好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 メニューイン/ロイヤルフィル/ブライトンフェスティヴァル合唱団 他 

2023-12-31 12:15:36 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」

ベートーヴェン
交響曲第9番「合唱」

指揮…メニューイン 
演奏…ロイヤルフィル 
合唱…ブライトンフェスティヴァル合唱団 他 
好み度…3.5(5点満点)

そう、あのヴァイオリニストのメニューインだそうです。
楽器奏者から転向の指揮者の演奏はどこか緊張感に欠けたり、よくてうまくなぞっているとこまで、との印象がないでもないが、第1楽章などはなかなか堂に入った響き。ロイヤルフィルの華やかみを帯びた厚い響きによるところも大きいかもしれないけど。
第2楽章はやや速め、標準的に鳴らして特に緊張感とか激しさとか何かを感じるということもない。
第3楽章は冒頭も特にゆっくり謳うというタイプではないが明るさを帯びて清廉な美しさは漂わせる。
終楽章では合唱も大きく響いているが、どこか表層的というか、「何か」を感じることがない感じ。
全体として、よく鳴らしているけど特に感銘を受けることもないか、といった印象。

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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 ヤンソンス(アルヴィド)/ベルリン放送響/ベルリン放送合唱団 他

2023-12-24 19:24:00 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」

ベートーヴェン
交響曲第9番「合唱」

指揮…ヤンソンス(アルヴィド) 
演奏…ベルリン放送響 
合唱…ベルリン放送合唱団 他 
好み度…4(5点満点)

冒頭からゆっくりしたテンポのせいか、重く響く低弦のせいか、重厚で堂々たる響き。
第1楽章、第2楽章でのその重みは武骨と敬虔が入り混じったような重量感と力感を感じさせる。ことさらな演出や激しさはないが十分な雰囲気をもった、味わいのある情と力のある重厚感である。
第3楽章も深みを帯びた美しさ。繊細とか幽玄でなく、素朴でちゃんとした力をもった美しさと感じる。
終楽章は、独唱はテノールが前半ちょっと張り切りすぎの感あり落ち着かない。合唱はおおらかな力感と奥行きのある美しさも感じさせて悪くない。終盤は特に熱さを増していくようなこともなく、ちょっと普通に流されていく感はあるが、全体の印象としては、なかなか大きく深く奥行きのある、情の感じられる演奏といった印象である。
録音は少々ノイズもあるが特に悪くない。

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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 バレンボイム/ウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ 他

2023-10-29 10:41:20 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」

ベートーヴェン
交響曲第9番「合唱」

指揮…バレンボイム 
演奏…ウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ 
合唱…ベルリン州立歌劇場合唱団 他 
好み度…4(5点満点)

深さとか重厚とかというものではなく、若々しい熱を感じるような響き。
中東の国籍や宗教を越えた若い演奏家による楽団、という先入観があるからかもしれないが、細かいことを言えば整いきっていないところもあるんだろうとも感じるがそれを補って余りある若々しい覇気を感じる。
決して快活なテンポではなくむしろゆっくりめのテンポで堂々と奏し切りながら、エネルギッシュな爽快感が印象的。
バレンボイムの情を濃いめに表に出したアクセントつけにオケも大きく感受性豊かに応え、特に若手はないはずだけど合唱団もつられてだいぶ勢いに乗った歌いっぷりのように感じられて力強く、しかし透明感と広がりも随所に感じられて、終盤はかなりの熱気もはらんでなかなかに熱い第九のように思う。
このオケは1999年にバレンボイム他によって結成されたイスラエルやパレスチナ、アラブといった国々の団員によるオケとのこと。バレンボイムも粛々と大人の演奏をやるより例えばこういった自分が前面に出たメッセージ性をもったものに熱くなるタイプなんではないだろうか。音楽によって融合と希望を表現する、とか、ある意味パフォーマンス的なところはあるかもしれないが地球のどこかでこういった試みが続けられているということはよいことと思うし、そういう意気込みがあるからかどうかはわからないが、演奏は物怖じしない力に満ちたもののように思うし、特別なうまさとか、美しさとか、荘厳とか敬虔とか深みとか風格とか、そういうのとはちがうけど、邪念のないような力強い爽快さが心地よい、そんな盤のように思う。
今またパレスチナとイスラエルは多くの人命が失われている状況にある。いつまで繰り返され、罪無き人達がその人生を絶たれなければならないのだろうか。ひどい歴史的経緯がありそれへの解決策は容易にはなく、今回近しい人を失った人はやはり相手を恨むだろう。それでは、やはり繰り返さざるをえないのだろうか、世界のお偉方はほんとにこの状況を何とかする気はあるのだろうか、それとも所詮人間なんてこんなものということだろうか。

