好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

チャイコフスキー 交響曲第4番 ネシリング/サンパウロ響 

2024-01-07 11:02:07 | チャイコフスキー 交響曲第4番

チャイコフスキー
交響曲第4番

指揮…ネシリング 
演奏…サンパウロ響 
好み度…4.5(5点満点)

ちょっと残響多めの録音と、開放的で伸びやかな響きがこの曲には合っているようで、爽快に聴ける。
南米のオケでロシアのチャイコフスキーというのもちょっと微笑が出そうな気もするが、チャイコの中でも感情豊かな曲なので(フィナーレなんてまさにお祭りだもんね、というかお祭り的にやってもらいたい曲)、感情的で開放的な南米のイメージともそういう点では合うような気もする。
演奏の質が低いとも思われず、おおらかで開放的なチャイ4を堅苦しくならずに聴けるよい盤と思いますよ。

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チャイコフスキー 交響曲第4番 オールソップ/コロラド響

2023-03-12 15:46:30 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー 
交響曲第4番

指揮…オールソップ 
演奏…コロラド響
好み度…3.5(5点満点)

綺麗だし録音も結構いいし、終楽章なんかもそれなりに響いてて、悪くないけど特に感銘もないかな。
変な例えだが何か試験でも受けるように、実力をちゃんと見てもらえるようミスないようしっかりこなしているかのような。
盛り上げるところは盛り上げる、という点も含めてちゃんとやっていて減点もなく綺麗にできているが、ロシア的情緒もお祭り的な開放感も感情の起伏や陰影も、その他特有の雰囲気も、特にないかなぁ。
何か活き活きとしたものが感じられないというか。
オールソップの音楽と私の好みが合わないのか、弦に力がないからかなぁ、あるいはオケの表現力ということなのか…わかないけど。
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チャイコフスキー 交響曲第4番 セル/ロンドン響

2021-11-27 10:00:47 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー 
交響曲第4番

指揮…セル 
演奏…ロンドン響
好み度…5(5点満点)

セルといえばイメージとしては精密機械のような、洗練されガッチリ完成された音楽のイメージがあって、この曲に熱とかエネルギーを求める私は、ライブならともかくセッションでこの曲でセルはないだろう、と思っていたが、どうしてどうして、熱さとエネルギーと、セルらしい頑とした完成度とを併せ持った、これはすごいな、と思わせる名演。
録音当時「編集によっても改善できなかったいくつかのミス」によりセルによて発売拒否され、没後に未亡人の許可により発売された、とのことだが、聴いていて「あぁ、残念」なんて思うところないし、ミスがあるんだろうけど、それを補って余りあるものを持った演奏のように思う。
熱と完成度と、どちらかを持った演奏は数あれど、その両方をこれくらいの高い水準で持った盤が、意外と少ない。
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チャイコフスキー 交響曲第4番 ゲルギエフ/マリインスキー管

2021-07-23 18:22:58 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー 
交響曲第4番

指揮…ゲルギエフ 
演奏…マリインスキー管
好み度…4(5点満点)

2010年パリライブ、DVDが先行した演奏のCD盤。
よく鳴ってしっかり整って、やっぱり上の演奏だと思う。ただ、その情を訴えるようなテンポの動きとかタメは情をまとうようで熱を帯びず、どこかよそよそしくというか上手な演出めいた雰囲気も感じ、緊張感とか、ときにこの曲で聴かれる不安定な情緒を含んだような推進力のようなものを感じるということもない。
以前の演奏にはもっと情、熱、あるいは「何か」を帯びた厚い流れとかエネルギーがあったようにも思うが。昔より綺麗な演奏にはなったようには思うが何かが抜けてしまったような。
もうがっちり名は売れているからこれくらいしっかりした演奏をしておけば演じるほうも聴くほうもいい着地点なんだろうし、終楽章の明るく弾ける力感など含め何が不足するわけでもなく最初にも書いたように上の演奏であり、録音もまず良好に、拍手も盛大で、総合的に良のランクの盤なんだろうとは思いつつ、「何か」不足感を感じるところもある。何かを期待しすぎてるのかもしれないが。
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チャイコフスキー 交響曲第4番 マルケヴィチ/ライピツィヒゲヴァントハウス管

