好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブルックナー 交響曲第8番 ブーレーズ/ウィーンフィル

2022-12-24 22:41:06 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第8番

指揮…ブーレーズ 
演奏…ウィーンフィル
好み度…5(5点満点)

なぜだろう、この盤は世評ではあまり評判がよくないようである。分析的に過ぎるとか、ブルックナーらしくないとか、そういうことだろうか。
威圧するような圧倒感とも、祈りのような敬虔とも違うようだし、華やかな力強さというのとも違うようである。
かしブルックナー没後100年記念としてブルックナーゆかりの聖フローリアン修道院教会に響いたその響きは騒々しくない力強さを十分に感じさせて、かつ美しい。
管がキンキンガンガン響くということはないが、渋い重みは十分に持っているし、ここぞでは思い切りのよい響きも聴かせソロもやっぱりうまい、しっかり計算されたであろう各楽器のアンサンブル(低弦とかティンパニとかが要所で効果的に効いているのが印象的)もブーレーズならではのように思うし、やはり輝きと深みと陰とを同居させたような弦が何とも美しい。
第3楽章のどっぷり浸っていたいような美しさなど大げさに言えば鳥肌もの、そうそう聴かれない類と思うし、終楽章を聴いていても美しいなと思うこと度々である。
ブーレーズが振るウィーンフィルの響きはどこか美しい陰を帯びるようで、急がないテンポと相まって、しかし十分の緊張感を保って、大きく、陰を帯びて美しい。
クールといえばクールかもしれないが、無機的ではない、純で芯の通った、いたずらに力みも騒ぎも訴えもしない、しかし十分な重さと力と何よりも美しさをもった、聴く回数を重ねるごとに感銘を増していくような、渋いけど気品とか滋味とか艶とか重みとか深い彩りとか、に満ちたような、ブル8のように思う。
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ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 インバル/都響

2022-12-24 22:38:48 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン 
交響曲第5番「運命」

指揮…インバル 
演奏…都響 
好み度…4.5(5点満点)

いい運命だと思う。
冒頭の動機など力と重みのある力感があって、4音目の伸びもしっかりとってまさに運命の動機っぽい。こういう力強く「まさに」の動機の聴ける盤って、あるようで案外ないようにも思う。
その後も特に新鮮味とか特に劇的とか特別な香りとか、ということはないがオーソドックスに、不足感のない重みと活力をもった響きで展開する。
少し録音がこもり気味なのがほんの少し残念なところか。
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マーラー 交響曲第5番 シノーポリ/フィルハーモニア管

2022-12-24 22:36:16 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…シノーポリ 
演奏…フィルハーモニア管
好み度…4.5(5点満点)

このオケは盤によって結構演奏にばらつきがあるように感じているが、ここでは優れた演奏をしている。
ほどよい緊張感の上で、張りと覇気のあるしなやかな躍動感を感じさせる響きが心地よい。
シノーポリもなかなかに表現豊かである。
激しいところはテンポも音も激しく、甘くいところは甘く歌い、金管は何となくカッコよく、アダージェットはまさに恋歌でありフィナーレはなんとも若々しい活力に満ちている。
全体的にゆったり大きなとかドロドロとかは感じず、明るく弾力があって多感で華がある、そんな5番のように思う。
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ブラームス 交響曲第1番 メータ/ウィーンフィル

2022-12-11 07:50:28 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス
交響曲第1番

指揮…メータ 
演奏…ウィーンフィル
好み度…4(5点満点)

感動的とか、特別な何かを感じる盤ではないように思うが、ウィーンフィルが美しくよく鳴っていて、そこは魅力。
処理も運びもオーソドックス、ただ、低弦とかやや強め、ティンパニもうまいこと効いてるし、弦のメリハリも自然にだけど結構ついていて、フィナーレをもうちょっと雄大か力強くやってくれていたら結構お気に入りの盤になっていたと思う。フィナーレもごく普通のレベルには鳴っているけど個人には追い込みも含めてちょっとあっさりした印象。
全体的には重みと美しさを伴ったウィーンフィルの響きの美しい古き良き正統ブラームスといったところかと。
第1楽章の反復ありだけど、個人的には1番も2番もブラームスの交響曲は反復無しでいいように思う。
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 アンゲリッシュ/ヤルヴィ/フランクフルト放送響

2022-12-11 07:47:33 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…アンゲリッシュ 
指揮…ヤルヴィ 
演奏…フランクフルト放送響
好み度…3.5(5点満点)

