ベートーヴェン
ピアノ協奏曲第4番
ピアノ…グルダ
指揮…シュタイン
演奏…ウィーンフィル
好み度…4.5(5点満点)
グルダのどこか軽快で洒脱な響きはどこかクラシック離れした雰囲気を感じさせ、ウィーンフィルも弦や木管にらしさを覗かせよく響きつつその音質は優美な洗練味というよりは快活さが勝るような印象で、全体としてちょっとこの曲らしからぬ雰囲気を漂わせている。繊細とか女性的な柔らかな気品とかいうのではなくちょっと他の盤でのこの曲のイメージとはちがうような気もするが、オケにもピアノにも張りと艶と快活な躍動感が感じられ、特にグルダのピアノは独特の小気味よい躍動感と美しさがあって、特に第1楽章終盤とか終楽章での快活で美しい躍動感とか、グルダでしか聴けない魅力を持った盤のように感じる。
グルダの音色はどうしてもこうも思うくらい美しくその語り口はスリリングですらあり爽快である。