好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第4番 サヴァリッシュ/ロンドンフィル

2015-11-29 00:26:33 | ブラームス 交響曲第4番
ブラームス
交響曲第4番

指揮…サヴァリッシュ
演奏…ロンドンフィル
好み度…4(5点満点)

テンポとしては気持ちゆったりしたテンポで、どちらかといえば弦楽器主体の、しっとりした情感漂うよい響きの良演と思う。
第2楽章なんかは結構美しい。
特に他盤を圧倒する何か、というものがあるというわけではないけれど、真面目に、けれど硬くならずに優しい情感も込め、
標準よりかなり高い水準の演奏をきちんとやっている、そんな印象の、好盤であると思う。
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ブラームス 交響曲第1番 スクロヴァチェフスキ/ザールブリュッケン放送響

2015-11-29 00:26:33 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス
交響曲第1番

指揮…スクロヴァチェフスキ
演奏…ザールブリュッケン放送響
好み度…5(5点満点)

丁寧に、美しくほの暗く、腰の据わった折り重なる厚い響きと、骨太の流れをもった名盤。
内声を聴かせることにおいては定評のあるスクロヴァだが、低弦がしっかり効き、金管も要所はしっかり吹かれ、アンサンブルも申し分ない。
全編通して力強く深く音を重ね、敬虔さとよい意味での鈍重さを漂わせ、ゆっくりめのテンポで情感込めて響かせている。
フィナーレはたっぷりゆっくり謳って印象的だが、誇らしげな凱歌というよりは安らぎをも含んだ包容力のある響きでありこれも個人的には大変好感を感じる。
ハレ管との録音もよかったが、それに比べ響きに深みと底の厚さが数段増している。
録音も文句なし。
出会えてよかったと思える私にとっての大名盤。
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ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 フリッチャイ/ベルリンフィル

2015-11-29 00:23:24 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン
交響曲第5番「運命」

指揮…フリッチャイ
演奏…ベルリンフィル
好み度…4.5(5点満点)

冒頭の動機からして激しいというよりは重く敬虔である。
第1楽章はゆっくりと、一音一音が雰囲気をまとうような、聳えるようでいて清らかな響きで、激しさというよりは深みとスケール感を感じる。
続く第2楽章もゆっくりしっかりした響きがつくられるが個人的にはちょっとゆっくりすぎる感も受ける。
このゆっくりは第3楽章では重い雰囲気を与えてよい方向に作用しているように感じられ、中盤以降もリズミカルとか軽妙というよりはがっしりしたものである。
終楽章に入ると冒頭の力強く高らかな凱歌はやや停滞しそうになった空気を一気に解き放つかのようであり、
その後も重みのある力強い響きにフリッチャイらしい劇性を高めるようなアクセントも相まってその力感は印象的である。
フリッチャイらしい、実直で重みのある力強い響きで感情豊かな演奏のように思う。
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ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 テンシュテット/ロンドンフィル

2015-11-17 22:38:26 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン
交響曲第5番「運命」

指揮…テンシュテット
演奏…ロンドンフィル
好み度…4.5(5点満点)

テンシュテットとロンドンフィルらしい、エネルギー感のある、迫るような運命。
録音がやや残響過多なのがちょっとだけ残念な気もないではないが、これだけ力と情感と熱の込められた、音の圧力を感じるような運命は、やっぱりなかなかないと思う。
ベートーヴェン的かといえばそうでないのかもしれないけれど、この曲のもつ情熱は力強く解放されていると思う。
運命の動機は重厚で激しく、終楽章の凱歌は高らかに謳われ、アンサンブルや金管の吹き方などに少々雑に聴こえる部分がないではないがそれもご愛嬌のうちというか、また、残響過多もあって内声などを堪能というわけにはいかないが、そういうタイプの演奏でもないと思うし、十分な迫力と熱さと燃焼度を持った、この曲における1つのタイプの名盤と呼んでよい豪演であると思う。
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ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 アシュケナージ/ハイティンク/コンセルトヘボウ管

2015-11-17 22:34:14 | ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番
ラフマニノフ
ピアノ協奏曲第3番

ピアノ…アシュケナージ
指揮…ハイティンク
演奏…コンセルトヘボウ管
好み度…4.5(5点満点)

この組み合わせでのラフ2は雪原の情景浮かぶ叙情性にあふれた美しい名演と思うが、この3番もその延長線上のようなスタンスを感じる。
何とも叙情的であり、少し重みを帯びるような美しさである。
オケの音色もその印象に大きく影響を与えているように思う。
月夜の大河のような、静かな重みと叙情性を湛え、大カデンツァでも力強さよりはむしろ情感が印象的。
終楽章ではピアノ、オケとも、力感を加え、強さを帯びた美しさも聴かせている。
ある意味ラフ3らしくないほどに耽美的ですらあるほどに美しく、幻想的な雪原を思わせるようなラフ3と感じる。
プレヴィン版との比較では、個人的には独特の雰囲気があるという点でハイティンク版をとるが、これは好みでしょうね。
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チャイコフスキー 交響曲第4番 リーパー/ポーランド国立放送響

