好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 ショルティ/シカゴ響&合唱団 他

2018-11-24 11:29:10 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…ショルティ
演奏…シカゴ響&合唱団 他
好み度…4.5(5点満点)

1972年、このコンビの最初の録音のほう。
ショルティといえば、熱さや情を排した明るい絢爛洗練された響きという印象だったが、これは冒頭から結構力強い。
テンポはゆっくりめだが気品とか調和とかよりむしろ武骨な雰囲気漂うような力のこもった響き。
強い低弦はじめちょっと力んでるくらいで後年の洗練されきったエンターテイナー的な絢爛な響きより個人的には好感が持てる。
第1楽章はゆっくりめのテンポをとりながらいい意味で結構ごつく、重い。
第2楽章も引き続きゆっくりめのテンポながら緊張感ある重みのある響きでしっかりした聴き応え。音を刻みながら遠くに顔を出しているホルンがちょっと新鮮な感もある。
第3楽章は一転、ギャップを感じるくらいに静かで優しく包まれるような美しい響きを聴かせる。弦の響きが何とも美しい。
終楽章は一般的なテンポとなり、独唱は音量もほどよく達者。合唱は活力に満ち、広がり、美しさ、アンサンブル、いずれでも上々、オケと一緒に力強く雄大な音楽を奏し、ときに情感や広がりも感じさせ、声楽中盤以降も中だるみ感を感じさせることなく力感豊かで、フィナーレへ向けての追い込みは力強く、〆は、雄大にちょっと感動を誘うくらいに充実感ある〆となっている。
ヨーロッパ風の風格や美しさとはまたちがった、若き(?)日のショルティとシカゴ響の、情もスケール感も感じられる、熱と力の込められた演奏と思う。
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チャイコフスキー 交響曲第4番 ポリャンスキー/ロシア国立響

2018-11-24 11:22:42 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー 
交響曲第4番 

指揮…ポリャンスキー
演奏…ロシア国立響
好み度…4(5点満点)

ある意味ロシアのオケあるいは録音らしく、残響多めの艶々の弦を中心に、大きな音をおおらかに流していく。
ゆっくりのテンポで響きは少しほの暗さを感じさせるようなところもあるが、ちょっと空洞感を感じるというか、緊張感とか活力とかあるいは密度みたいなものに欠ける感はある。
第1楽章のラストはなかなか感情のこもった処理だし、終楽章も大きな音を出していたり、好みの部分もあるが、何せ全体的にもう少し精気というかシッカリ感というか、が欲しいといった印象はある。
残響が多いのはよいとして、ちょっとボヤけた録音のせいもあるのかな。それなりに大きく美しく響いている、けど、緊張感とか活力、また深みとか重みには欠ける、そんな印象の演奏かな。
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ブラームス 交響曲第4番 レーグナー/ベルリン放送響

2018-11-24 11:14:43 | ブラームス 交響曲第4番
ブラームス 
交響曲第4番 

指揮…レーグナー
演奏…ベルリン放送響
好み度…4.5(5点満点)

速いが、ブラ4の雰囲気を損なわない心地よい速さである。よい緊張感と力感を与え、新鮮であり、ときに情感厚く力強く響く低弦やティンパニの響きが深みと重み、力感と一層の緊張感を与えるようである。
第2楽章もやや速め。ただ、音楽の流れからはかえって適度かとも思われ、早くしたから第2楽章の美しさが減退するものでもない。
第3楽章は徒に重くなったり騒々しくなることなく、しかし力強く躍動感を以って結構豪快に鳴っている。
終楽章は第1楽章に比べるとやや平易な感も受けるものの、響きの緊張感と重みは持続され、全体的に、やや速めのテンポが功を奏してか、深みと重みを湛えた緊張感みなぎる聴き応えのある演奏と思う。
ブラ4というとゆっくりめに悲しさに似た情を湛えた美しい曲というイメージがないでもないが、これくらい緊張感を湛えつつ良質の重みと内に秘めたような情感をしっかり感じさせる演奏もいいな、と感じる。
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ブラームス 交響曲第2番 セーゲルスタム/ラインラント=プファルツ州立フィル

