ベートーヴェン
交響曲第3番「英雄」
指揮…シュタイン
演奏…バンベルク響
好み度…4(5点満点)
もう一盤のベルリンドイツ響のものと比べるとこちらは歯切れのよさが目立つ。
引き締まって少し軽快な趣も感じさせながら快活な響きを聴かせている。
個人的には特に終楽章等もう少し力感か重みか、そんなものが欲しいかな、といったところ。
ベートーヴェン
交響曲第3番「英雄」
指揮…シュタイン
演奏…バンベルク響
好み度…4(5点満点)
もう一盤のベルリンドイツ響のものと比べるとこちらは歯切れのよさが目立つ。
引き締まって少し軽快な趣も感じさせながら快活な響きを聴かせている。
個人的には特に終楽章等もう少し力感か重みか、そんなものが欲しいかな、といったところ。
ベートーヴェン
交響曲第5番「運命」
指揮…ボールト
演奏…ロンドンフィルハーモニックプロムナード管
好み度…4(5点満点)
ちょっと拾い物の感のあるいい盤。
同じコンビの「英雄」の投稿でも書いたが、オケは聞かない名前だが、ロンドンフィルのよう。聴いていてもしっかりしたオケであることが感じられる。
オーソドックスに、力と熱気を感じさせる演奏は、素の力強さとそこから醸し出されるちょっと温かな古風な雰囲気がなんだかいい。
やはりこの曲はあれこれいじるより、そのままをどこまで音に中身を込めて響かせられるか、なんじゃないかと思わせ、特に終楽章の躍動感と熱気を帯びた(しかし全然崩れない)演奏は爽快。
弦も低弦含めよく響き、随所でのホルンも含め金管も爽快に響いている。
56年の録音のようだが、録音はときにちょっと不安定を感じるところもあるが、音質は問題なし。
ベートーヴェン
交響曲第9番「合唱」
指揮…メニューイン
演奏…ロイヤルフィル
合唱…ブライトンフェスティヴァル合唱団 他
好み度…3.5(5点満点)
そう、あのヴァイオリニストのメニューインだそうです。
楽器奏者から転向の指揮者の演奏はどこか緊張感に欠けたり、よくてうまくなぞっているとこまで、との印象がないでもないが、第1楽章などはなかなか堂に入った響き。ロイヤルフィルの華やかみを帯びた厚い響きによるところも大きいかもしれないけど。
第2楽章はやや速め、標準的に鳴らして特に緊張感とか激しさとか何かを感じるということもない。
第3楽章は冒頭も特にゆっくり謳うというタイプではないが明るさを帯びて清廉な美しさは漂わせる。
終楽章では合唱も大きく響いているが、どこか表層的というか、「何か」を感じることがない感じ。
全体として、よく鳴らしているけど特に感銘を受けることもないか、といった印象。
ブラームス
交響曲第2番
指揮…ヴァント
演奏…NDR
好み度…セッション4 ライブ4.5(5点満点)
ヴァントのブラ2にはNDRとのセッション(1983年)とライブ(1996年)のものがある(私が知ってる範囲では)。
セッションの演奏はどちらかといえば穏やかな雰囲気の、良演とは思うが印象としては特に可もなく不可もなく、といった印象。ただ、終盤の盛り上がりは厚く力感と爽快感もあっていい感じ。
ライブ盤も快活な明るさなどを感じさせるタイプではないが、ブラームスのじわりとした重みと滋味が感じられるようなところがあり、セッション盤との比較では第1楽章・第2楽章では同じ穏やかでも表現力が深化した感があり、終楽章の活力もライブ盤に分がある。第1楽章の弦による主題はしっとり美しく、弦が追いかけるように重なり合うところは下降する弦が美しく聴こえるし、第2楽章も冒頭はじめ落ち着いた重みと広がりのある響きが美しい。終楽章も重みと活力を程よく兼ね備えて味わいと爽快感が感じられる。このライブ盤の全集は第一に4番、次に1番が評判のようだが、ゆっくりめのテンポで華やかさや明るさとは別の魅力をもった、どうしてこの2番も地味だが味わい深い名盤の域かと思う。
ベートーヴェン
交響曲第9番「合唱」
指揮…ヤンソンス(アルヴィド)
演奏…ベルリン放送響
合唱…ベルリン放送合唱団 他
好み度…4(5点満点)
冒頭からゆっくりしたテンポのせいか、重く響く低弦のせいか、重厚で堂々たる響き。
