリが増している。
がっちりしっかりした感じもこちらのほうが感じる。
ただ、ある意味少し俗っぽくなったかな、といった印象も受ける。
聴き比べると、ちょっと聴くとウィーン盤のほうがぼんやりしているように聴こえるが、何か特有の雰囲気と密度があるように感じられ、多分ウィーン盤のほうが飽きが来ない演奏なのだと思う。ただ、どちらもしっかりした演奏で好みの問題かとも思う。
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ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 サヴァリッシュ/ロイヤルコンセルトヘボウ管

2020-07-24 14:30:57 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン 
交響曲第5番「運命」

指揮…サヴァリッシュ 
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管 
好み度…4(5点満点)

激しさとか劇的な感銘とか、は感じない。そういうものを期待して聴くと物足りないと思う。
では凡庸かというとそうではない。
柔らかく響く録音もあって印象としては柔らかさを感じつつ感銘のない演奏のようにも聞こえるが、柔らかな厚みのある響きに木管が上手に効いて、気品と風格のあるアンサンブルを以って、強さも内包しながら奇をてらわないおおらかで美しい響きを聴かせている。
力みもないが、力には余力を秘めつつ、熱さや激しさはあえて過ぎることないよう抑えているようでもあり、上質でとてもバランスのよい運命のように思う。
ときに軽く聴こえてしまう演奏や豪華に鳴っているようで何の雰囲気も感じさせない演奏ともどこかちがって、どこか気品ある風格を感じさせる運命である。
このコンビは相性がいいんだろうな、とも思う。
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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 ラトル/ウィーンフィル

2020-07-24 14:27:11 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン 
交響曲第3番「英雄」

指揮…ラトル 
演奏…ウィーンフィル
好み度…4(5点満点)

小編成風、テンポは速め。ちょっと新鮮なウィーンフィルではあるし、むしろ小編成風の雰囲気で気品とうまさをより感じるようなところもあるが、個人的な好みからはやっぱりちょっと軽いかな、という感を感じる。
とはいえ良好な録音も相まって、このうまさと綺麗な音の重なりや響きの艶、これらひっくるめての新鮮さは捨て難く、軽妙なタイプの英雄の代表として聴くこともあるかな、といったところ。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 ザンデルリンク/ベルリン響/ベルリン放送合唱団他 他

2020-07-19 10:02:44 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」

指揮…ザンデルリンク 
演奏…ベルリン響 
合唱…ベルリン放送合唱団他 他 
好み度…3(5点満点)

何とも粗削りな、はじめから完成度の高さなんて求めてないんじゃないかと思うくらいの、録音もリリースする気なくて録ったのを録りっ放しでそのまま、みたいなある意味生々しさを感じるくらいの感じ。
響きは重く、細かいところは気にせず大きな音をつくって力押しに進むようなところも感じてこれをスケール感と呼ぶならばスケールの大きな演奏ということになろうし、独特の重厚な雰囲気をつくっているとは思う。
第1楽章ではトランペットがやたら耳についたり、終楽章の独唱は録音での音量も大きいが最初のバスなんかも気合も入りすぎ、ライブでの空気感もここでは雑然としたものに感じられて何だか落ち着いて聴けないようなところもあり、合唱も気合入って音量は大きいが美しい広がりとかにはなっていないように思うし、ライナーノートには巨匠、名演の文字が躍りなんとも素晴らしい演奏のようにあったが、私にはどうにも合わないなぁ。
↑だいぶ前にちょっと聴いた感想だけど、過大な期待とか無しに今聴いたらまたちがうのかなぁ。
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ブラームス 交響曲第1番 小林/ハンガリー国立響

2020-07-19 10:00:23 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番

指揮…小林 
演奏…ハンガリー国立響 
好み度…4(5点満点)

深みとか奥行きとかに欠けるきらいはあるが、やるじゃん、ニッポンの指揮者、って感じ。コバケンの汗をかくような情熱とこのオケの実直な響きが合っているのかもしれない。
正面からどっしり組んで第1楽章中盤の高揚部など結構な迫力も聴かせ、終楽章導入のソロとかちょっと感情が過剰になっちゃってるようなところもなくはないが、まっすぐ、厚く、大きく響かせようとする熱意は伝わるような気がする。
例えば同じ日本人指揮者の小澤の、整然と美しい音楽とははなから別のところを目指しているような感も受ける。
隠すことのない情感を、力こぶ振ってそのまま真っ直ぐに奏し切ったような、大家の深み、とかとはちがうけど、庶民的、っていったら変だろうか、響かせるとこはめいっぱい響かせて、わかりやすいといえばわかりやすい、深みには欠けるが汗かくような力感と骨太感を感じさせる、「渾身の」なんて言葉が連想されるような、そんなブラ1のように思う。
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ブラームス 交響曲第2番 ベンゲル/トランシルヴァニアフィル

2020-07-19 09:57:29 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…ベンゲル
演奏…トランシルヴァニアフィル 
好み度…4.5(5点満点)