2021-06-20 12:22:22 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー 
交響曲第4番 

指揮…マルケヴィチ
演奏…ライピツィヒゲヴァントハウス管
好み度…5(5点満点)

冒頭、金管がちょいと引っかかるのはまぁご愛嬌。微妙なテンポの揺れもこの曲のちょっと陰を帯びた情感の揺れのようなものを演出し、金管も弦も特に上手いというわけではないが野性味ある力強さをしっかり響かせて、ゆったりめのテンポの中で、第1楽章での不安感を拭えない情感の高揚と陰、終楽章での爆発力等しっかり聴かせている。
ちょっとまとまりきっていないような雰囲気もないではないが、上品で上手いだけでない、どこか重たげな愁いを帯びたような陰と濃い情感と底抜けの喧騒にも似た野性味とを漂わせた、チャイコフスキーらしさあるいはこの曲らしさを感じられる、とてもよいライブのように思う。
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チャイコフスキー 交響曲第4番 ザンデル/ウィーン響

2021-04-24 12:28:38 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー 
交響曲第4番 

指揮…ザンデル
演奏…ウィーン響
好み度…4(5点満点)

重厚なチャイ4ですねぇ。結構軽快に響かせる盤もあるしイタリア的なむしろ明るい熱狂を感じさせたりする演奏もあるけど、これはチャイコフスキーの重く鬱な側面、重い意味でのロシア的な空気感を感じさせる演奏ですね(金管がやたら響くとかそういうことはない)。
ウィーン響は華麗とか明るい音色というイメージはもともとないけど、こんなにも重くほの暗い音色を出すのか、とも思うくらいの、逆にベルリンフィルじゃぁこの雰囲気は出ないだろうなぁ、と思わせる響き。
ゆっくりのテンポもあって終楽章ですらお祭り的明るい雰囲気というよりは重厚。
チャイコフスキー自身が少なくとも終楽章までこれくらい重厚な音楽をイメージしていたとも思えないが、まぁ。こんな重厚なチャイ4もいいとは思う。
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チャイコフスキー 交響曲第4番 カヒッゼ/トリビシ響

2020-06-13 09:32:56 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー 
交響曲第4番 

指揮…カヒッゼ
演奏…トリビシ響
好み度…4(5点満点)

帯には「ムラヴィンスキー型スタイリッシュ演奏とは一線を画するモサッとしたサウンドが実に良い」とある。
モサッとしているかどうかは別として、確かにスタイリッシュとは縁遠い形でチャイコフスキーならではの雰囲気が濃く出ていて良いと思う。
音は点の連続でなく旋律という線として感情を伴って流れ、弦も木管もヨーロッパの気品や垢抜けた響きでなく、チャイコフスキーの音楽の持つ野性味と甘さが色濃く感じられる。金管もちゃんと響いているが金管ばかりが響くような演奏とも明らかに違う。反対にこのコンビでベートーヴェンやモーツァルトをやってもロシアになっちゃって合わないんだろうとも思う。整然とした上手さのようなものは感じないが、野暮ったいくらいの情緒濃い響きが逆に魅力になっているような感を受ける。
あまり名前を聞かない指揮者とオケだが、帯びによるとカヒッゼは「ソ連人民芸術家の称号をもつ巨匠」だそうだしオケは「カヒッゼが創設した手兵でカヒッゼ没後は解散した」オケだそうで、例えば終楽章の速いテンポの中でもしっかり音をつくっているし、楔の音等でもがっちり線を揃えて稚拙な印象はない。
こういう演奏を聴いていると、チャイコフスキーの交響曲は上手いオケがしっかり演奏すればいい演奏になるというものでもないのかもなぁ、等とも感じる。
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チャイコフスキー 交響曲第4番 ベーム/チェコフィル

2020-03-14 15:28:47 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー
交響曲第4番

指揮…ベーム
演奏…チェコフィル
好み度…5(5点満点)

