好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ドヴォルザーク 交響曲第8番 フィッシャー/ブダペスト祝祭管

2016-12-30 23:58:38 | ドヴォルザーク 交響曲第8番
ドヴォルザーク 
交響曲第8番 

指揮…フィッシャー
演奏…ブダペスト祝祭管
好み度…4(5点満点)

ちょっと気になっていたコンビだったし、ご近所さんの音楽ということになるんだろうし、どんな響きかと思って聴いてみたが、よく整ってアンサンブルとかリズム感とか、そういう面でも洗練された感は感じるが、ちょっと線の細さにもつながるような整い方のような印象で、活力とか茶目っ気にも似た明るさとか郷土色とか、そういったものはあまり感じられない印象。ときに気の利いた処理を散りばめながら、小気味よく綺麗にまとめられた感じかな。
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ブラームス 交響曲第1番 オールソップ/ロンドンフィル

2016-12-30 23:56:37 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…オールソップ
演奏…ロンドンフィル
好み度…3.5(5点満点)

女流指揮者によるブラ1。女性の指揮者だから、というわけではないのだろうが、響きは柔らかく優しい印象。力強さだったり重量感だったり、またはキレだったり緊張感だったり、という要素を感じる演奏ではない。
第2楽章はその柔らかさはよいほうに出て美しい仕上がりになっていると思うし、終楽章ではホルンによる主題の独奏から例の主題の1回目の提示部にかけて、特に例の主題の優しさはちょっと新鮮ではある。
ただ、そういった新鮮さも部分的であり、全体的には力感や重量感あるいは緊張感、など等の点からちょっともの足りなさを感じるのは否めない。
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ブラームス 交響曲第2番 ビエロフラーヴェク/チェコフィル

2016-12-30 23:47:23 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…ビエロフラーヴェク
演奏…チェコフィル
好み度…5(5点満点)

重厚ではないし、ブラームス的ではないかもしれないし、聴きようによっては線が細く感じられるかもしれないし、派手ではないけれど、心の機微に触れるような清らかな優しさと上質な質感を持った他には替え難い演奏のように思う。繊細さと郷愁を帯びた「香り」を感じるような豊かな響きは、指揮者もいいんだろうけど、チェコフィルならではなのかな、とも思う。
第1楽章から透明感と機能性の高さもを十分に感じさせた郷愁を帯びた響きは魅力的だし、第2楽章では敬虔さもまとって特有の雰囲気を感じ、終楽章でも力感というよりは清楚な息吹を持った活力を感じさせる。
チェコフィルは他のオケの重厚感とかとはちょっとちがった雰囲気をつくって、その機能的でありながらくすまない清廉感ある美しさと郷愁を漂わせる響きは意外にブラームスに合う。 
どこがどうというのではないんだけど、中庸であるが凡庸でない、変な言い方だが、ブラームスらしくない清廉な清清しさを湛えた、透明感のある美しさと心安らぐような情緒漂う、これは名演と呼んでよい演奏と思う。
録音も美しく、ちょっとファンになりそうな盤である。
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ブラームス 交響曲第1番 ラトル/ベルリンフィル

2016-12-17 09:16:48 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…ラトル
演奏…ベルリンフィル
好み度…5(5点満点)

両端楽章での凄みと輝きを同居させたような分厚く豊かで重量感たっぷりの響き、第2楽章での深みを加えた美しさ、全編通してその完成度と一音一音の質の高さと調和の絶妙さ、こういう演奏を聴いていると、やっぱりベルリンフィルはこの曲は自分らが最高峰という自信と自負と持っているような気がするし、オーソドックスで堂々たる演奏は典型の中の極みを聴くかのような感がある。
どの楽章をとっても自信に満ちた緊張感と充実感が薄らぐことはなく、所謂一流どころが満を持して放つとはこういうことか、と恐れ入る感もある。
劇的なフィナーレだったり、推進力だったり、響きの重さだったり、そういった側面から秀でた演奏は他にもあるだろうけど、そういった特定の視点からの良し悪しは凌駕して、ある意味究極のブラ1、という感じの一級の名盤でしょう。ちょっと大き目の音量で聴くとよりその感を感じられるように思う。
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チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 チェリビダッケ/ミュンヘンフィル

2016-12-17 09:14:13 | チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー 
交響曲第6番「悲愴」 

指揮…チェリビダッケ
演奏…ミュンヘンフィル
好み度…4.5(5点満点)

