ラフマニノフ
ピアノ協奏曲第3番
ピアノ…ティボーデ
指揮…アシュケナージ
演奏…クリーヴランド管
好み度…5(5点満点)
ピアノもオケも、過度な表現を避け、むしろぐっと表現を抑えているようで、なぜか音に情感がのっている、独特の雰囲気がつくられている、そんな演奏である。
出だしからしてそんな雰囲気を持った演奏で、派手さはないがしっかり弾かれた名盤だと思う。
的確で、それでいて少しも無機的でなく、小さな起伏はきちんとつけながら、騒がず力まず大人のラフ3といった雰囲気で展開していき、大カデンツァへ向かう高揚部と大カデンツァでは、その大人の底力を見せ付けられるかのような迫力に満ち、その後の静けさの中で弾かれる音はまた優しく美しい。第1楽章が終わってみれば、大きなヤマは大カデンツァと決めてかかっていたかのような感さえあり、その分その迫力は際立つ。
第2楽章も叙情性の強調とかとは距離を置いたスタンスのようでいて、どこか人間味のある美しさも漂わせる。
終楽章のピアノは適度な力感をもちつつ、それが重くなったり威圧感になることなく、むしろその力感の中にはピアノの素朴な美しさや暖かさを感じるくらいである。
この演奏中、オケはかなり控えめだが、フィナーレはそれなりに鳴らしている。
この演奏に大曲感はない。特に力強さを誇示するわけでもラフマニノフの曲が持つ叙情性を強調するわけでもない。
虚飾や余分を捨てて、なお余裕のある大人のような演奏、であり、コンパクトで機能的だが血の通ったぬくもりのある演奏、である。
マツーエフやアルゲリッチなどとは全然違ったタイプの、これも名盤だと思う。
ピアノ協奏曲第3番
ピアノ…ティボーデ
指揮…アシュケナージ
演奏…クリーヴランド管
好み度…5(5点満点)
ピアノもオケも、過度な表現を避け、むしろぐっと表現を抑えているようで、なぜか音に情感がのっている、独特の雰囲気がつくられている、そんな演奏である。
出だしからしてそんな雰囲気を持った演奏で、派手さはないがしっかり弾かれた名盤だと思う。
的確で、それでいて少しも無機的でなく、小さな起伏はきちんとつけながら、騒がず力まず大人のラフ3といった雰囲気で展開していき、大カデンツァへ向かう高揚部と大カデンツァでは、その大人の底力を見せ付けられるかのような迫力に満ち、その後の静けさの中で弾かれる音はまた優しく美しい。第1楽章が終わってみれば、大きなヤマは大カデンツァと決めてかかっていたかのような感さえあり、その分その迫力は際立つ。
第2楽章も叙情性の強調とかとは距離を置いたスタンスのようでいて、どこか人間味のある美しさも漂わせる。
終楽章のピアノは適度な力感をもちつつ、それが重くなったり威圧感になることなく、むしろその力感の中にはピアノの素朴な美しさや暖かさを感じるくらいである。
この演奏中、オケはかなり控えめだが、フィナーレはそれなりに鳴らしている。
この演奏に大曲感はない。特に力強さを誇示するわけでもラフマニノフの曲が持つ叙情性を強調するわけでもない。
虚飾や余分を捨てて、なお余裕のある大人のような演奏、であり、コンパクトで機能的だが血の通ったぬくもりのある演奏、である。
マツーエフやアルゲリッチなどとは全然違ったタイプの、これも名盤だと思う。