ベームのライブと言えば熱いいというのは1つの定評のようだが、バイエルンとのブラ1なんかは暴走しちゃってたような気もするがこの演奏は弦も金管も咆哮しながら、暴走とはまったく違った力強さと活力をもって鳴っている。
テンポは感情的に動かすようなこともなくロシア的とか情緒的あるいはロマン的な機微とか、は感じないが、緊張感と熱さが結構半端じゃなく、その力強さは中身のないものでなくぎゅっと詰まった密度を感じる。
ベームとチャイコというのはどうにもピンとこない感はあって、ある意味予想通りロシア的なとか情緒的なものとかは感じれらないが、この曲の野性味あるストレートな力強さは存分に感じられ、これくらい熱く力強いチャイ4もそうそうないのではなかろうか。
細かいところでは好みとちがうところもないではないがそんなものは蹴散らすような熱く力強いエネルギーに満ちた、圧巻の1枚であり、お客さんもさぞ満足だろうと思ってたら拍手もやっぱり熱かった。
ぐいぐい引き込まれるような響きにテンポは早目かと思ってたら42:46だからそうでもない。終楽章の爆発力とその中での上質な響きとしっかりしたアンサンブルなんかはチェコフィル流石。
何のかんの書いたが、結局この熱く密度濃い管弦の咆哮は爽快。
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チャイコフスキー 交響曲第4番 ユロフスキ/ロンドンフィル

2019-04-20 09:19:25 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー 
交響曲第4番 

指揮…ユロフスキ
演奏…ロンドンフィル
好み度…5(5点満点)

響きの印象としてクリアで硬質な印象を受け、感情的な熱とかロシア的雰囲気とかはあまり感じないが、その分音の分解には優れ、ロンドンフィルってこういうオケだったかな、と思うくらいに機能的にうまさを感じさせながら、高い水準と緊張感を保ち、内声も含めて艶のある響きでしっかり鳴らして、ライブ録音とのことだが、これは名演と思う。
第1楽章は、響きはやや硬質ながら、表情は無機的ではなく、中盤は結構な緊張感で聴かせるし、ラストなど聴かせどころではぐっと速度を落として情も乗せるなど、高い水準でちょっと冷静ながら表情豊かに聴かせ、第2楽章は、弦が、これ以上大きな音は出せないだろうと思わせるくらいくらいに目いっぱいに鳴らして美しくも迫力を感じるような響き、第3楽章は少し控えめな音量でいったん落ち着かせて終楽章へ向けてのバランスとしてはよいように思うし、終楽章の弾ける力感も申し分なし、また、その力感は大味な迫力とは全く別物で、音が大きいだけでも打楽器や金管の音が大きいだけでもなく、金管の中で弦楽器も高弦低弦しっかり聴こえるなどバランスもよく、各楽器しっかり鳴らしながら線がビシリと揃っていることが弾ける感(爆発力といってもよい)を更に高めてもいる。ラストの熱気と高揚感も見事。
ロシア的な情緒みたいなものはあまり感じないものの、演奏の質の高さ、内声のしっかり感、聴かせどころでの高揚感やテンポの動き、終楽章の弾ける感などといった点を揃え持ったなかなかない盤であり、個人的には1つの理想的演奏といってよいように思うし、クールだけど冷たくない、今後名盤と言われてよい盤と思う。
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チャイコフスキー 交響曲第4番 ポリャンスキー/ロシア国立響

2018-11-24 11:22:42 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー 
交響曲第4番 

指揮…ポリャンスキー
演奏…ロシア国立響
好み度…4(5点満点)

ある意味ロシアのオケあるいは録音らしく、残響多めの艶々の弦を中心に、大きな音をおおらかに流していく。
ゆっくりのテンポで響きは少しほの暗さを感じさせるようなところもあるが、ちょっと空洞感を感じるというか、緊張感とか活力とかあるいは密度みたいなものに欠ける感はある。
第1楽章のラストはなかなか感情のこもった処理だし、終楽章も大きな音を出していたり、好みの部分もあるが、何せ全体的にもう少し精気というかシッカリ感というか、が欲しいといった印象はある。
残響が多いのはよいとして、ちょっとボヤけた録音のせいもあるのかな。それなりに大きく美しく響いている、けど、緊張感とか活力、また深みとか重みには欠ける、そんな印象の演奏かな。
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