華やかさとか、明るい厚みとかを聴きたいなら他の盤を聴いたほうがよいのだろうと思う。
何を誇示するわけではないが、落ち着いた音色でほのかに情を漂わせながら、ゆっくり、しっかり、どこか牧歌的な雰囲気をもつこの曲にブラームスの艶消しの美しさのような重みを漂わせて、聴くほどに好感が増していくような盤である。
テンポや楽器の出し入れでの新鮮な処理はなく、特別な美音な華やかな響きを聴かせるわけでもないが、重めのしっかりした音色と確かな力感をもち、終楽章も溌剌とした明るさや燃焼感を感じさせることはないが、気ぜわしく走りすぎたり最後だけ急いで浮いたりすることもなく、朴訥に自然な力感と明るさをもって奏し切っている。
個性がないようで、自然に素朴にしっかりブラームスを感じさせる、味わいのある演奏と思う。
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ブラームス 交響曲第1番 ヴァント/NDR響

2020-07-11 17:50:43 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス
交響曲第1番

指揮…ヴァント 
演奏…NDR響 
好み度…4(5点満点)

1982年のセッション版も骨太の重厚感と推進力で名盤の域であったが、それから14年を経た1996年のライブ盤。
解釈は大筋変わりないがティンパニの強い打ち込みが随所で聴かれる等、少し印象の異なるところはある。厚い推進力や重みのある低弦等はセッション盤のほうが感じるかもしれないが、スケール感と表現力からくる深みはこちらのほうが感じられるような感があり、大きく重厚で深みを湛えたブラ1が展開される。
推進力、という自らが前に進む力というよりは、そういうがむしゃらさは超えて何者にも動かしがたいような重さ大きさで泰然と進むようである。
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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 ティーレマン/ウィーンフィル

2020-07-11 17:47:28 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン
交響曲第3番「英雄」

指揮…ティーレマン 
演奏…ウィーンフィル
好み度…4.5(5点満点)

何でかわからないが響きはどこか眠たげではあるが、それでもやっぱり古風な気品と重みと大きさを漂わせながら高い完成度も感じさせるいい響きである。
ウィーンフィルもやっぱり美しいと思うし、ゆったり重めの流れに細かくテンポを動かした情感豊かな味付けも好感が持てる。
ゆったり大きく構えつつ、重さというよりはどこか優雅な気品を感じさせ内声も結構豊か。
少し眠たげではあるが今どき珍しい古風な大きさを演出しようとする、まぁこの人らしい演奏のように思うし、個人的にはいまどきやはりこういう重厚(ともちがうんだけど)長大系の演奏をしてくれる指揮者がいてくれるのはいいことだとも感じる。
特に終楽章での弦の美音を中心とした気品ある風格を漂わせた響きはウィーンフィルならではの感も受ける。
いろいろな感想はあろうが、やっぱり上質のいい演奏であることに間違いはないと思う。
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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番 アラウ/バーンスタイン/バイエルン放送響

2020-07-11 17:41:48 | ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」&第4番
ベートーヴェン 
ピアノ協奏曲第4番

ピアノ…アラウ 
指揮…バーンスタイン
演奏…バイエルン放送響 
好み度…4.5(5点満点)

私の中ではこの曲の上質なスタンダード、といった位置づけの盤。
アラウのピアノはどこか優しい温もりを感じさせて美しく、バイエルンの響きは澄んで美しく、透明感のある輪郭のはっきりした弦の重なりは室内楽的な美しさも感じさせる。
録音もよく、繊細なだけでない瑞々しさも感じさせる嫌味のない華やかさと美しさを持った演奏のように思う。
アラウの音色はブラームスでの重い音とは別人のようである。
バーンスタインの芝居っ気もバイエルンが上手に受け入れつつその透明感ある響きで浄化しているようで嫌味のない聴き所にしている。
ピアノとオケがとにかく美しい、透明感のある美しいこの曲を、ということなら他になかなかない類の演奏のように思う。
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ブラームス ピアノ協奏曲第2番 アラウ/ジュリーニ/フィルハーモニア管

2020-07-05 09:40:04 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第2番 

ピアノ…アラウ
指揮…ジュリーニ
演奏…フィルハーモニア管
好み度…4.5(5点満点)

大きな温もりと余韻を感じさせる濃い情感を漂わせたおおらかな重みが感じられる。
ピアノもオケもずしりとした重みを感じさせる音色と、ゆったりと踏みしめるように謳うテンポがそういう印象を与えるのだろうか。
第1楽章は叙情味たっぷりの重くも美しい響きが印象的。
第2楽章も厳しい掛け合いでなく重く情の濃い音楽となって響く。
第3楽章叙情部のピアノの零れ落ちるような1音1音なども美しい。チェロはやや控えめの音量だが、ピアノやオケと溶け込むようでこういうのも悪くない。
終楽章も、騒ぎ立てることはないが、ゆったりと情の込もった響きで重みをもって〆ている。
ブラームスならではの重い叙情味を感じる演奏である。
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