2015-11-17 22:23:24 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー
交響曲第4番

指揮…リーパー
演奏…ポーランド国立放送響
好み度…4(5点満点)

他の所謂名門オケと有名指揮者の演奏等と比べると、やや締まり切らない感と少しの力感不足、
管楽器はややくぐもった印象で抜け切らない感も感じるが、ほの暗さをたたえた弦の響きは支えの低弦もしっかり効いてこの盤ならではの雰囲気もあり、
好みによっては個性的な好盤かもしれない。
華麗でも絢爛でもなく、地味といえば地味なチャイ4だが、その弦を中心とした響きは飾りけなしにほの暗い冬の大地を感じさせるようでもあり、
ここという旋律は情感をもって奏され、終楽章は結構がんばっているし、
上手い演奏ではないのだろうけど、いい感じの雰囲気つくっていて、個人的には結構好きな盤である。
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ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 キーシン/ゲルギエフ/ロンドン響

2015-11-14 23:55:26 | ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
ラフマニノフ
ピアノ協奏曲第2番

ピアノ…キーシン
指揮…ゲルギエフ
演奏…ロンドン響
好み度…5(5点満点)

冒頭から雰囲気を湛えて引き込まれる。
オケもピアノも情感豊かにスケール感を感じさせる。
叙情部のピアノは1音1音美しく、第1楽章中間の強奏部ではオケもピアノもゆっくり踏みしめるような強さを持ち、その後のピアノと沈んだ美しさの弦との協奏も美しい。
第2楽章も終楽章も、瑞々しくも心地よい広がりと情感を感じさせて美しい。
第2楽章は温かみのある情感とかいうよりは、むしろ夢の中あるいは幻想的であり、
終楽章もほどよい厚さと強さの中にたっぷりの叙情性を感じさせて美しい。
ネットでの記述などによればキーシン16歳、ゲルもどちらかといえば売出し中といった時期の録音のようであるが、
ピアノもオケもこの曲によく合ったスケール感と力感と、重さはあまり感じないが少しのほの暗さを湛えて美しく、
3番に比べると個性の出にくい2番にあって、幻想的なスケールを湛えたラフマニらしい情感を感じさせる、ありがちではない演奏であり、私にとっては結構な名盤。
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チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」

2015-11-14 23:52:33 | チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー
交響曲第6番「悲愴」

指揮…ヤルヴィ(ネーメ)
演奏…エーテボリ響
好み度…4(5点満点)

アンサンブルや弦や金管の響きは水準以上、内声もほどよく効かせながら縦の線もしっかりしていて、優れた演奏だとは思う。
ただ、それ以上の力感や情感には欠ける感はある。
第1楽章はやや速め。展開部のクライマックスこそなかなか盛り上げているが、第2主題もきれいではあるがあっさりだったり、全体的に力感・情感ともややもの足りなさを感じる。
第2楽章はワルツらしい軽妙な雰囲気もよく出て、第3楽章前半ともどもいろんな音を軽妙に聴かせてくれてなかなか達者な感を受ける。第3楽章後半は力と元気を感じるよくまとまったなかなかの仕上がり。
終楽章も慟哭とか悲壮感とかを感じるタイプではないが、しっかりした響きで美しく聴かせている。
しっかりした響きの、オケとして高い技術を感じる良演と思う。ただ、やはり力感とか情感あるいは特有の雰囲気という点でやや不足の感があり、今ひとつ感銘に欠ける感はある。
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ブラームス 交響曲第1番 ドホナーニ/クリーブランド管

2015-11-14 23:47:15 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス
交響曲第1番

指揮…ドホナーニ
演奏…クリーヴランド管
好み度…4(5点満点)

重かったり渋かったはしないが、そればかりがブラームスのよさじゃないことを感じさせるような、なかなかの良演。
洗練され透明感を伴った厚く美しい響きに線を揃えたアンサンブル、明晰で若々しい力感、こういうブラ1もありかな、と思う。
第1楽章の迫力や終楽章の推進力もなかなかの聴き応え。第2楽章や第3楽章はおごそかとか美しいというよりは清清しい。
個人的にはフィナーレの凱歌がちょっと軽いのが他がよいだけにかなり残念ではある。
特に変わったことをしていたりある側面を強調したり、といったことをしている演奏ではないが、例えるなら勢いのある新緑のような力感が印象的な、この盤ならではの良質な雰囲気を持った好盤である。
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