好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ドヴォルザーク 交響曲第8番 マッケラス/ロンドンフィル

2020-06-27 16:46:27 | ドヴォルザーク 交響曲第8番
ドヴォルザーク
交響曲第8番

指揮…マッケラス 
演奏…ロンドンフィル 
好み度…4.5(5点満点)

美しい層を作りつつ重くならない響きで、明るく濁らず洗練を感じさせる美しい響き。
丁寧に音を吟味し、音作りをしているような印象を受ける。民族色は薄いかもしれない。
耳障りよく聴き心地よいがイージーではない、鳴らすところはしっかり鳴らした美しく上質のドヴォ8。
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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 ショルティ/ウィーンフィル

2020-06-27 16:32:40 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン
交響曲第3番「英雄」

指揮…ショルティ 
演奏…ウィーンフィル 
好み度…4(5点満点)

かっちりよくまとまって、引き締めるような低弦も含めよく鳴って、どちらかといえば歯切れのよい颯爽とした力強さを感じさせるショルティらしい隙のないよい演奏のように思う。
ウィーンフィルの響きもなかなかに力強くも美しい。
シカゴ響との録音より少し熱を感じるようであるが、それでも充実しつつも情を織り込まず、力強く華麗ではあるが感銘の余韻は残さないのもまたショルティらしい。
英雄の入門であるようで、あるタイプの完成形でもあるような、やっぱり流石の演奏ではあるように思う。
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ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 バーンスタイン/バイエルン放送響

2020-06-27 16:28:23 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン 
交響曲第5番「運命」 

指揮…バーンスタイン
演奏…バイエルン放送響
好み度…4.5(5点満点)

力強くバランスのとれた堂々たる運命でしょう。特に深みとか重みを感じさせるのとはちがうが、いい意味で緊張感から放たれたおおらかさと熱気を帯びた展開と響きはスケール管も感じさせるようである。
この演奏ではバーンスタインの演出家としての一面はあまり感じられず、もっと素のおおらかで爽やかな熱が出ているように思う。バーンスタインの熱をしっかり受けて表現するにはむしろウィーンフィルよりバイエルンのほうが相性がいいようにも思う。
ウィーンフィルがいつもウィーンフィルであろうとするのに対し、指揮者の意図を音にするというかある程度指揮者の色に染まれる柔軟性に富んでいるのかもしれない。どちらがいいというのではないが。
テンポはほんの少しゆっくりめ、終楽章冒頭もゆっくり大きく凱歌を歌っている。
やや明るめにバランスよく厚みと覇気あるバイエルンらしい美しい響きにバーンスタインの熱気を帯びた、おおらかな、名演の域の演奏と思う。
ウィーンフィル盤と比較すれば、若々しい躍動感と整ったアンサンブルはこちら、特有の響き・雰囲気あるいは風格というかアクの強さではあちら、個人的な好みではこちらに軍配、といったところ。
どこか他のところで書いたかもしれないが、バーンスタインとウィーンフィルは合っていないように思う。バイエルンとかニューヨークフィルとかの覇気や熱をストレートに出せるオケとの演奏のほうがこの人のよさが出ているように思う。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 ミュンシュ/ボストン響/ニューイングランド音楽院合唱団 他

2020-06-14 19:18:06 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…ミュンシュ
演奏…ボストン響
合唱…ニューイングランド音楽院合唱団 他
好み度…4.5(5点満点)

