ブルックナー
交響曲第8番
指揮…ブーレーズ
演奏…ウィーンフィル
好み度…5(5点満点)
なぜだろう、この盤は世評ではあまり評判がよくないようである。分析的に過ぎるとか、ブルックナーらしくないとか、そういうことだろうか。
威圧するような圧倒感とも、祈りのような敬虔とも違うようだし、華やかな力強さというのとも違うようである。
かしブルックナー没後100年記念としてブルックナーゆかりの聖フローリアン修道院教会に響いたその響きは騒々しくない力強さを十分に感じさせて、かつ美しい。
管がキンキンガンガン響くということはないが、渋い重みは十分に持っているし、ここぞでは思い切りのよい響きも聴かせソロもやっぱりうまい、しっかり計算されたであろう各楽器のアンサンブル(低弦とかティンパニとかが要所で効果的に効いているのが印象的)もブーレーズならではのように思うし、やはり輝きと深みと陰とを同居させたような弦が何とも美しい。
第3楽章のどっぷり浸っていたいような美しさなど大げさに言えば鳥肌もの、そうそう聴かれない類と思うし、終楽章を聴いていても美しいなと思うこと度々である。
ブーレーズが振るウィーンフィルの響きはどこか美しい陰を帯びるようで、急がないテンポと相まって、しかし十分の緊張感を保って、大きく、陰を帯びて美しい。
クールといえばクールかもしれないが、無機的ではない、純で芯の通った、いたずらに力みも騒ぎも訴えもしない、しかし十分な重さと力と何よりも美しさをもった、聴く回数を重ねるごとに感銘を増していくような、渋いけど気品とか滋味とか艶とか重みとか深い彩りとか、に満ちたような、ブル8のように思う。
交響曲第8番
指揮…ブーレーズ
演奏…ウィーンフィル
好み度…5(5点満点)
なぜだろう、この盤は世評ではあまり評判がよくないようである。分析的に過ぎるとか、ブルックナーらしくないとか、そういうことだろうか。
威圧するような圧倒感とも、祈りのような敬虔とも違うようだし、華やかな力強さというのとも違うようである。
かしブルックナー没後100年記念としてブルックナーゆかりの聖フローリアン修道院教会に響いたその響きは騒々しくない力強さを十分に感じさせて、かつ美しい。
管がキンキンガンガン響くということはないが、渋い重みは十分に持っているし、ここぞでは思い切りのよい響きも聴かせソロもやっぱりうまい、しっかり計算されたであろう各楽器のアンサンブル(低弦とかティンパニとかが要所で効果的に効いているのが印象的)もブーレーズならではのように思うし、やはり輝きと深みと陰とを同居させたような弦が何とも美しい。
第3楽章のどっぷり浸っていたいような美しさなど大げさに言えば鳥肌もの、そうそう聴かれない類と思うし、終楽章を聴いていても美しいなと思うこと度々である。
ブーレーズが振るウィーンフィルの響きはどこか美しい陰を帯びるようで、急がないテンポと相まって、しかし十分の緊張感を保って、大きく、陰を帯びて美しい。
クールといえばクールかもしれないが、無機的ではない、純で芯の通った、いたずらに力みも騒ぎも訴えもしない、しかし十分な重さと力と何よりも美しさをもった、聴く回数を重ねるごとに感銘を増していくような、渋いけど気品とか滋味とか艶とか重みとか深い彩りとか、に満ちたような、ブル8のように思う。