第1楽章、第2楽章でのその重みは武骨と敬虔が入り混じったような重量感と力感を感じさせる。ことさらな演出や激しさはないが十分な雰囲気をもった、味わいのある情と力のある重厚感である。
第3楽章も深みを帯びた美しさ。繊細とか幽玄でなく、素朴でちゃんとした力をもった美しさと感じる。
終楽章は、独唱はテノールが前半ちょっと張り切りすぎの感あり落ち着かない。合唱はおおらかな力感と奥行きのある美しさも感じさせて悪くない。終盤は特に熱さを増していくようなこともなく、ちょっと普通に流されていく感はあるが、全体の印象としては、なかなか大きく深く奥行きのある、情の感じられる演奏といった印象である。
録音は少々ノイズもあるが特に悪くない。
ブラームス
交響曲第4番
指揮…ズヴェーデン
演奏…オランダフィル
好み度…4(5点満点)
響きは清らかさと力を同居させ、歌にはほのかに情があり、特に何を誇張しなくても素直に自然に美しい。
第2楽章最初の叙情部での木管なども柔らかく美しいし、協奏部での弦と弦、金管のおおらかな響きや管楽器同士の重なりなどもなかなかブラ4らしい響き。清らかであるが痩せることなく、清らかな厚い美しさを感じる演奏である。
素直で好感の持てる美しさで文句はないが、欲を言えば何らかのインパクトが何かあってもよかったかな、とも思う。
が、そういうのをなくして素直に嫌味なく美しいというのがこの演奏の個性ともいえるのかな。
ブラームス
ピアノ協奏曲第1番
ピアノ…オソリオ
指揮…バティス
演奏…ロイヤルフィル
好み度…4(5点満点)
オソリオもバティスもメキシコ出身というコンビによるブラームス。
勝手なイメージだが、メキシコというイメージに合った、明るめの熱いエネルギーを感じる演奏。
ただ、エネルギーを感じるのはどちらかといえばオケのほうで、はじけそうなオケを、エネルギーは感じるけど透明感のあるピアノの響きがうまいことバランスをとっているようなところを感じる。
なので、エネルギーは感じつつもどこか清涼な感じもあって、結構特有の魅力を備えた盤になっているように思う。
ロイヤルフィルも音色は華やかなほうだし。バティスのオケは元気だけど、ある意味元気以上でも以下でもなく、この盤は素朴なエネルギー感と透明感と情を感じさせるピアノの音色が魅力の盤のように思う。
所謂ドイツ的でないこの曲を聴きたいときにはよい盤だと思う。
ブルックナー
交響曲第3番/第8番
指揮…ドホナーニ
演奏…クリーヴランド管
好み度…4(5点満点)
このコンビらしく、機能的で、しかし無機的でなく、透明感を感じさせる完成度の高い響きで、重厚とか大きさとかといったワードよりは純度の高い透明感というか、そんなワードが合うような、このコンビの名から連想するイメージを裏切られるような演奏ではなく、質の高いブルックナーのように思う。3番のフィナーレなんかは結構爽快だったし。
2曲同じような印象ではあったので、まとめての投稿とします。
ベートーヴェン
交響曲第5番「運命」
指揮…ティーレマン
演奏…ウィーンフィル
好み度…4(5点満点)
正々堂々、古典の香りと風格と気品漂う演奏。
一音一音愛着をもって表情付けされているようで、ウィーンフィルも何だか心地よさそうですらある。
欲を言えば終楽章がちょっと気忙しく聴こえるところがなくもなくて、もっとしっかり雄大に鳴らしてくれてても、と思わないでもないが、まぁ、曲の構成からしたら確かにこれでもいいのかな、という気もするしそれなりに熱気を感じさせてもいる気もするし。
ブルックナー
交響曲第5番
指揮…ハイティンク
演奏…ウィーンフィル
好み度…4(5点満点)
まっとうで大きくウィーンフィルの美しいブル5。
ウィーンフィルの美しさとフィナーレの大きさが印象的。
ただ、他に感銘深い盤も多いせいか、3番ほど特別な感銘は受けないかな。
終楽章はフィナーレの大きさは特筆ものの域かと思うが、フィナーレまでがちょっと何かに欠ける印象はある。
とはいえハイティンクの泰然とした流れとウィーンフィルの美音は心地よく、ブルックナーらしいかはよくわからないが、大きく美しい音楽であることは確かであると思う。