かつて「最も速い第九」と評されていたという盤。
第1楽章等確かに速めではある。ただ、特に慌しい印象は受けない。雄大な第九、ではないかもしれないが、激しい情熱的な力強さと推進力を持っていて、むしろセッションでこの熱感はたいしたものだと感じる。
ボストン響の腰のすわった太く古風な響きも合唱団の力強い響きも好感を感じ、ハイスピードの中でも決して雑になることなく力強く思い切りよく鳴って、アンサンブルもしっかり設計されてベートーヴェン的な世界もしっかりつくっているように感じる。
第1楽章はたたみかけるような速さで太く厳しく激しい。こういう第1楽章は他にはちょっとないかもしれないが、ベートーヴェンのイメージはむしろこうだったかも、とも思わせる情熱的な激しさを感じさせる。
第2楽章も激しいが、その激しさは崇高な雰囲気も漂うようでもある。通常第1楽章に比べ少し軽く大きさも少し小さめのイメージの楽章だが、第1楽章に負けない大きさと激しさの楽章としている。
第3楽章もかしこまることなく明るくのびのびとしたもの。爽やかな美しさが漂う。
終楽章冒頭の低弦の目いっぱいの音量(こんなに大きな音がでるものなのか?あるいは録音上なのだろうか?と思うくらい)の響きは第3楽章の爽やかな明るさとの決別か。ソリストものびのびと上手いし、重々しさとか崇高な広がりというのではないが高らかに力強い合唱はこの演奏に合っていて、管弦声楽相まってその爽やかで豪快な力強さはラストまで衰えない。
厳かとか、そういうタイプではないし、名演ともてはやされるような上品さや深遠さは持ち合わせていないが、血のかよった活力漲るような、それでいて勢いに任せるだけではない、しっかりした力強さに満ちた、これくらい長さを感じさせずに一気呵成に何だかあっという間に聴ける第九も他にないのではないだろうか。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 マッケラス/ロンドンフィル

2020-06-14 19:15:26 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」 

指揮…マッケラス
演奏…ロンドンフィル
好み度…4.5(5点満点)

情緒豊かな郷土色とか、吼える金管とか、分厚い弦とか、絢爛な華やかさとか、そういった響きではない。
少しゆっくりめのテンポで、意表を突くこともなく、落ち着いた中に繊細な美しさがたたずむような響きである。
例えばボヘミアの大地とか民族でなく、ボヘミアンガラスの、どっしり重みのある中に透明感と素朴な繊細さを見るような、そんな印象の響きであり、曲名が「新世界へ」でなく「新世界より」であることをふと思わせるような、ちょっとどことなくしんみりした香りを感じるようでもある。
録音もよく、にごりのない音で各楽器よく響いてもいて、落ち着きながらもしっかりした音をつくり、しっかり決めるところは決めながら、繊細な情と美しさが香るような、マッケラスってとてもしっかりした、表層的でない美しさを感じさせる音楽をつくる指揮者なんだな、と感じたりもする、ちょっと新鮮味も感じる自然で美しい新世界のように思う。
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ブラームス 交響曲第1番 ケーゲル/ライプツィヒ放送響

2020-06-14 19:11:57 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス
交響曲第1番

指揮…ケーゲル 
演奏…ライプツィヒ放送響 
好み度…5(5点満点)

実直で力強く爽快なブラ1といえようか。
ほの暗さを帯びた重さのようなものはあまり感じられず、いろんな楽器がもたれあって大きな層をつくるような響きではなく、やや高音域に寄った残響の多い録音の影響もあってか、何ともストレートな推進力と力強さを持った響き。
冒頭から思い切りのよい力強さは、テンポは速くないが強い推進力を伴ってたたみかけるような爽快感さえ感じさせ、終楽章は冒頭のホルンすらそんなにテンポを落とさず一気呵成の感を感じるくらいであり、その中で弦は更に伸びやかな力強さを増すようであり、速度を上げて目いっぱいの力強さで追い込んだ後の謳いあげるように輝くように響くフィナーレはまさに凱歌であり壮快。
ブラームス的な重々しさや深みとかというより、明るめの力強さと推進力を感じる活き活きとした剛毅な厚い響きと壮快な凱歌が印象的な、ある意味ケーゲルらしい実直で情の込もったブラ1と思う。やっぱりケーゲルはいい。
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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 テンシュテット/ロンドンフィル

2020-06-13 09:43:03 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン 
交響曲第3番「英雄」 

指揮…テンシュテット
演奏…ロンドンフィル
好み度…4(5点満点)

