好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 レナルト/ブラティスラヴァ放送響

2021-02-27 13:15:33 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」

指揮…レナルト 
演奏…ブラティスラヴァ放送響 
好み度…5(5点満点)

ブラティスラヴァはスロヴァキアの首都、ブラティスラヴァ放送響は多分スロヴァキア放送響と同一。
地場もののよさとはこういう響きをいうのかもしれない。
うまいとか完成度とか(下手なわけでも完成度が低いわけでもないけど)、というより響きの素朴さに惹かれるような。
地場ものといっても明るい舞曲風というのではなく素朴な大地を感じさせるという意味で。
多分旋律の歌いまわしなんかも微妙なところでご当地の感覚が出ているのかもしれない(日本の歌だってきっと外国の人がきれいになぞるのと日本人が歌うのはちがうんだと思う)。
結構オーソドックスだけど、綺麗にまとめておしまい、って演奏に終わっていないのはその辺なのかな、と思う。というか地場もの云々抜きにしても素朴で自信に満ち堂々とした聴き応えのある演奏と思う。第2楽章は切実な郷愁、というよりはもう少し明るい回想するような郷愁の雰囲気。
「最も音楽的に完成された」盤でないのは確かだろうけど「最も新世界らしさを堪能できる」盤といったらこれを挙げるのもありではないか、なんて思ったりする。
洗練さとか美しく小綺麗な、とかとはちがうとこにある、しかし大オケの立派な交響曲演奏にはない魅力をもった盤のように思う。
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チャイコフスキー 交響曲第5番 ゲルギエフ/マリインスキー管

2021-02-27 13:10:02 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番 

指揮…ゲルギエフ
演奏…マリインスキー管
好み度…4.5(5点満点)

2010年パリライブ、DVDが先行した演奏のCD盤。
かなりゆっくり沈うつな雰囲気の出だしから始まり、ゲルギエフらしい演出たっぷりの濃厚な演奏。ただ、演奏するほうももはや慣れすぎちゃっているのか、昔のゲルギエフに聴かれたような熱さとかわけのわからない力感みたいなものは感じられない。
ゲルギエフはチャイコの後期3交響曲の中ではこの曲とがいちばん相性がいいように思われ、ゆったり情感濃く歌う様はとりようによってはあざといようでもあるが、やっぱりチャイ5らしいしゲルギエフらしいようにも思う。虚飾めいた濃い情とか甘さとか、そういった部分をゆったりたっぷり聴きたいときにはそうそうない盤のように思う。
あまり記憶も定かではないがウィーンフィルとのライブ盤で感じた荒っぽいまでの野生味(ゲルギは「野生味」と語られるのをよく見るが、正規盤で野性味を感じるのはこの盤くらいではなかろうか)とは趣を全く異にしているように思う。
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 ハフ/デイヴィス/BBC響

2021-02-27 13:07:06 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

指揮…ハフ 
演奏…デイヴィス(アンドリュー) 
演奏…BBC響 
好み度…5(5点満点)

デイヴィスにいつになく覇気が感じられて、この頃のデイヴィスとBBCはいいなぁ、なんて思ってたら、実はコリンでなくアンドリューのほうだったのだけれど、覇気のある厚い響きは心地よい。ピアノも特別な深みとか感銘とかといったタイプではないかもしれないが、澄んだ覇気のあるいい音を出している。
第1楽章での澄んだ力感、第2楽章での清清しさを帯びた美しさ、終楽章の熱と躍動感を帯びたような輝きなど、オケと相まって溌剌とした覇気(フィナーレなども爽快)と美しさを感じて心地よい。
沈み込むようなあるいは底光りのような重さとか、深い抒情とか深刻な情とか、そういうブラームスではなく、溌剌とした活力と清清しさに満ちたような、心地よい1番である。
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ブラームス 交響曲第4番 シャイー/ゲヴァントハウス管

2021-02-21 11:19:55 | ブラームス 交響曲第4番
ブラームス 
交響曲第4番

指揮…シャイー 
演奏…ゲヴァントハウス管 
好み度…4(5点満点)

第1・第2楽章の印象として、耽美とか幽玄と感傷といった美しさではないが、むしろそういったものに浸りきらずに機能的に艶のある美音をしっかり鳴らしながら豊かなアンサンブルをしっかり統率して響かせてなかなかに美しい。
録音も優秀で、ヴァイオリンも木管も低弦も艶のある響きでしっかり聴こえて、聴きだしたら途中でやめがたい美しさを感じさせる。
第3・第4楽章はテンポも速めに結構力強さを感じさせるものとなっている。ちょっと力強くなりすぎて何かしらの雰囲気が薄らいでしまったような感じもあるが、緊張感はあって各楽器の分離もよいので厚ぼったい印象は受けない。
前半2楽章の機能的な中に聴かれる艶と深みも効いたアンサンブルから受ける美しさは秀逸。 
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 小澤/ニューフィルハーモニア管/アンブロジアンシンガーズ 他

2021-02-21 11:16:57 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」

指揮…小澤 
演奏…ニューフィルハーモニア管 
合唱…アンブロジアンシンガーズ 他 
好み度…4(5点満点)

