好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第1番 ヤング/ハンブルクフィル

2018-03-21 10:21:07 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…ヤング
演奏…ハンブルクフィル
好み度…4.5(5点満点)

冒頭は荒く鋭い重量感とともに力強く、引き込まれる。その後も、オケの響きは重々しいというよりは垢抜けた艶を漂わせた響きで、厚く男性的な力強さが印象的である。
第2楽章ではその艶のある響きは少しゆったりと、弦の重なりも美しく繊細さと安らぎ感を謳うようである。
終楽章のホルンやフルートのソロなんかもゆっくりと遠くを見るような優しさを含んで好感。例の主題も普通に弾きながら美しく、フィナーレはややゆっくりめに輝かしく謳っている。終楽章中盤が上質の音の連続ではありながらやや平易な印象も受けなくなくはないが、全体的なテンポとしては少しゆっくりめの、いまどきちょっと珍しいくらいに力強く、それでいてときに繊細に、上質にとてもよくできた演奏のように思う。深みとか、強い情感とか、あるいはほの暗い重厚感とか、といった向きとはちょっと違うようにも思う。
響きは十分力強く剛毅なようでいて、その力強さは凄みとか深みというよりは垢抜けた美しさへ転化されているような感覚を受け、何かを心に訴えるといったタイプではないようにも感じられるが、力強くも美しく堂々とした演奏のように思う。
ちょっと形容しがたいところもあるが、録音も優れた、堂々たるブラ1。
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ブラームス 交響曲第4番 アンセルメ/スイスロマンド管

2018-03-21 10:16:14 | ブラームス 交響曲第4番
ブラームス 
交響曲第4番 

指揮…アンセルメ
演奏…スイスロマンド管
好み度…4.5(5点満点)

アンセルメとスイスロマンドのブラ4といわれてもあまりピンとこなかったが、これはなかなか秀逸。
しっとり感や陰のある響きではない。むしろどこかカラッとした感のある、でもこの曲の力感と特有の美しさが、どちらかといえば骨太によく響かされた、そんな演奏のように思う。
第1章は冒頭から特に情感漂う、というわけではないが、弦と弦、弦と木管等のかけあいもしっかり奏され、この楽章のもつ美しさや力感はしっかり感じられて、後半知らぬうちに緊張感と高揚感を高めていくあたりむしろちょっと他になかなかない類ではなかろうか。
第2楽章も幽玄というよりは清清しい骨太感すら感じ、弦の力強い美しさが印象的。
第3楽章は空騒ぎすることなく、しかししっかり厚くときに颯爽感を感じさせて力強く、終楽章は力強さとともに独特の雰囲気と緊張感漲る響きで充実。
厚く、それぞれの楽器が力強く、ときにずしりと重く、混濁することなく響きながら、高い緊張感をもって骨太にこの曲ならではの美しさを感じさせる、名盤と思う。
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ベートーヴェン 交響曲第7番 テンシュテット/NDR響

2018-03-21 10:02:07 | ベートーヴェン 交響曲第7番
ベートーヴェン 
交響曲第7番 

指揮…テンシュテット
演奏…NDR響
好み度…4(5点満点)

響きは結構力がありどっしりした響きで、テンシュテットらしいストレートな重厚感ももった力演のように思う。
終楽章は特にエネルギーを感じさせる(フィナーレはそれまでのエネルギー感から連想するほどの爆発力は感じない)。
ただ、特にベートーヴェン的な響きとか深みとか、何か特有の感銘を感じるかといわれればそこまでのものは感じないかもしれない。
重厚感は感じるが、もうちょっと華というか活力というか、がほしいといったところだろうか。
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ブラームス 交響曲第2番 ヨッフム/ロンドンフィル

2018-03-10 15:28:20 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス
交響曲第2番

指揮…ヨッフム
演奏…ロンドンフィル
好み度…4(5点満点)

特に厚みや重量感を感じるものでもないが、熱を感じさせる重みのあるよい響きでしっかり奏された比較的オーソドックスなブラ2との印象。
第1楽章等は、運びや旋律の謳い方にもう少し余裕があってもよいかな、という感を受けるが、弦による2度目の主題提示部など情感も随所に感じられる。
終楽章は活気を感じる響きで、終盤の追い込みからフィナーレでは、なかなかの迫力と熱気を聴かせている。
全体的にはオーソドックスな部類と感じるが、重心低めのどちらかといえば武骨な印象の熱の込められた響きはちょっと魅力的とも思う。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 アバド/ウィーンフィル/ウィーン国立歌劇場合唱団 他

2018-03-10 15:23:35 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…アバド
演奏…ウィーンフィル
合唱…ウィーン国立歌劇場合唱団 他
好み度…4(5点満点)

耳を澄まさねば聴こえないくらいの静寂の中から湧き上がっての全奏は美しくインパクトある響きで引き込まれる。
その後もテンポはややゆっくりめに、弱音部はほんとに小さく、しかし美しく、その分せり上がる高揚部は美しい力を感じさせ、感情的に煽ることなく、熱くはないが慈しみと清らかな激しさに満たされたような、崇高な宗教画に囲まれているかのような独特な美しい空気感を感じさせる。
この艶に満ちつつ崇高な空気感を漂わせる美しさはウィーンフィルならではのようにも思う。
終楽章は速めの展開。しかし速めの低弦は激しさと美しさを同居させ、その後もオケは緊張感と美しさは損なわず、独唱はテノールが少ししっくり来ない感もあるが、トータルとしてはうまく、ただ、合唱は力強さは感じるがその質感にちょっと力みが感じられ透明感に欠ける印象があるのと、もう少し広がりをもって前に、あるいは全体に響き渡ってくれれば、との感を受け、また、もう少し情を感じさせてくれても、の感も受ける。
終楽章も悪くはないが、個人的には終楽章より第1~3楽章にこの盤の価値を感じる。それらの楽章で、この曲のもつ、激しさよりは崇高な面を、ときに静かに、ときに美しい激しさを以って聴かせている演奏のように思う。

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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 サヴァリッシュ/フィラデルフィア管

2018-03-10 15:20:33 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」 

指揮…サヴァリッシュ
演奏…フィラデルフィア管
好み度…3.5(5点満点)

サヴァリッシュなのでそれほど特別なものを期待して聴いたわけでもないが、それにしても何とも覇気が感じられないといった印象。
キレも重厚感も新鮮さも美しさも何か特有の雰囲気も、いずれも特に感じない。
サヴァリッシュは「感銘深いというにはちょっともの足りないけど、それでも結構良質の安定した演奏」が多い印象だが、これはちょっと残念な感じかな。
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