オケの響きは結構分厚く、濁らず均整もとれて、ブラームスらしい重厚感とは違うが、なかなか美しくもある。
ピアノは綺麗に弾けていると思うが、オケがせっかく分厚い分、もうちょっと重みとか重みを伴った力強さ、あるいは独特の音色みたいなものがあればなぁ、とも思う。それがない分、演奏全体がちょっと重みに欠けるというか味わいに欠けるというか、ちょっと綺麗なだけにとどまってしまっているような感を受ける。
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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番 ツィマーマン/バーンスタイン/ウィーンフィル

2022-12-11 07:43:35 | ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」&第4番
ベートーヴェン 
ピアノ協奏曲第4番

ピアノ…ツィマーマン 
指揮…バーンスタイン 
演奏…ウィーンフィル
好み度…4.5(5点満点)

この盤でツィマーマンのピアノは所謂面白味のようなものはないかもしれないが、ずっと、澄んだ響きの中にがっしりした力感のようなものが感じられるようで、いい意味でこの曲のよさがすっきりわかりやすく伝わるようである。聴かせどころの音がすっと力強く美しく前に出てくるあたり爽快。
バーンスタイン/ウィーンフィルのバックも特に感銘深いというわではないにせよ十分響いて美しくしっかりまとまっている。
特にピアノの要所での力強さ(けど美しい)は他ではちょっと聴かれない爽快さであり、何の不足感もなく聴ける盤のように思う。
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マーラー 交響曲第5番 ズヴェーデン/ロンドンフィル

2022-12-03 18:53:27 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…ズヴェーデン 
演奏…ロンドンフィル 
好み度…5(5点満点)

これはめっけもん。何とも心地よい。軽い意味でなく、録音もよく、しっかりした重みと響きがあって、心地よい。
冒頭のトランペットから最初の和音までも伸びやかで重みもあっていい。ただ上手に譜面をなぞるというのとも違って嫌味や押し付けののない味わいも感じられる。どろどろした重いのが聴きたいときは向かないと思うけど。オケの音質だろうか、重いというよりはほんのり響きは明るさを帯びる。ライブ録音だが、ロンドンフィルはこんなに機能的だったかな、とも感じる。金管なんかも十分うまい。
響きは伸びやかで艶があり、和音も大きく美しく、謳うところはうたって引き出す音のメリハリも自然にしっかりつけられ、新しいマーラー像とかと言ってもてはやされるタイプではないし情の掘り下げが浅い、とか言われちゃいそうな気もしないではないけど、アダージェットも綺麗だしフィナーレも結構堂々として、何というか、やはり、心地よい。
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ブルックナー 交響曲第5番 アイヒホルン/バイエルン放送響

2022-12-03 18:50:04 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第5番

指揮…アイヒホルン
演奏…バイエルン放送響
好み度…5(5点満点)

アイヒホルンという、ブルックナーの交響曲以外ではまず名を聞くことのない指揮者の盤だが、これはいい。
アイヒホルンはブルックナー協会からメダルも授与されているというブルックナーの演奏においては名の通った指揮者のようで、この盤はブルックナーの聖地ともいうべきリンツの聖フローリアン修道院でのバイエルン放送響を振ってのライブ録音。
聖フローリアンの豊かな残響の中、奇をてらわないアイヒホルンの運び、バイエルンの厚く清らかな響きが映えて、美しく大きいブルックナーが聴ける。
こういう豊かな残響をベースにしてブルックナーの弦や金管の重なりは設計されたんだな、と納得がいく思いがするし、素のブルックナーの素朴で敬虔な良さを堪能する思いがする。
第2楽章の弦の美しさ、終楽章の敬虔に重なる金管とフィナーレの大きさ等、印象深い。
豊かな残響の中、アイヒホルンの実直とバイエルンの厚く清らかな響きが力強くも透明感と滋味を感じさせて美しい、名盤でしょう。
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マーラー 交響曲第2番「復活」 バルビローリ/シュトゥットガルト放送響 他

2022-12-03 18:45:19 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第2番「復活」

指揮…バルビローリ
演奏…シュトゥットガルト放送響 他(合唱団わからず…)
好み度…4(5点満点)

オケは今ひとつの感もあるが、合唱は男声の使い方が効果的なのと重なる女声も美しく敬虔な空気に包まれるようで、この数分間だけでも他の盤ではちょっと聴かれないこの盤の大きな魅力。
録音はステレオで高音質とは言えないが聴くに支障はない。
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