2018-11-10 16:19:15 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…セーゲルスタム
演奏…ラインラント=プファルツ州立フィル
好み度…5(5点満点)

冒頭から全編通して、おおらかにゆったりした運びと、やや残響多めの録音で厚く明るい情感豊かな響き。低弦も情感豊かに響いて腰を据えた安定感と心地よい重量感もある。金管のかぶせ方とかもさりげなく効果的に趣を添え、ティンパニも要所で力強く活を与える。木管もうるおいのある響きで、第2楽章等でもさりげないが心地よい。
終楽章もゆったりめ、爆発力を感じるとか、推進力で押すとかというタイプではないが、おおらかで明るい開放的な響きは力感に不足なく、10分を超えるが活力を削がれている感もない。フィナーレも厚く爽快に〆、聴いた後の充実感に不足なし。あまり聴いたことない指揮者と楽団だったが、よいものに巡り合えた感のある、おおらかで情感も豊かな秀演。
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ブラームス 交響曲第1番 バーンスタイン/ウィーンフィル

2018-11-10 16:07:52 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…バーンスタイン
演奏…ウィーンフィル
好み度…4(5点満点)

美しい響きである。重厚感や推進力感あるいは野性味とかを特に感じることはないが、弦のしっとりした艶を持った美しさが印象的で、低弦や金管などもしっかり響いているが全体的には柔らかい上質の質感を感じる。
第2楽章はじめテンポは基本的にはゆっくりめ。ちょっと芝居がかったところなどバーンスタインらしく、深みというよりはどこか映画音楽を聴くような美しさであるようにも感じる。
フィナーレの凱歌もゆっくりと謳うが、高らかでもあるがどこか上品な美しさも感じさ、〆は大きく力強く〆ている。
ウィーンフィルの美音とバーンスタインの演出がかみあって、ちょっとつくりもの感を感じないでもないけど、この組み合わせならではの雰囲気をつくっていると思う。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 ティーレマン/ウィーンフィル/ウィーン楽友協会合唱団 他 

2018-11-10 16:04:46 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…ティーレマン
演奏…ウィーンフィル
合唱…ウィーン楽友協会合唱団 他 
好み度…4.5(5点満点)

ティーレマンはこのご時世にあってベートーヴェンを軽くせずに快足にせずに、一昔前を彷彿とさせるような重みと風格漂う腰を据えた響きで奏してくれるのがいい。
第1楽章もゆっくりめのテンポでしっかり緊張感を保ちながら弦もホルンも木管も古風に気品とほどよい重みをもった上質の響き。最近のウィーンフィルは云々という声も聞くが、程よい重みと古風で潤いのある気品と調和ある響きを聴かせていて、やはりたいしたものだと思う。
この楽章に限らずティーレマンらしくテンポはそこここで動かして、これは好みかもしれないが、熱くはないが情が感じられて個人的にはこの人らしくてよいと思う。
第2楽章も高い緊張感で推進していくタイプではないが、ゆっくりめのテンポに力感と艶を保ちいろんな音をバランスよく寄せ合いながらときにウィーンフィルらしい響きも聴かせしっかりした音楽をつくっている。
第3楽章はゆっくりとの印象もなく、特に深みを感じるということもないが、標準以上の美しさではあると思う。
終楽章の声楽は、ソロは結構控えめの音量で個人的には好ましく、合唱は全てを包むほどに前に出てくることはないが、声量・濁らない質感とも不足感はなく、オケも結構聴こえてよいバランスで、感動的というほどではないがそれなりのスケール感も感じさせて、歓喜の歌の後の部分では感銘深い響きも聴かせたりしつつ、堂々とした充実感のある演奏となっている。
ややゆっくりめのテンポで、厳しさや激しさとか推進力といったものはあまり感じさせないせいか、少しねむたげな印象も受けないでもないが、演奏がライトになる傾向がある中、こういった堂々としたタイプのオーソドックスをこれくらい質感をもってときに芝居がかるくらいの表現も試みながらやってくれるのはティーレマンならではの感があり、そういった意味では期待を裏切らない、特別な激しさや感動とかを感じるということもないが満足感も感じられる、よい演奏と思う。
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