好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 バルビローリ/BBC響

2019-02-24 12:39:47 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン 
交響曲第3番「英雄」 

指揮…バルビローリ
演奏…BBC響
好み度…5(5点満点)

味付けの濃い、思い切りの良い力強さが爽快な英雄。
気品とか云々とかでなく、BBCの粗削りのような活力のある響きとバルビの情感濃い面が結構うまくマッチして、浪漫的情感と骨太感が濃く漂う、力強く爽快な大きさも感じさせる英雄になっているように思う。
低弦もがっちり響いて、響きは華麗とか繊細とかでなくゴツゴツとするような武骨さを感じるようだが、その武骨はいかめしさでなく自由闊達な雰囲気があって心地よく、第2楽章ではそれは濃い情感となって響く。
この曲は案外流麗に響く演奏も多い気がして、案外これくらいがっちりした英雄もなかなかないのかもしれない。弦も低弦も金管も思い切りよくて少々がさつなくらいだがそんなところが力強く豪快颯爽として心地よい。終楽章前半には力強い中に少し陰を感じるようなところがあってこれもまた妙味。一種の名盤と思う。
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ドヴォルザーク 交響曲第8番 アンチェル/アムセウテルダムコンセルトヘボウ管 

2019-02-24 12:31:54 | ドヴォルザーク 交響曲第8番
ドヴォルザーク 
交響曲第8番 

指揮…アンチェル
演奏…アムセウテルダムコンセルトヘボウ管
好み度…5(5点満点)

いいドヴォ8である。
響きは荒いまでの活気にあふれ、低弦など内声の効果的な引き出し方が活気を引き立てる。
上品なうまさや美しさではなく、どこか武骨なまでの気概を感じさせつつ野性味や泥臭さを感じさせるような、上品なんてまるっきり念頭にないような明るい力強さがストレートに感じられる。
チェコフィルとのブラ2を聴いてから、アンチェルの、新世界よりもドヴォ8を聴きたいなぁ、と思っていたが、期待以上といってよい演奏。
チェコフィルとのこの曲の録音はちゃんとしたのがないようで、聴けるのはこのコンセルトへボウ盤ということになるようだが、コンセルトヘボウも結構がむしゃらに弾いてくれているようで、ドヴォ8らしい明るさと力強い活気にあふれた響きになっている。
録音は1970年録音ならもう少しうまく録音できたような気もしないではないが、悪いというほどでもなく、活気を十分伝えて楽しめる域。
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ブラームス 交響曲第2番 アンセルメ/スイスロマンド管

2019-02-24 12:15:41 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…アンセルメ
演奏…スイスロマンド管
好み度…4(5点満点)
重厚とか、濃い情感とか、という演奏ではなく、どちらかといえば明るく爽やかな感を受けるブラ2のように思う。
ただ、軽い流暢な響きではなく、しっかりした厚みと豊かな内声を持った響きでしっかり聴かせている。
明るく伸びやかな弦がまずは印象的だが、そこここで柔らかな雰囲気をつくる木管もちょっと印象的。
第1楽章はちょっとゆっくり入る冒頭はじめ牧歌的な雰囲気も感じさせ、第2楽章も深刻になることはなくどちらかといえば明るめの爽やかな雰囲気。終楽章も爆発的とか圧倒的とはちがう、活力をもった明るく豊かな響きで、フィナーレも含めて急がず気負わず、〆ている。
明るく気負わず、でも充実感のある、そんなブラ2のように思う。
同じコンビのブラームスは1番、2番、4番と聴いたが、どれも高い質ながら、曲に応じてその響きがちがった雰囲気を帯びるあたり、結構見事なものとも思う。

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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 ショルティ/シカゴ響

2019-02-16 15:36:02 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン 
交響曲第3番「英雄」 

指揮…ショルティ
演奏…シカゴ響
好み度…4(5点満点)