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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」  クーベリック/フィルハーモニア管&合唱団 他 

2023-10-22 19:22:19 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」

ベートーヴェン
交響曲第9番「合唱」

指揮…クーベリック 
演奏…フィルハーモニア管&合唱団 他 
好み度…4(5点満点)

出だしなど、残響多めのホール(ロイヤルフェスティバルホール)とゆっくりめのテンポで雄大な印象を受け、全体的にも大きく構えた演奏との印象だが、クーベリックの他の盤と比べるとスケール感は感じるもののシャープとはいえない録音のせいもあるか、ちょっとぼやけたやや大味な印象も受ける。

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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 カヒッゼ/トビリシ響/SIMIスタジオ合唱団 他

2023-08-13 10:34:44 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」

指揮…カヒッゼ 
演奏…トビリシ響
合唱…SIMIスタジオ合唱団 他
好み度…4.5(5点満点)

「あれ、結構いいな」というのがまずの感想。
あれ、というのも失礼かもしれないが、どうしてなかなか堂々雰囲気のある第九である。
この人のCDはジャケットに敢えてなのか、何か一種狂人めいた頑固さを思わせたいような写真があったりネットでも「カルト的人気」なんて文句が常套のように使われてたりするが、この演奏など所謂教科書どおりでないにせよ(むしろそれがいいが)、変に我を張るものでもなく爆演と言われるようなものでもなく、むしろ金管などは少し抑え目、テンポはゆったり目にとって堂々厚みと大きさと味わいの感じられる演奏のように思う。
少し残響多めの録音もこの曲ではかえって敬虔な雰囲気を付加するようでプラスに作用しているようにも思う。
緊張感とか完成度とか切れ味とか、じゃなくてまっとうにゆったり構えた素朴な敬虔さすら感じられるような厚みと大きさがいい。
ソリストも別にまずくないし、合唱の声量と大きさも不足なし、オケの技量にも厚みにも不足はない。
難を言うなら第2楽章とかもうちょっと要所でのキレがあれば、とかということになるのかと思うけど難というほどのこともないし、巨匠と一流オケとの整った演奏とかと比べたらこなれてないところもあるかもしれないけど、情と大きさの感じられる結構味の感じられる演奏のように思う。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 デプリート/都響

2023-02-19 12:13:22 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」

指揮…デプリート 
演奏…都響 
好み度…4(5点満点)

録音がやや硬めのせいもあるのだろうか、かっちりした厳しさのようなものは感じられるが雄大さのようなものはあまり感じられない。
精気のない響きではない。覇気とそれなりの力感は感じられるし筋肉質な響きとでもいおうか、それはそれで悪くない。
ただ、個人的には特にこの曲には重みとか大きさとかが欲しいという印象は受ける。
合唱が加わる終楽章は合唱陣がその覇気を受け継いで力強く、デプリートも大きく謳わせて迫力と熱気を感じさせて聴き応えのあるものになっている。
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ベートヴェン 交響曲第9番「合唱」 レーグナー/ベルリン放送響・合唱団 他

2023-01-07 10:05:39 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートヴェン 
交響曲第9番「合唱」

指揮…レーグナー 
演奏…ベルリン放送管 
合唱…ベルリン放送合唱団 他
好み度…4(5点満点)

1991年サントリーホールでのライブ録音。
響きはなかなか重厚。強い力感などは感じないが、眠たげな重さでもなく、水準かそれ以上の気も漂わせている。
ホルンなんかもときおりしっかり顔を覗かせて、激しさや特に秀でた活力などは感じないが、良質な重みを聴かせているように思う。
合唱は歓喜の歌のところでは少しゆっくりめのテンポもあってちょっと包まれるような広がりを聴かせる等、尖らず濁らず、柔らかみのある落ち着いた印象で、しっかりした声量でなかなか広がりを感じさせる雰囲気をつくっている。
他の名盤といわれる盤等と比べて特別な演奏かと言われればパンチ力不足のような感もあるが、なかなかの良演ではあると思う。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 マーク/パドヴァ・ヴェネート管/アテスティ合唱団 他

2022-01-02 19:18:42 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…マーク
演奏…パドヴァ・ヴェネート管
アテスティ合唱団 他
好み度…4(5点満点)

