好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブルックナー 交響曲第8番 ギーレン/南西ドイツ放送響

2023-02-26 14:44:40 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第8番

指揮…ギーレン 
演奏…南西ドイツ放送響
好み度…5(5点満点)

精密で、洗練されて、クールで、しかし大きさと力強さを感じさせる、泥臭さよりカッコよさを感じさせる。録音も美しい。
何の感情も持たない宝石が美しいような、そんな美しさとどこか凄みのようなものを感じさせる演奏で、美しいが何者にも傷つけられない強さを持っているところも似ているのかもしれない。
いや、一見無機的に見えて、凛とした中に結構、情も織り込まれているような気もする。
そんな美しさは第3楽章で極まる印象で、かなり美しい。
テンポは第2楽章がかなりゆっくり。ただ、緊張感がそがれるとかいうことはなくこれはこれで爽やかな印象の楽章になっている。
第1楽章では鋭いトランペット(耳障りな尖りはない)がときに緊張感を高め、終楽章冒頭のファンファーレも堂々と洗練されながら力強くカッコいい。
機能的にできすぎちゃって冷たいなんて印象を与えるのかもしれないけど、冷たい炎とでもいおうか、厚みも力強さも冷静さも情ももった、いい演奏だと思う。
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マーラー 交響曲第2番「復活」 クレー/ベルリン放送響/ベルリン聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊 他

2023-02-26 14:38:26 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第2番「復活」

指揮…クレー 
演奏…ベルリン放送響 
合唱…ベルリン聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊 他
好み度…4.5(5点満点)

第1楽章の緊張感と迫力のある大きく美しい響きは圧倒される感も受ける。
その後の楽章も結構歌心も感じさせながら、しっかりしたアンサンブルとタテも揃えて大きく美しく聴かせている。
終楽章のバンダのトランペットとか、ちょっとずれているように感じる箇所もないではないがご愛嬌、打楽器も含めた大きな音が上手くて大きくて美しい印象。金管もしっかりよく鳴っているけど随所できれいによく響く弦楽器が美しさを感じさせているのかもしれない。
終楽章の合唱も丁寧に美しく、フィナーレも結構壮大に〆ている。
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ブラームス 交響曲第1番 セーゲルスタム/ラインラント=プファルツ州立フィル

2023-02-26 14:34:11 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番

指揮…セーゲルスタム 
演奏…ラインラント=プファルツ州立フィル 
好み度…5(5点満点)

厚く、力強く、奇をてらわず、正統で…、重厚と言うよりはやっぱり力強い。
第1楽章なんかもブラームス特有の寄りかかりあうような重量感や渋みとかというよりは、圧倒的ともいえるような活力でグイグイと押してくる印象。
第1楽章ではちょっと忙しない印象も受けなくはないが、終楽章ではその力強さがピッタリハマって十分な醍醐味となって、フィナーレの堂々たる凱歌と相まってとても心地よい。
上手さとか完成度とかを聴く盤ではないと思うし、好みだろうけど、隠れ名盤とはこういう盤のことを言うのではなかろうか。
後年のトゥルクフィルとの演奏のほうがうまいのだろうけど、私はこちらが好み。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 デプリート/都響

2023-02-19 12:13:22 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」

指揮…デプリート 
演奏…都響 
好み度…4(5点満点)

録音がやや硬めのせいもあるのだろうか、かっちりした厳しさのようなものは感じられるが雄大さのようなものはあまり感じられない。
精気のない響きではない。覇気とそれなりの力感は感じられるし筋肉質な響きとでもいおうか、それはそれで悪くない。
ただ、個人的には特にこの曲には重みとか大きさとかが欲しいという印象は受ける。
合唱が加わる終楽章は合唱陣がその覇気を受け継いで力強く、デプリートも大きく謳わせて迫力と熱気を感じさせて聴き応えのあるものになっている。
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ブルックナー 交響曲第5番 パーテルノストロ/ヴュルツテンベルクフィル

2023-02-19 12:08:47 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第5番

指揮…パーテルノストロ 
演奏…ヴュルツテンベルクフィル 
好み度…5(5点満点)

残響は凄まじいばかりで、他の曲ならちょっと遠慮願いたいところかもしれないが、この曲の場合は心地よい。
出だしの全奏で吹いてピタッと止めるあたりの残響かがきれいでそう感じさせるのかもしれない。
冒頭から、静かに柔らかく重なる弦もいいが、残響に包まれる空気の中、更に荘厳に重なって響き渡る金管…。
これくらい残響が多いと多分テンポは自然と遅くなり、ゆったり大きく響く金管や弦とその残響に包まれる感じはこの曲に合っていて、これくらい教会の残響が合う曲もなかろうと思うし、ブルックナーならではとも思う。
オケも指揮者もあまり聞かない両者だが、技量的に不足感はなく、ブルックナーのシンフォニーといった感の管弦のバランスでゆったりとごく自然に、残響も含めて大きく美しく聴かせる。
第2楽章の、スーパーオケの洗練された響きとはまたちがった、清廉な滋味深い響きもいい。
第3楽章もしっかり緊張感とかっちり感と堂々とした大きさも感じさせてなかなかいいし、終楽章フィナーレもゆったりテンポをとって堂々と荘厳雄大に感動的といっていいかと。ブルックナーのフィナーレは響きは大きいがメロディアスな旋律を伴わないものが多い印象がある中、この曲のフィナーレは旋律美も伴って、その旋律美と荘厳な音の重なりのよさが出ていると思う。
ブルックナーでも8番なんかは名の通った指揮者オケの演奏に魅かれる盤が多いように思うが、この5番はブルックナーでしか名を聞かないような指揮者オケの演奏に魅かれる盤が多いようにも思う。何でかわからないがそういう曲のように思う。
廉価の全集の中の1枚のようだが、この盤では全体通してアンサンブルの緩さも感じないし、このゆったりめのテンポの中、金管も表情も豊かに上手く吹いてるし、管弦のバランスもよく、少なくともこの盤ではオケの非力を感じることはなく、他の曲ははともかくこの曲は秀逸の域。この曲を聴くためだけでもこの全集は価値あると思う。
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マーラー 交響曲第5番 小澤/ボストン響

2023-02-19 12:06:03 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…小澤
演奏…ボストン響
好み度…4(5点満点)

うまいしいろんな意味でバランスも整ってるし綺麗だとは思う。
けど綺麗なマーラーを目指したのだとしても、もうちょっと力がほしいなぁ、という気はする。
ゆっくり静かに丁寧に奏されるアダージェットはこの盤でしか聴けない美しさがあっていい。
あとフィナーレは堂々爽やかで、個人的にはこの盤の聴き所はこの2つ。
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