ショルティらしい英雄ですね。
美しくしなやかで力強さと活力と繊細さと華麗さすらをもあわせもち、非の打ち所のない立派な演奏。
録音もよく心地よく聴けますね。
シカゴ響は華麗で厚く上手い。
歴史の上に乗る、というのではなく新しい活力による華麗と良心的な自信に満ちた昔のアメリカのイメージと重なるような。
個人的に好きな盤になるかといわれればまた別とも思うけど、華麗な名演ではあるのでしょう。
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ブラームス 交響曲第1番 マーク/東京都響

2019-02-16 15:27:58 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…マーク
演奏…東京都響
好み度…5(5点満点)

なぜか、このコンビの響きには素朴な深みを感じる。
おおらかでのびやかであり、名人のような特別な響きを聴かせるというのではないのだが、よい意味でのくすみを帯びながら、血の通った力感を感じさせて、美しさも感じさせる、この曲によく合った響きである。低
弦も管もティンパニもよく効いて、各楽器が力と美しさのある音を響かせ、オケ全体の音として雰囲気ある響きをつくり、都響ってやるじゃん、と思わせる質の高さと総合力もちゃんと備えている。例えばバーンスタイン&VPO盤よりブラームスらしい渋い力感と深みが香るように私には思える。
マークのおおらかな歌心と自然なアクセント付け等も功を奏しているように思う。第1楽章の重みや力感も心地よい聴き応えのあるものだし、第2楽章の弦も厚みも艶も伴って美しい。第3楽章でも各楽器のアクセントは自然に歌をつくり、優しい生気に満ちた美しさを感じる。
終楽章も最初のころのホルンとかフルートなどゆったりおおらかで美しいし、有名な主題も深みを帯びた明るさを伴って美しく情感あふれる響きで、中盤も中だるみ感を感じさせることなく、フィナーレの凱歌もゆっくり高らかに力強い。
このコンビは第九に続いて聴いたが、両盤とも水準の高さに失礼だがちょっとびっくりした。推進力や重々しさで聴かせるタイプではないしオーバーな演出があるわけでもないが、ゆったりめのテンポで、地に足のついたような心地よい重みと艶消しの明るさと美しさと、歌も備えた、ブラームスらしい名盤といってよいと思う。
録音もよく、何か見え透いたようなものがない分、何度も聴きたくなるような演奏のような気がする。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 マタチッチ/N響/国立音大合唱団 他

2019-02-16 15:23:11 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…マタチッチ
演奏…N響
合唱…国立音大合唱団 他
好み度…3.5(5点満点)

出だしは雄大であり、その後も第1楽章、第2楽章を通して深みとかに欠けるきらいはあるものの、それを補うだけの力強く熱気を感じさせる響きで、好演と感じる。
第3楽章ではその美しさはやや表面的とも感じられるが、ライブではこれくらいはっきり奏したほうが聴衆の琴線には響くのかもしれない。
終楽章に入っても冒頭のティンパニやトランペットの力強さ、続くコントラバスもしっかり響いて大きさを感じさせている。
ちょっと不安定な主題の全奏を経て声楽に入るが、独唱はかなり力みが目立つようで個人的にはちょっと…。
合唱は一流どころに聴かれる透明感を伴った力感やうまさやあまり感じられないが、一所懸命な熱と力は伝わり、もともとマタチッチのライブに完成度の高さはあまり期待していないのでそんな熱気もかえって合うかとも思ったが、ライブではともかくCDで聴くには強奏部・弱音部ともに表現の粗さとかまとまりきっていないところなんか感じられてどうも気が入っていけないところがある。
力強さと熱気は感じるが響きはやや表面的で深みを伴った重厚感には至っておらず、敬虔さは吹っ飛んでおり、N響はがんばっているとは思うし、会場で聴けば熱気と力強さに圧倒されるのかもしれないが、CDとしては熱狂的ライブの記録、と割り切ったほうがよいのかな、といった印象。
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