テンシュテットらしい実直な力のこもった演奏。
所謂爆演といった類の演奏ではなく、といって流麗とも違うが、力まず肩肘張らずに、しかしどっしりとした重みとかスケール感とかを感じさせるような演奏。
第2楽章の重みのある響きや、終楽章の実直な重みの中に情感や風格がにじむような響き等はなかなかの聴き応え。
漲るエネルギー感とかと艶とか躍動感とかというよりは適度な活力を持ちつつ円熟味とスケール感ある重みを感じさせる演奏だが、録音が少しこもり気味な印象を受けるのが少し残念なところか。
NDR盤、ウィーンフィル盤と3つの盤の中では一番どっしり落ち着いた印象を受け、録音の関係等もあるかと思うが、個人的な好みではNDR盤→ウィーンフィル盤→ロンドンフィル盤の順かな。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 ブロムシュテット/シュターツカペレドレスデン/ライプツィヒ放送合唱団・ドレスデン国立歌劇場合唱団 他 

2020-06-13 09:39:23 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」

指揮…ブロムシュテット 
演奏…シュターツカペレドレスデン 
合唱…ライプツィヒ放送合唱団・ドレスデン国立歌劇場合唱団 他 
好み度…4(5点満点)

第1楽章のティンパニの音が軽い(第1楽章だけなのだが)のが印象を左右しているのか、響きに何か力が伝わらない感覚がありどこか軽さを感じるところもある。
アクやクセのない美音を整然と揃えてかっちり隙なくまとめられた上質の演奏とは思うが、スケール感とか重厚感あるいは漲る力感とか迫力とかはあまり感じずもの足りなく感じるところもある。美しくはあるがちょっと空洞間のような感覚も受ける。
終楽章は腰も据わって響きにも力と美しさが加わってくるようだし、合唱もよく響いて美しく、歓喜の歌など爽快に聴かせている。心動かされるようなタイプではないが、この楽章だけとればオケも合唱も力と均整のとれた美しさが上質の名演級かと。
同じコンビのライブ盤がよかったので、これに教会でのセッション録音の残響が加わったらこれまたよいのでは、と思って聴いてみたのだが、ライブ盤で感じられた高い緊張感と漲る覇気と艶と、これらひっくるめた厳粛感漂う美しさ等はやはりそうそう表現できるものでないようで、こちらも決して悪い盤とは思わないが比べてしまうと断然ライブ盤に軍配の感。
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チャイコフスキー 交響曲第4番 カヒッゼ/トリビシ響

2020-06-13 09:32:56 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー 
交響曲第4番 

指揮…カヒッゼ
演奏…トリビシ響
好み度…4(5点満点)

帯には「ムラヴィンスキー型スタイリッシュ演奏とは一線を画するモサッとしたサウンドが実に良い」とある。
モサッとしているかどうかは別として、確かにスタイリッシュとは縁遠い形でチャイコフスキーならではの雰囲気が濃く出ていて良いと思う。
音は点の連続でなく旋律という線として感情を伴って流れ、弦も木管もヨーロッパの気品や垢抜けた響きでなく、チャイコフスキーの音楽の持つ野性味と甘さが色濃く感じられる。金管もちゃんと響いているが金管ばかりが響くような演奏とも明らかに違う。反対にこのコンビでベートーヴェンやモーツァルトをやってもロシアになっちゃって合わないんだろうとも思う。整然とした上手さのようなものは感じないが、野暮ったいくらいの情緒濃い響きが逆に魅力になっているような感を受ける。
あまり名前を聞かない指揮者とオケだが、帯びによるとカヒッゼは「ソ連人民芸術家の称号をもつ巨匠」だそうだしオケは「カヒッゼが創設した手兵でカヒッゼ没後は解散した」オケだそうで、例えば終楽章の速いテンポの中でもしっかり音をつくっているし、楔の音等でもがっちり線を揃えて稚拙な印象はない。
こういう演奏を聴いていると、チャイコフスキーの交響曲は上手いオケがしっかり演奏すればいい演奏になるというものでもないのかもなぁ、等とも感じる。
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