殊更に重みや敬虔さが強調されることもないが、第1楽章から輪郭の明瞭な響きは若々しい覇気を感じさせて心地よい。
第2楽章も緊張感漂うがその緊張感は硬いものではなく瑞々しさを感じるような性質のものであり、溌剌とした雰囲気と、のびやかな歌心なんかも感じる。
第3楽章は結構明瞭に奏され、明るくのびやかで、それでいてどこか明るい郷愁を誘うような美しさ。
終楽章は、残念ながら独唱、合唱とも声楽が遠い。ここまで思いの他よかったし、独唱も合唱も悪くないだけに、これは結構惜しまれる。
演奏としては、重厚というよりはむしろ力感と緊張感の中に小気味よい思い切りのよさと色彩感を感じるような演奏であり、合唱も多分結構広がりも力強い美しさもあったのだろうが、録音の関係と思うがこの曲を聴くにあたって合唱が遠いのはやはり残念。
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チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 ヤンソンス/バイエルン放送響

2021-02-21 11:12:37 | チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー 
交響曲第6番「悲愴」 

指揮…ヤンソンス
演奏…バイエルン放送響ヤンソンス 
好み度…4.5(5点満点)

オスロ盤との比較で言うと、オスロ盤が悲愴感を感じさせない、瑞々しさを感じるほどに美しくよく響く演奏であったのと比べると、表現と響きに重みと深みが増している感がある。例えば第1楽章の第2主題はどちらが「美しい」かと言われればオスロ盤かもしれないが、全体を覆うようになった重みと、重みを伴った情感、ときおり聴かせる深みを帯びた美しさではこの盤が上といったところ。完成度はどちらも高い。
第1楽章展開部途中でのティンパニによるアクセット付けやテンポの緩急などは基本的にあまり変わっていない。第2楽章でヴァイオリンが踊り出すように出てくるところなんかも変わっていないが、第3楽章の2度めのマーチ風の前のシンバルはオスロ盤では推進力を加速させる小気味よいうまい処理があったがそれが所謂普通になっていてその点だけはちょっと残念。終楽章は重みと深みの増したバイエルン盤がいい。
この演奏ではバイエルンの響きは清らかさや明るさより深みを印象付ける響きで、ヤンソンスなので情がむき出し、ということはないが、重さと美しさと情のバランスのとれた聴き応えのある演奏のように思う。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 バルビローリ/ハレ管

2021-02-11 13:40:12 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」

指揮…バルビローリ 
演奏…ハレ管 
好み度…4.5(5点満点)

ややオケの技量不足を感じないわけでもないが、それでも結構熱く力強く、血の通ったような響きで悪くない。
郷愁、抒情、郷土色、とかより熱い情とか野生味といった言葉があうような新世界。
第3楽章の重い迫力はちょっとなかなかない類かと。
他の盤でしっとり歌うようなところも結構早い歌いまわしでいったりこの曲でこれくらいティンパニが炸裂するのも珍しいと思うくらいの強打が聞かれたり(どこもかしこもではない)、ちょっと普通の新世界とは違うかもしれないけど、その鳴らしっぷりは爽快でもあるし、耳障りのいいだけの流麗な新世界も少なくない中、こんな熱い覇気を感じる新世界もいいな、と思う。
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チャイコフスキー 交響曲第5番 佐渡/ベルリン・ドイツ響

2021-02-11 13:32:32 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー 
交響曲第5番

指揮…佐渡 
演奏…ベルリン・ドイツ響 
好み度…5(5点満点)

ベルリンフィルを振ったとか、佐渡という指揮者の名前は聴いていたけど、そんなには期待しないで聴いてみたのだが、どうしてかなりよい。
録音のよさもあると思うが、ベルリン・ドイツ響の響きは機能的で美しく、大きく輝くような、かつ乱れず、懐の深さと艶も感じさせる美しい響きに惹きつけられる。
テンポも決して急がず、大きな響きでありながら勢いに任せることなく、タテの揃った強奏は美しく力強く爽快。歌も結構たっぷり歌い上げる。活力と大きさを持ちつつ美しく爽快なチャイ5。 ※20210221改
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ブラームス 交響曲第2番 マゼール/クリーヴランド管

2021-02-11 13:22:51 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番

指揮…マゼール 
演奏…クリーヴランド管
好み度…4(5点満点)

マゼールとクリーヴランドの機能的な美しさと明るい活力ある響きはこの曲ではそれなりによい面を見せている感がある。
この演奏では、マゼールの処理も楽器の出し入れや内声の聴かせ方なんかも他のこのコンビの組み合わせの演奏に比べると思い切りのよさと「らしさ」が感じられるところもあり、終楽章でのばっちり線を揃えた弾けるような力感などはうまいな、とは思いつつ、ただ、オケのクリアな響きもどこか情が乗らず、一体となった響きにならずにどこか無機的に響いているようにも感じられ、それなりに「らしさ」やうまさは感じられるものの感銘には至らないかな、といった感じも受ける。
どうもマゼールとクリーヴランドの録音は「これは」というものに当たらない感がある。
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