ゆっくりである。
ただ、美しく俗から離れたかのような雰囲気もつくって、長い分退屈するといったようなものではない。
情感豊かなようでどこか厳しく徹底的に客観的なようなところもチェリらしい。
冒頭から終始ゆっくりのテンポで丁寧に音がつくられていて、厚い響きではないのだが、そこかしこで「ここでこの楽器か」と強調される楽器も効果的に特有の雰囲気をつくり、退屈どころか魅き込まれる思いすら感じる。第2主題では、弦の響きとタメをもった歌には安らぎを覚えるような美しさがあり、展開部以降も確かに遅いが、そのこととトランペットの鋭い響きなどが相まって、激しさとは違って徐々に感情の頂点へ否応なしに向かわされるような、多分チェリにしか醸しだせないような雰囲気がつくられている(個人的にはクライマックスでは情感を以ってかぶさる高弦を聴きたいところだが、ここも痛烈なトランペットがかぶさる。ただ、これだけ意志が感じられればこれもありかと思う)。
第3楽章も遅く軽快間はあまりないが特に悪いものでもない。
終楽章もゆっくりと、どちらかといえば静か目で、強い情感は感じられないが、中盤までは響きに深みとはちがう艶とほんのりもの悲しいような美しさが感じられ、終盤の高揚部では悲愴感漂うような重みも感じられる。
前後の拍手も入れてとはいえ61分の表示だからかなりゆっくりではあるが、ただゆっくりなだけではない、チェリなりの必然が感じられる、重い悲愴感というよりは、情を超えた美しさを漂わせるような、チェリならではの悲愴のように思う。
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チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 ギレリス/メータ/ニューヨークフィル

2016-12-17 09:11:34 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー 
ピアノ協奏曲第1番 

ピアノ…ギレリス
指揮…メータ
演奏…ニューヨークフィル
好み度…4.5(5点満点)

ピアノもオケも何とも豪快爽快、ストレートな熱気が印象的な名演でしょう。
ギレリスのピアノは力強く激しくも尖らず濁らない強打、力強さと澄んだ音色を併せ持った音、叙情部でのおおらかな優しい音…、豪快で奔放、繊細とおおらかさ、さすがの感を受ける堂々たる演奏。いろいろな面が顔を出していくのはライブならでの功もあるのだろうか。強打も叙情部もさりげないようで情が込められているようにも感じる。
オケもこれに応えて十分に熱い。曲の終了を待てずに起こる熱い拍手にも頷ける感もある。
ストレートな表現と熱気と爽快感にあふれたこの曲を代表する名演の1つと思う。
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チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 ゲルギエフ/マリインスキー劇場管

2016-12-03 19:06:47 | チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー 
交響曲第6番「悲愴」 

指揮…ゲルギエフ
演奏…マリインスキー劇場管
好み度…4(5点満点)

ネットでのレビュー等では、荒々しいとか野性味とかという評をみかけるが、個人的な印象としてはそういう印象はなくて、むしろかなりしっかり統制の効いた完成度の高い演奏との感がある。
その上で金管はかなり鋭く、ときに咆哮している。ただ、その金管もはめを外すことはない。
第1楽章、ゲルギエフは5番でもそうだが冒頭の低弦を太く弾く傾向にあるようで、ここでも冒頭の地を這うような低弦は印象的。第2主題はゆっくりと美しく、展開部は金管がやや前面の印象で、特にクライマックスでの思い知らせるようにゆっくりと、圧するような咆哮はゲルギエフの悲愴らしい。
第2楽章はワルツらしい軽妙さも感じさせ、第3楽章も小気味よい快活さも感じさせて達者。
終楽章は出だしのちょっとこするような弦の響きがちょっと変わった印象は受けるが、その後は低弦も美しく効かせながら弦主体でしっとり感も漂わせてなかなか美しい。特に弦が美しく調べを奏するところの支えの弦の美しさなどは印象的。
全体の印象としては鋭い金管が前面の印象があって、また、特に情に訴えるタイプではないが、統制が取れた中にも艶と込められた熱も感じられるような、やっぱりよくできた演奏だと思う。
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ブラームス 交響曲第1番 サヴァリッシュ/ロンドンフィル

2016-12-03 19:01:07 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…サヴァリッシュ
演奏…ロンドンフィル
好み度…4.5(5点満点)

サヴァリッシュの、正統でまっとうで優しいイメージがそのまま出ているようなブラ1ではないだろうか。
何も足さず、何も引かず、特に個人的な思い入れを主張することなく、何に偏るでなく、純粋に正統であろうとするごとく、響きはしっかりつくられていて、心地よい厚みで装飾はなく、良心的でとても質の高い演奏だと思う。
特に劇的なものがあるわけではないが、何もしていないようでいろんなことをしっかりやっている、聴くほどにその円熟の、派手ではないがしっかり力と思いのこもった響きと懐の深さに魅せられていくような、そんな演奏のように感じる。
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