第1楽章~第3楽章にかけては、厚みも中くらいで、緊張感、力感、美しさ、深み等、いずれも特筆するような感銘は感じられないように思うが、基本的に穏やかなスタンスの中、ときに美しい響きも聴かせ、特別な感銘はないかもしれないが、何となく味わいも感じる。
終楽章は、オケも少し引き締まって力感を増した感もあり、また、合唱がいい。清らかな力感ある響きを響かせ、特に女声パートが印象的で、聴き慣れた女声は敬虔に、かつ普段前面に出てこない女声を美しく引き出して、美しく広がりのある、新鮮で敬虔なアンサンブルを聴かせている。フィナーレの堂々と謳う合唱の旋律は1音音程を変えていると思われるし、もしかしたらスコアに手を加えているのだろうか。男性パートも不足なく、この盤特有の雰囲気をつくっている。
都響との熱い力漲る1990年のライブ盤(こちらは1994年ライブ)、とは、同じ指揮者と思えないほどに趣は異なる。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 マズア/ライプツィヒゲヴァントハウス管/ライプツィヒゲヴァントハウス合唱団他 他

2021-09-20 21:02:02 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」

指揮…マズア 
演奏…ライプツィヒゲヴァントハウス管 
合唱…ライプツィヒゲヴァントハウス合唱団他 他 
好み度…3.5(5点満点)

1981年録音(ライプツィヒゲヴァントハウス新ホールこけらおとしライブ)
オケの響きに1973年盤のような艶は感じない。
オケの音色が変わってしまったのか、録音のせいか、ちょっと突き抜けない感じの響き。
音はそれなりに出てるけど切れとか迫力とかいずれにも欠ける印象。
第3楽章はじめ特別な美しさを感じることもない。
マズアにはそんなに魅力感じてなかったけど、このオケの美音とかゲヴァントハウス新ホールのこけらおとしとあったので、それに伴う熱気とか、何かあるかと思って聴いてみたが、期待はずれの感。
結構大人数なのだろうか、合唱は結構広がりも感じさせているのが救い。ただそれも感銘を感じさせるとか、活かしきっているかといわれればもう一つといった感もある。
ラストは結構力強く〆、拍手もまぁ盛大。
全体として悪い演奏とも思わないが、あえて何回か手に取るかといわれればそうでもないと思う。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 マッケラス/エイジ・オブ・インライトゥメント管 他

2021-05-16 15:04:09 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…マッケラス
演奏…エイジ・オブ・インライトゥメント管 他
好み度…5(5点満点)

第1楽章なんかはかなり速い。どこかで速さを変えるかと思ったらそのまま突っ走る。
全体でも約64分だから結構速く重厚荘重という風でもなく、響きも古楽器風。
が、細いとか軽いといった印象を与えず、速いテンポの中でアンサンブルもしっかりと古楽器風の弦の響きはどこかバロック調のような敬虔さを醸しつつ、緊張感に満ちた力感も十分にどこかスリリングな印象を感じる。
古楽器風だからといってやたらと音を短く切ることもなく、あっという間の楽章を通して緊張感と力感は結構なもので速いテンポと古楽器の響きは峻厳な敬虔とでもいうような雰囲気をつくっている。
楽器間の見通しもよくアンサンブルも美しく、第2楽章も速めの緊張感ある展開の中、情を排した敬虔さと力感と美しさを感じる。
古楽器風といいつつ第1楽章も第2楽章もティンパニなんかも結構響いてそれが違和感を感じさせない。
第3楽章も人の情とかというよりは天上からの光とかを連想させるような感覚。バロック調の雰囲気がそう感じさせるのかもしれない。あるいは古楽器風の弦の響きがいちばん功を奏しているのはこの楽章かもしれない。
終楽章の合唱も規模の大きさとか広がりで人の世の歓喜や力強さを歌い上げるというところはないが、ときに教会音楽のような美しさを感じさせしかし十分に力強く、美しく活力ある管弦もいい塩梅に絡んで、演奏後の、自然と湧き上がる大きな拍手がごく自然に感じられる。
第9にバロック調の古風な美しさと峻厳な敬虔さを与え、そこからほのかににじむ天上からの優しさを感じるような、人の世の上にあるものを仰ぎ見るような、もしかしたらベートーヴェンのイメージもこういう風だったのかもしれない、と思わせるような、現代の演奏と古楽器の雰囲気がよい形で融合した、凛とした美しい演奏のように思うし、他に情や力強さに満ちた盤があっての上だけど、名盤の1つと思う。
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